2013年12月7日土曜日

前回10月、きょう12月。

うわー、信じられない放置っぷりです…ゴメンナサイ。
ひとえに、私のおさぼりの故の所行であります。

百合のお話が、なかなか思いつかないというのもありますが…
しかし、BLだと好みが、百合以上に分かれてしまいそうですし、前回書きましたし。
じゃあ男女のラブなお話に行こうかと思うと、年齢制限がかかりそうだ(変態だな…)

困りました。
なにか、いいお題はないかなー。

クリスマス?
うーん、そうねえ…
クリスマスだったら、やっぱ百合が一番可愛いお話になりそうかな?

ちょっと、考えてみましょう。

考えるとはいえ、「行き当たりばったりに書いて、後から推敲」という、いつものパターンになりそうですが。

男女のクリスマス話じゃ、ベタでつまんないしなー。

ちなみに、実際のクリスマス、イブも当日も、私はお仕事です…神様は無慈悲だ…。

2013年10月20日日曜日

(つぶやき)寒いので。

わー、真一さんとドリちゃんの話が終わったー。
ドリちゃん、ほんとの名前は碧(みどり)なのに、もう忘れられてるよな…
若い方は18歳になったら、読みにおいで下さい~

さて、最近やたらに寒いんですが。
夏が暑すぎると、そう感じるのかしら。
そう考えてもみたのですが、体感温度だけではなくて、実際の数字の上でも低温らしく。

秋はどこへいった?
台風にすっ飛ばされちゃったのー?
私は秋が一番好きなわけではないんですが、周りにいる秋が好きな人たちは、とっても物足りなさそうです。ぐすん。

と、いうわけで。
せめてこのブログのお話では、鮮やかな錦秋か、またはあったかな春のお話をお届けしたいです。
少なくても、この次は。

あの、でもここ、基本的に女の子同士の淡いらぶらぶな「百合」ジャンルで作ったブログなので。
次回作はそっち傾向になります。
タイトルでわかるようにしておきますので、百合が苦手な人は逃げてくださいね。

あとは…年齢制限のないお話を書くように、心がけます…下手な分、せめて門は広く開けておかないとなー。

それでは、また!

(BL18禁)甘いお役目(7、ラスト)

僕は、真一さんの顔が見たくて、たまらなくなった。
別に…悪趣味のような考えじゃなくて、本当に、僕で感じてくれているのか、目で確かめたくて。
あ、その、もちろん…僕の中の、真一さんは…すごく、感じてくれてるのは…体でわかってるんだけど…。

「ねぇ、しんいちさ…っ、かお…みた…い…」
もう、切羽詰まってしまった僕は、それでも切れ切れの小声で、ねだった。
「体…ねじっても…見えない…?」
「わ、わかん…ないっ」
「俺…このまま、ドリの中で最後まで、したいから…抜きたくないよ…?」
「ひゃんっ、そ、そんなこと…恥ずかしいよ、聞いてて…」
「…ドリ。いつでも、いいよ。俺の顔、振り向いて見てごらん。余裕、できたら…」

よゆう、なんてない。
でも、僕は必死で、首を後ろに向けた。
髪が汗で額に貼り付いている、真一さんの顔が、見える。
頬をすっかり紅潮させて、息を荒く吐いている。
そして、僕の視線に気がつくと、微笑みを返して、大きく抜き差しを始めてきた。

「ん…っ!だ、だめっ、そんなにいきなり…も、ぼく…いっちゃうよ、そんな…ぁ」
「…俺も、もういきたいよ、ドリ。可愛く泣いて…?いやらしい言葉、いっぱい、言っていいから…」
「あんっ、それは、それ…は…しん…ちさん…の、ほ…、ああぁ…んっっ」

お互い、ほとんど同時に、出てしまったみたい。
「みたい」っていうのは、その…僕が、一瞬だけど…記憶、飛ばしちゃった、みたいで…。

いつの間にか、真一さんはコンドームをつけてくれていた。
ぐったり寝ころぶ僕と、二人分の後始末をしてくれている。
「ごめん…なさい。…ちから、はいらなくって、いま…」
謝りながら、僕は緊張がほぐれたのと、予想以上に真一さんとのSEXが気持ちよかったのとで、ぽろぽろ涙を落としてしまった。
「どうした、ドリ?…そんなに、まだ痛い…?」
心配そうに顔を寄せてくる真一さんに、僕はやっとの力で首を横に振ってみせる。
「じゃ、なくって…なんにも、できない…体が、動かないんだもの…」
言いながらまた泣くと、真一さんは、僕にそっと、唇に触れるだけのキスをくれた。
「いいんだよ?…だって、それだけ、俺のこと…よかったんだ?」
今度は、こっくりとうなずいて、僕は真一さんの優しい瞳を見つめる。

「ドリ、さあ、眠ってごらん…少し落ち着くから」
毛布を掛けてもらって、二人して乱したシーツの上にバスタオルを敷いてもらって、僕は真一さんと、ベッドの中で抱き合った。
「うん。…でも」
「…ん?」
「何だか…寝ちゃうの、もったいない気がする。僕…その、なんか、あの…眠ったら、もっと、できなくなっちゃう、でしょう…?」
思い切って僕が口にすると、真一さんはちょっと目を丸くして、その後、僕のおでこを指でつん、と突いてきた。
「いたっ」
「ドリ、お前、やっぱりやらしいよ。可愛い過ぎて、俺は困る…」
そう言いながら、ぎゅっと抱きしめてくれた。
あったかくて、とっても気持ちが良くて、僕は、胸が痛くなりそう。
「大丈夫だよ。まだ昼間なんだから。明日の朝まで、何度でもしよう…?」
「…うん。…うれしい」
また、ぎゅっ。

思ったままを、素直に口にすればいい。
それが、愛される僕の、甘いお役目…なのかな?
だとしたら、それはなんて恥ずかしくて、気持ちよくて、たまらないお役目なんだろ。

うっとりと真一さんの胸に頬を付けながら、僕は、静かに目を閉じた。


(おわり。めでたしめでたし! さて、次は年齢制限なしの百合を書こう~!短いの。)

2013年10月19日土曜日

(BL18禁)甘いお役目(6)

さっきまで、ぴんと張られていたシーツが、僕の手で握りしめられて、くしゃくしゃになってゆく。
机の上に飾られた真っ赤なガーベラが、ゆらりと潤んで見えるのは、きっと僕の涙のせい。

…真一さんに、されるがままになりながら、僕は、はしたなく乱れてゆくばかりだった。

男同士のやりかたがどんなものなのか、ねえちゃんに相談してから、僕なりに調べたっけ。
何だかわかるようでわからなくて、でも、女の子とする時とかなり似てるのは、わかった。
それから、どんなところが、決定的に違うのかも。

「…あ。……や、いい…っ」
「ドリ」
いやいやをしながら体中を震わせる僕を、真一さんは俯せにさせる。

ああ、この後は、あれをしちゃうのかな…。
でもそれじゃ、僕は、気持ちよくされる一方で、真一さんに何もしてあげられていない。
さっき、口でしただけ…

「背中、汗、かいてるよ」
指が、僕の背骨の上をすうっ…と撫でていく。
だめ、ぞくぞくしちゃうよっ。

「…ね、真一さん…」
「なんだい…?」

優しい声で聞き返されて、僕は、また震える。

「ぼ…くも、ただ…感じてる、だけじゃ、なくって…真一さんに、なにか…して、あげた…い」

言いながら、涙が頬をつうっと伝って落ちていくのがわかった。

「…ドリ?」
ちょっと微笑んだような声が不思議で、僕は真一さんを振り返る。
馬鹿な事言ってる、と、思ったのかな…?

はずれ。
真一さんは、ガーベラと同じくらい、真っ赤に頬を染めて僕を見ていた。

「もう、十分、してもらってるから、心配しないで」
「え…?」
「そんなに乱れて、可愛い声を上げ続けていられたら、俺の方がまいっちゃうに決まってるだろう?」

「そ、そんなに…やらしい…?」
「うん。…たまんないよ。だから、こんな事も…したくなる」
とまどう僕に、真一さんは、本で書いてあったことを、した。
今まで誰にも見せたことのない、ぼく本人も見たことのない、場所…真一さんと、きっとこの後つながる場所に、そっと、濡れた指が触る。

「ひゃっ?!」
「ごめん、冷たかった?…少し前に掌に出して、温めておいたんだけど。大丈夫、専用のローションだから、怪しげな物じゃないよ。それに…ちょっと、いたずらを仕掛けてある」
「え、ええっ?」
「これ、しばらくすると、じんじん熱くなって、痺れたみたいになってくるらしいんだ。…ドリの、もっともっと乱れていく様子を見たくて…買った。ごめん…?」

もう、その説明を聞いている間にも、僕は、真一さんに塗り込められ続けているその媚薬めいた物に翻弄され始めていた。

初めての時からそんなに感じる場所じゃない、と本で読んだ所が、熱くとろけていく。
真一さんがぼくのそこを、ゆっくりと撫でてくれるだけで、もう前の方も反応してしまった。
「や…シーツ、濡らしそ…っ」
「もう、少し…零れてる、よ」
「あぁん、ばか…っ、しんいちさんのばかっ…」

這った格好で真一さんに指で撫でられながら、僕は本気で泣き声混じりになっていく。

「じゃあ、やめる…?」
「やんっ、やだあ、しんいちさぁん…や、やめないでえ……」
「『もっとして』って、言ってごらん?」

いきそうになるのを必死でこらえながら、僕は、その優しい命令に自ら服従する。
その後の、想像しただけでどうにかなりそうな、報酬を期待して。

「ん…あぁ…、ね、しんいちさん…しんいちさぁん、もっと、もっと…して…っ?…欲しい…っっ」

熱く痺れた僕の中へ、真一さんの、同じく熱い指がゆっくりと滑り込む。
「ああ、ああんっ、な、何それ、すごいっっ…」
目の前のシーツをいくら握りしめても耐えられないほどの快感が、僕を襲う。
「…ドリ、よくできました、だね…?」
真一さんの声も、とろけそう。ちょっと…震えてる…?
ローションを時々垂らしながら、ゆっくり、真一さんの指が抜き差し寸前の動きをする。

もう、とっくに僕はいってしまった。
言葉も出なくなって、胸までシーツにぺたんと這いつくばりながら、わけのわからない声を上げる。
「ドリ…ドリ。可愛いよ、…すごく可愛い。いやらしい子だね…」
指の数は、きっと増えてると、思う。
でも、気持ちよく痺れてしまって、僕のそこは、いくらでも受け入れてしまいそうだった。
「…ね、しんいちさん…欲しい、欲しいんだ…ねぇ、……来て…?僕と、一緒に…」

その直後、僕は自分の甘えたおねだりの言葉に後悔した。
さっきまでとはまるで違うものが、僕の中に、熱く差し込まれてゆく。
ゆっくり、すごくゆっくり…真一さんが、とても気を遣ってくれているのも、感じる。
だけど……痛い、正直。
固まった体の僕に、心配そうに後ろから真一さんが声をかけてくれた。

「やっぱり…やめようか…?その、今日はまだ…初めてだし…」
「…っ、やだぁ…っ、…やめちゃ、やだ……い、痛いけど…したい、…したいよ…僕」
「ドリ?…無理してないか?」
返事の代わりに、僕はぶるぶると首を横に振る。
「…わかったよ。じゃ、…ゆっくりと息を吐いて、ちから、…抜いて…?」

言われたとおり、僕はそのままの姿勢で、ゆっくりと深呼吸をする。
僕の上に、真一さんが覆い被さるようにして、シーツを握りしめた指を一本ずつほどいてゆく。
「あ…っ」
そんな風に上へこられたら、ふ、深く、なっちゃう…っ。
真一さんは、汗まみれの手を右手で解放しながら、左手で僕の腰をしっかり掴んでいる。
「は…っ、あぁ…そ、そんなとこ…まで…ん…っ」
女の子じゃないから、僕と真一さんの抜き差しには、突き当たりのゴールがなくって、真一さんの腰骨が当たるかどうか…
また、僕は真一さんに泣かされ始めた。
今度は、かなり長いこと。
ゆっくりと、でも深くて、けっこう容赦ない感じで…ああ…っ。

今頃になって、ローションの媚薬が、かなり効いてきた感じ。
痛みじゃなくて、快感に僕の体がじんじんと熱くなる。
「はんっ、ああ…しんいちさんっ、ああっ…いい、いいよぉ…っ」
「…いいの?」
優しすぎる声が、僕の耳に染みこんでくる。
「いい、いいよ、ど…どうしよ、ああ…よすぎちゃう…!」
「…ああ、俺もすごく、きてる今、…ドリ、そんなに、締め付けないで…」
「やだあっ、ばかっ、そんな恥ずかしいの、だめ…だめぇ」
真一さんは、僕の腰を両手で押さえ込みながら、抜き差しを次第に速くしていった。

あ…も、かなり、僕…近い、かも、しれないよ…っ。

(つづく。→でも次回くらいでラストにする予定です。真一さんとドリちゃんも大変そうだし!)

2013年10月12日土曜日

(BL18禁)甘いお役目(5)

カードキーをスライドさせている、真一さんの手を見ながら、僕は考えていた。

こんな光景をみるの、どのくらい久しぶりなんだろう…

家族旅行で泊まったとき?
それとも、中学の時の修学旅行で行った、宿泊先のホテル?

こんなふうに、好きな人にドアを開けてもらう日がくるのは、もっとずっと先だと思っていた。
人生って、何が起こるか分からない。

真一さんが、ドアを押し開ける。
「ドリ。…おいで」
きっと今、僕の顔は赤く染まっている。
それを見られるのがとにかく恥ずかしくて、僕は、小走りに部屋へ入っていった。

僕の後ろで、ドアを閉める重い音が聞こえる。
カードキーをスイッチにして入れたのだろう、電気がついて、部屋が明るくなる。
そうして…ドアの鍵とストッパーを、静かに、かける音。

背後から、抱えている紙袋ごと、真一さんは僕をぎゅっと抱きしめてきた。
心臓がばくばくして跳ねて、それが全部、真一さんに分かってしまうようで、すごく困る。
でも、すごく…嬉しいし、気持ち…いい。

「ドリ…?」
急に、耳元でそっと囁かれて、僕は、ぞわぞわとする。
…これ、感じてる、んだ…。
甘い毒を注ぎ込まれて、何もかも奪われてしまいそう。
でも、それでも、いい。

「しんいち、さぁ…ん」
自分でも知らなかった、甘えた声。
「…感じてるんだ、ね?」
聞かれて素直に、ん、と頷いてしまう。

「…ね、……ベッド、大きくって…やらしい…」
小声で僕が言う。
目の前には、男二人でも十分寝られる広さのベッドと、ソファとテレビ。
ベッドサイドの小テーブルには、一輪挿しにガーベラ。

「やらしくなんてないよ。それは、ドリが…勝手に何か、考えてるから、でしょ?」
「…いじわる」
「そう、俺は意地悪だよ。ドリを可愛がりたくて。…何してほしいの?」
真一さんは、僕の口からそれを言わせたいみたいで、手をゆるめない。

「…もっと、いじわる…して…?」
自分でも目が回りそうなくらい、恥ずかしい台詞。
でも、言いたかったんだ。

「…ああ。覚悟してて…」

僕はベッドまでたどり着く前に、着ている物を全部はぎ取られた。
真一さんも何も身につけない姿になり、二人して倒れ込むようにベッドの上に横たわる。
しばらくは、抱きつきあって、唇を重ねあわせているのに、二人とも夢中だった。
真一さんの体は、すごく熱い。肌がとてもすべすべしていて、気持ちいい…。
僕は、自分から夢中で、真一さんにすがりついた。

真一さんの唇が、僕の肌を探るように、あちこちに落とされていく。
上から、下へとだんだん動いていき、僕は、不埒な想像にどうにかなりそう。

「だ、だめ……しんいちさんっ、そこ…だめぇ」
「…どうして?こんな…勃ってる」
僕の一番反応している尖端に、真一さんの唇がそっと触り、舌が柔らかくそこを舐める。
「だっ、だって、あっ…あ、す、すご……い…っ」
真一さんの唾液で濡らされ、僕のそこは、ますます反応して大きく張り詰めていく。

あ…っ、僕は今、大好きな先輩に、一番恥ずかしい所を…しゃぶられてて…すごくすごく、気持ちがいいよ…ぉ。

そんなような事をわけも分からず大声でわめきながら、僕は、真一さんの口に、初めてフェラされた快感の証を弾けさせてしまった。

どうしよう…すっごく、いい。
もう、一人じゃできないかもしれないくらいに。

「ドリ…一回出したのに、もう勃ってるぞ?…感じやすい悪い子だな…?」
「え。じゃ。……嫌い…?僕」
「正反対。エロいドリをいじめて、余計好きになった…」
「や、だ…真一さん、ひどい…僕、エロくなんてないよ…」
「じゃあ、もう一度射精してみるかい?俺の口に」
「やだ、ねえやだぁ、…僕も、真一さんに…したい…」
「ドリ。…やっぱ、お前はエロいよ、可愛くてエロい…」
「違う、ちがうよっ。…そ、その、真一さんの、あれが、僕も、ほしい…っ」
「飲んで、くれるの?…美味しくないのを」
「欲しいんだ、そうして、真一さんも、僕と同じくらい、気持ちよくなってほしいんだ…」

初めての、行為。
でも不思議に、嫌悪感はなかった。
ただ、真一さんを自分と同じくらい気持ちよくさせたい、それだけ考えた。
「あ…ドリ、上手だ…よ、…んっ、そろそ…ろ、…ああ…いいっ」
真一さんが噴き出したものは、予想より多くて、熱くて、ちょっぴり苦かった。
少しもこぼさないように、そう思って、舌や唇でぬぐいながら、舐めて、飲んだ。
ああ…また、真一さんも僕と同じに、…大きくなって、くれてる…。

僕と真一さんの時間は、昼間か夕方から、こうして始まっていったんだ、

(つづく…やたらと眠いので、間違いあったら後日お詫びしますー)

2013年10月8日火曜日

(つぶやき、ここは年齢フリー)わくわく。

馬の目の前にニンジンをぶら下げると、がんばって走るといいます。
私も、今さっき、自分の目の前にニンジン、ぶらさげて来ました。

進撃の、調査兵団のコスプレ衣装、ネット予約しちゃったーい!

果たしてこれ着て、12月の有明へ行けるか分かりませんが、それまでに今よりは少しでも体力戻して、ダイエットもして、頑張らないとねっ!

で、誰のコスプレを目指してるかというと…えへへ、眼鏡のハイテンションな、ハンジ=ゾエです。
何でかっつーと、眼鏡かけてるし、髪の長さ同じくらいだし、妙にハイな所も似てるし(笑)
しかし、私はあんなに、頭良くないけどさ。

本格的にするなら、いまよりちょっと栗毛の濃い感じに髪を染めて、度付きサングラスを買わないとですね。
そこまでやる気がでるかどうか…?

とにかく、私のいま一番のお楽しみです。
コス服は11月に来るそうなので、10月中旬からの池袋サンシャインのイベントは、行かなくてもいいかな…行くなら、緑のコート着たいもん~。

何か、毎日が急に、わくわく。

(次回はまた、18禁に戻れるといいなー)

2013年10月5日土曜日

(BL18禁)甘いお役目(4)

ぼうっとした中でも、真一さんとの約束を思い出しながら、僕は勉強して、土曜模試を受けた。
いつもより手応えがあったかどうか、それは、分からない。
ただ、思っていたよりも腐抜けた回答は書いていなかった感じ。

真一さんの教えてくれた場所は、バスの終点の駅ビルターミナルだった。
約束の時間に、東口のエスカレーター前に行く。
もう、背の高い姿が、そこに見えていて、僕はあわてて走っていった。

「ご、ごめんなさ…真一、さん…待たせ、ちゃっ…」
「そんな息を切らせて、走ってこなくても良かったんだよ、ドリ。時間ぴったりだったのは、ドリの方なんだから?」

…まだ、真一さんの口から「ドリ」と呼ばれるのに慣れなくて、僕はかあっと頬を紅くした。
そんな間抜けな僕を、真一さんは目を細め、優しく見つめてくれていた。

「…じゃ、ここのトイレで私服に着替えて、出ようか…。チェックイン、2時で予約してあるから。ダブルで」

え?

目を丸くして見上げるぼくに、真一さんは、つん、と額を指ではじく。
「こら、ドリ。どこ行くと思ってた?俺が取ったのは、普通のシティホテルだぞ」
「え、わ、んと、いやそのっ」
「その気、だったんだ?」

真一さんは、今度はいたずらっぽく瞳を輝かせて、ぼくの顔を覗き込んでくる。
「も、もう…知りませんっ、ぼく!からかわないで下さい…っ」
照れまくる僕に、真一さんはくすくすと笑いながら
「ごめんごめん。あんまり、ドリが可愛かったからね?じゃ、着替えようか…」
「あ、…はい…」

そうだよな。場所は違っても、これから真一さんとしちゃう事は、変わらないんだよな。
ドキドキしながら、僕は、着替えの入った紙袋を胸に抱くようにして、エスカレーターに乗った。

僕が先に個室へ入ると、びっくりしたことに、ドアの隙間をすごい勢いですり抜けて、真一さんが入ってきた。

「えっ?」
「…ごめん、ドリ。もう俺、我慢、できない…」
せっぱ詰まったセクシーな声でそう言うと、真一さんは、個室の中で僕を痛いくらい抱きしめた。

「わ…っ」
「ずっと、ずっと今日が来るの、待っていたんだ。試験の勉強が終わって、模試が済めば、ドリと初めて、抱き合えるんだ、って…」
「しっ、真一さ…んっ。……その、ぼ、僕も…」
「…ドリ?」
「だっ、だから…勝手に、ラブホテル行くのかな、とか、やらしい事、思っちゃってて…」
「ドリは、そっちの方がいい?」
真一さんの質問に、僕は首を横に振って答える。

「え…と、その…。やらしいとこより、真っ白いシーツが敷いてある、普通のホテルの方が、真一さんらしくって…好き、です…」
ホテルが好きなのか、真一さんに告白してるのか、抱きしめられたままのぼくは、だんだん目の前がぽうっとしてしまって、よくわからなくなってしまった。

真一さんが、優しいキスをくれる。
「…着替えようか、ここで、二人で?」
「え…、…あ、…はい…恥ずかしい、ですけど…」
「俺も、だよ」

狭い個室の中で、互いに相手の制服のネクタイを外し、シャツのボタンをはだけていく。
それは、とても淫らな行為に思えた。
ただ、着替えているだけなのに。
唇や首筋や、胸へのキスが、服を脱ぐたびに増えていく。

「あ、は…ぁっ」
「しいっ、ドリ、静かにして。一応個室とはいえ、ここはまだ、パブリックな場所だから…」
「じゃ、じゃあ…真一、さ…ん、も、ぼく…だ、め…。ここで、そんなに、しない…で…?」

自分のひそひそ声が、今まで聴いたこと無いくらい、甘ったるく個室に響く。
薫ねえちゃんに言われたからだけじゃなくて、自然に、そういう声が出ちゃったんだ。
私服に着替えるって言いながら、ぼくが最後に身につけているボクサーブリーフに手をかけようとしている真一さんに、ぼくは涙のたまった目で、いやいやをした。

「ごめん、ドリ。いじめるつもりじゃなかったんだ。…可愛くて、今言ってもらうまで、正直、夢中で歯止めが効かなくなってた。…許して、くれる?」
こくん、と小さく頷くと、ぼくと真一さんは、ほとんど裸に近い姿で抱きしめ合った。

「じゃあ、この続きは、着替えてからで…いいね?」
「うん。…真一さん、お願い。…して…?」
この一言は、ちょっと、薫ねえちゃんの受け売り。
そうしたら真一さんは、ちょっと頬を染めて、ぼくの唇をくわえこむ。
舌を絡め合わせた深いキスは長く続いて、私服を着るのは、チェックインぎりぎりになってしまった。

(つづく。やっとそれっぽくなってきたな…次はチェックインさせるー!)

2013年10月2日水曜日

(BL18禁)甘いお役目(3)

先輩の名前は、真一さんと言う。名字は…水上(みなかみ)。
初め、僕は「水上さん」と呼んでいたのだけれど、叱られてしまった。

「そんな、他人行儀な呼び方、やめないか?俺のことは、真一、でいいから」
「えっ…だって、先輩なんですから、失礼じゃないですか?!」
「名字で呼ぶ方が、余程失礼だよ。じゃあ、俺も君を、安達さんって呼ぼうか?」
「ヘンですよ、そんなの!僕は年下だし、それに、その…何だか…」

僕が口ごもっていると、真一さんは、誰もいないバス停なのを見計らうと、そっと耳に唇を寄せる。

「俺は、君の事を『ドリ』って呼ぶよ?…いい?」

囁かれて、ぞくぞくっとしてしまう。
もちろん、…気持ち悪いんじゃなくて、その、反対の…意味で。

「ど、どうしてそのあだ名、知ってるんですか?!みな…し、真一さ…ん…」
自分の頬に血が上っていくのが、わかる。

「そりゃあ、少しは調べたからね。知りたかったから、ドリの事を。…可愛い名前だね」

うっわ…ヤバい、言葉責め、ってやつ、こういうの…?
「やっ、なんか…恥ずかしいです、すごく…。誰が聴いてるか、分からないし、僕」

「…じゃあ、今度の土曜、模試の後に時間、取れる?…私服の着替え、持ってきて?」
「えっ」
「他に誰もいない部屋で、何度でも、ドリの名前を呼ばせてくれるかな?」

そ、それって、それは、その…アレですかっっ…?!

「…ごめん、どうやってこういう時に誘ったらいいのか、実は俺もよくわからなくて。…でも、二人きりで一緒にいられる場所に、行きたいんだ…わかる…?」

アレだろう、薫ねーちゃんが言ってた事する場所、だよ、ね…。
そう思った途端、僕は、自分でも自覚しないまま、こっくりと首を縦に振っていた。

「…ありがとう」
「あっ、いっいえ、その、僕…こそっ」

真一さん以上に、どう返事したらいいか見当もつかないまま、僕はとんちんかんな返事をした。

「ここが、道端じゃなくて、俺の部屋だったらな…惜しいよ。ドリの事、いますぐ抱きしめたい」

真一さんの殺し文句で、そんな場面が頭に浮かび、僕はぐらぐらしてしまった。

今度の土曜日、ホテルに行っちゃうんだ。真一さんと。
で、きっと、薫ねーちゃんに教わったみたいな事、しちゃうんだ…
どうしよう…模試の勉強、手に付かなくなっちゃいそうだよ。

ぼうっとしている僕の右手を、真一さんの大きい左の掌が、ぎゅっと、掴んだ。
「…ドリ。模試、頑張ろうな、お互いに。その後、その…ごほうびが、お互いにある、んだから…」

うわ。
そうか…そういうふうに考えれば、いいのかぁ。
学年順位が片手から下がったことない、って言う真一さんの噂は、ほんとうなんだな。

「…はい」
つないだ手を離したくなくて、僕はつい、答えながら、ぎゅっと真一さんの掌を握り返してしまって、そのあと、あわてて周りを見回した。
「大丈夫、もう黄昏時だよ。ちょっと離れてる人には、見えやしないさ。…もう少し、俺の方に寄って立ってごらん?手が、隠れるから」

真一さんのいう通りにそっと近づくと、真一さんは、ちらり、といたずらっぽく僕を見た。
そしてつないだ手をぐい、と引っ張って、僕の体をもたれかけるようにさせる。

恥ずかしいんだけど、それがとても嬉しくて、僕は、バスが来るまで、真一さんにちょっとだけ自分から寄りかかってしまった。

「…いい子だ。土曜は、もっと…甘えて?」
小声で、真一さんはもう一度殺し文句を言った。
「…うん」
僕も、初めて、甘えた口調で返事をしてしまった。
どんどん、この人にはまっていく。好きになってく。…先が見えない。

(つづく。次回は18禁らしくしなくちゃですね、もう4回目になるし!)

2013年9月25日水曜日

ないしょばなし…と、切なるお願い!

いまの日付からするに、ツイッターからこちらへいらした方、ありがとうございます。

ここはただ読んでスルーしていったり、好きな傾向のらぶらぶ話やエッセイがあったら、ちらりと覗いていって頂く場所です。

ただ、迷子になっているうちに、18禁のエリアが所々にありますので、年齢制限を念のため、かけさせていただきました。ご注意のほどを。

そして、さいごに、お願いです。

このブログには、コメント機能をつけてありません。あえて、外しています。
同好の士のみの、小部屋のようなブログにしておきたいので。

その代わり、出来る限り「私にとって、タブーではない」と思う恋や考え方を、書いていきたいのです。

なので、どうぞここについての返信や感想は、ツイッターにお書きになりませんよう。

どちらも閉めてしまうのは、私にとって命のかけらを落としてしまうような悲しい事なのです。
よしなにお願いします。

さて。

マレーシアの方とドイツの方が、お久しぶりにいらしてました!
きょう、ミーゴレン食べたんですよ~!
アメリカ合衆国の方も、いつも私がさぼっているのに見に来ていただいて、ありがとう存じます。

さて、次回は先輩の真(まこと)さんと、碧(みどり)くんのドキドキシーンが書けますように!
ツイッター経由の腐女子さん、腐男子さんの事をことさらに考えながら、ネタを練りますね。

ちょっと次回のアップまでは時間がかかるかもしれません…様子見もあるので(苦笑)

それでは、またー。

2013年9月22日日曜日

(BL18禁)甘いお役目(2)

「…ふーん、で、告られてお受けした、と。ごちそっさん、碧(みどり)くん」
「あっ、そういうんじゃなくて!ちょっと、マジ相談乗って欲しいんだよ、ねーちゃん。…他に誰にも、こんな事聞けないだろ…?」

帰宅の挨拶もそこそこに、僕は従姉の薫ねえちゃんに携帯をかけた。
ねえちゃんは、見た目も気性も僕より昔からずっと男前で、やたら女の子にもてていた。
本人はそれにうんざりしたらしく、大学を出ると、一部上場の彼氏をゲットして、さっさと家におさまってしまった。

しかし、昔のままの気性は変わらず、今は流行の「腐女子」というやつにはまって、マンガやアニメに出てくるイケメン達の誰と誰をくっつけようか、同好の士ときゃいきゃいやってるらしい。

そんな薫ねえちゃんなら、先輩の友達より、けっこう突っ込んだ内容まで聞けると踏んだんだ。

「…んー、でも、ドリ(僕のあだ名)さ、一番はあんたの気持ちじゃない?」
「うん…」
「男同士だからさ、手を繋いで街を歩いたりとか、ましてや結婚とか…できないよ? それでも、SEXする覚悟、あるわけ?」
「ねっ、ねねねねーちゃん、旦那さん聞いてたらどうすんだよ、コレ!?」
「あー、この手の相談電話、よくかかってくるから慣れてるって。それに今夜は、残業だし」


「…ま、ねーちゃんの夫婦関係を心配してくれてるくらいなら、覚悟あり、ってことかな?」
ちょっと優しくなった口調に、僕は小さく声を出して、こっくりする。
「じゃあ、どんな事が気になるのよ?」

「そ、その…僕が、されるみたいな側、なんだけど…。…どうしてあげたら、いいのかな、って…」
「うっわー、ドリ、可愛い事考えてるんだね! うーむ、こりゃ惚れられるわ」
「だからぁ、茶化してないで答えてよ!」

「茶化してなんか、ないって。ドリの、そういう相手を想う気持ちが、一番大事なんだよ?」

泣きかけた僕に、ほんのりとした声で、ねえちゃんは答えてくれた。

「よくさ、してくれる方に全部任せちゃって、いわゆる『サボっちゃってる』ヤツがいるのよ。男でも女でもね。だけど、それって、本当に好きな相手だったら、そんな失礼な態度、取らないよね?」
「う、うん…。よく、わからないけど、先輩に喜んでもらえることって、どんな事があるのかな…って、女の子じゃないから、よく分からないし…」
ふんふん、と携帯の向こうで、ねえちゃんの頷く様子が聞こえる。
「…で、男同士の趣味に詳しいねーちゃんに聞いたら、教えてもらえるかな、って…」

「男女、関係ないよ。ドリ。愛してもらう方の人間が出来ることは、ひとつだけ」

「え?」

あまりにもズバッと切りまくった答えに、僕は正座をしてしまった。

「簡単な事だよ。その先輩にしてもらっている事が気持ちよかったら、泣きわめいてどうにかなっちゃうくらい、気持ちいいって教えてあげること。言葉でも、身体でも、表情でもいいから、ドリの一番やりやすい方法で。…それが、相手の先輩に一番喜んでもらえる方法!」

「えーっ!は、恥ずかしいよ、ねーちゃっ、そんなっっ!!」
「バカねえ、だから先輩は嬉しいんじゃないの。他の誰にも見せない、ドリが恥ずかしがりながらも、先輩に負けていっちゃう姿とか声とか、さ…そういうのが、一番のお役目なのよ、あんたの側の」

「…ああ、それから逆もアリだからね。されてても、今ひとつだな~とか、痛いとか、そういう時にもちゃんと口で伝えないと、ダメだよ。そうじゃないと、ドリにとってSEXが苦痛になっちゃって、先輩のことも嫌いになっていっちゃうから…」

「…そ、それで、いいんだ? …わかった…ありがと…」
「うん。思いっきり、先輩にすがりついて、狂っちゃいなさい!事後報告を待ってるから~」
「え、えぇっ?」
「うーそ。ふふっ、なんか、その先輩とやらが、ドリを可愛く想ったの、分かるような気がするわ。ましてや、思春期真っ盛りの、高校生だもんねー」
「…ぼ、ぼくだって、思春期だよっ。いつまでも子供扱い、しないでよなっ」
「してないじゃん? 嬉しかったよ、あたし。ドリが、初体験の相談してくれたなんて。へへ」
「うん…僕の方こそ、ちょっと、ううん、かなりホッとした。…ヘンな言い方かも知れないけど、がんばって、みる」
「うむ、健闘を祈るぞ」
勇ましい薫おねえちゃんの声と同時に、携帯は切れた。

(つづく。…続いちゃうよ、あー)

2013年9月15日日曜日

(BL18禁)甘いお役目(1)

まさか、自分が同性を好きになるなんて、思っていなかった。
でも僕は、目の前に立った長身でこざっぱりとした先輩に告られ、そして、申し出を受けていた。

とても素敵な人で、ああなりたいな、と、実は遠目でちらりとのぞいていた先輩だったから。

どうして、ちびで女顔で、部活にも入ってない僕のことを知ってるんだろう…?

「文化祭の展示で、君の学年は美術の作品を出品しただろう?」
「えっ、あ…はい」

学校から離れた、駅のハンバーガー屋の奥の席。
先輩に誘われて、僕は初めて、デートまがいの行動を体験している。

「安達くんは、他の同学年より、抜群の精密画をペンで描いていたよね?機械のパーツ一つも、同じ物がないくらいに」
「あ、あんなの、ただの趣味ですからっ!」
「でも、その君の趣味に、俺は興味を引かれたんだ。こんな凄い絵を描く奴に、一度、会ってみたいって」

恥ずかしくて、僕はうつむいたまま、シェイクをすする。

「そうしたら、君と同じ中学を出た友人が、俺と同じクラスにいて、全校集会の時に教えてくれた。…あんな細かくて神経をピリピリさせそうな絵を描いた子が、こんな可愛い後輩だなんて…驚いた」

耐えきれず、僕はむせてしまった。

「…はっきり聞くよ。俺は今、他の誰よりも、君に興味がある。好意、と言ってもいい。絵のことを抜いても、校内で見る君は、いつも健気で、可愛くて、目が離せなくなる。…つき合ってくれる?」
「ええ…っ!」
「…嫌? なら、正直にそう言って?」
「じゃ、なくて…前から、素敵なひとだな、と思ってた貴方に、そんな事、言われる資格があるのかどうか、僕の方が、不安になっちゃって…」

「じゃあ、お試し期間で、つき合ってみようか?…ただ…」
「ただ?」
「君も、そして俺も、男同士だから…ある程度は分かると思うけど、…身体を試してみたい、って思うときも、正直、あると思う。…その覚悟は、しておいてもらっていい?」

「……!」

「体格や性格からいくと、俺が、君を可愛がり倒す事になると思う。もし嫌じゃなかったら、男同士で長くつきあってる友人を、紹介するよ。どんな風にしたらいいのか、奴ならフランクに教えてくれると思うから。…いきなり、こんな事を言って、すまない…。でも、俺は、君を抱きたいくらい好きだ」

ジェットコースターのような一気呵成の展開に、僕は、嬉しさと同じくらい、戸惑いを隠せなくなってしまった。
だから、真っ赤な顔のまま、先輩の前でちょこんと座っているしか、なかった。

…もちろん、男子高生なんだから、鍵のかかる自分の部屋で、気持ちよさを最後まで極めて楽しんだことは、何度もある。
でも、それはあくまでも一人きりの甘い秘密めいた行為で、人になんか見せたことはなくて…それを、憧れてた先輩としてしまうなんて、いったい、僕はどうなっちゃうんだろうか。頭の中が爆発して、ヘンになっちゃうかも、しれない。

その後、先輩に家の前まで送ってもらったのだけれど、僕の頭はもう、ぐわんぐわんしていた。

「ごめん…。今日は一度に、いろいろ話し過ぎちゃったな…」

そんなこと、と言おうとしたとたん、先輩は背をかがめて、僕に優しいキスをくれた。
恥ずかしいけど、あまりに気持ちよくって、僕も、持っていた鞄を地面に放り投げて、キスを受ける。
首にすがりつくと、先輩は、舌を入れてきた。
胸が苦しくなってしまって、僕は、湿ったため息と一緒に、先輩の唇から離れる。

「…じゃあ、また、この続きは必ず。…いつになるかは、わからないけど、遅くならないようにする」

先輩の声は、闇の中へ溶け始めていた。
僕は、落とした鞄を拾いながら、その声がした方を、しばらく眺めている。

…もちろん、僕の身体は思い切り、変化してしまっていた。
今夜は、どうなっちゃうんだろう。せめて家族に、自分の声を聞かれないようにしないと。

自分でもエロい奴だな、と想いながら、もう僕は他の事なんか考えられなくなっていた。
…溺れそう。

(つづくー)

2013年8月21日水曜日

きなくさい。(つぶやき)

エジプトの内戦状態が、いつもニュースで気になっています。

もう日本は、とっくに政府専用機でも出して、在留邦人を乗せて飛び出したと思っていたのに、未だ「渡航が危険」とか「自粛」とか…
(外務省の「海外安全ホームページ」を見ると分かります。更新、遅いけど)

他国は、もう動いていると思うんですがね。
というか、エジプト人を出国させて救出する段階だと思うんですがね。
人道的に。

だから日本は、「平和ボケ」って言われるんですよ。

右が好きな政党に票が入ってしまったんだから、もうちょっとそれらしく動きなさいな。

2013年8月14日水曜日

お久しぶりです。(つぶやき)

いやいや~、お盆の帰省から少し早めに帰って参りました。
それでも道は混んでいた…

さて、そんな雑用もありましたが、
そんでもって仕事もありましたが、
最近、ここをご無沙汰にしていたのは、ちょっと「荒らし」に近い投稿が、別の媒体からここへ入ってきそうだったからです。

偏見をぬぐいされない、いわゆる「残念」と呼ばれる一連の方々、と申しますか。

うーんと、私がこのブログで女の子同士の恋愛を書いたり、男女間の恋愛を書いたり、男の子同士は…あまり書いてないと思うんですが…趣旨から言うと、


「好き」という感情に、男女や年齢は関係ないのではないか。(血縁関係は除く)


…この気持ちを第一にして、書いてるわけなんですよ。

倫理的にどうだとか、この私の嗜好を変態めいた考えだと思う人とか、当然いらっしゃるでしょう。

(「荒らし」の方々ですね。でも、嗜好としては、私に送りつけられてきた文章の方が、よほど不快に感じられたのですが…まあ、人それぞれということにしておきましょう。)

では、もしそう感じられたのなら、ここをスルーしていただけば済むことです。
そうして、二度と訪れないでいただいた方が、お互いのためではないでしょうかね?

ちょっと、その様子見もあって、しばらくここを留守にしていました。
お久しぶりです。

相変わらず、マイペースでやっていきますので。
よろしくお願いします。

あ、あと、話を読む前に、ちゃんと選べるように、タイトルや文の冒頭で分かるよう、これからは今まで以上に気をつけていこうと思います!

そして、最後。
うれしいお話。

スロバキアから、ご覧になっている方がいらっしゃいましたー!
うれしいです。ありがとうございます。
元気がでました!

ではまた。
今週末からお盆休みも終わり、忙しくなってしまうので、できるだけ近いうちに、ちょっとでも!

2013年8月3日土曜日

極道めずる姫君(10)

「すみれ様、先日来、百貨店で誂えておりました、夏の制服がきょう届きました」

何事もなく学校から帰宅し、祖父と父に挨拶を終えて自室に戻った、すみれ。
慕わしくお仕えしている御方に、一刻も早くお知らせしたいと、可奈子が声を弾ませる。

「まあ…、可奈子ったら、自分の制服ができあがったみたいな勢いね?」
若草色の地に、思い切り大きな白の矢羽根をあちこちに散らした銘仙を着ながら、すみれは可奈子を見返って、微笑んだ。

平成の世であるというのに、すみれの部屋は、いつも青畳の香りも清々しい、和室である。
和箪笥の中から、可奈子はすみれの見立てに従い、クリーム色の地に鉄線の花の刺繍を施した名古屋帯を出して、締める手伝いをした。

「…こちらの箱が、ほら、夏服でございます…。もし、生地にご不満がございましたら、外商部の担当店員にお申し付け下さい、との事でした」

二人して、箱を挟んで正座する。
すみれは、ゆっくりと箱を開けた。

…見た目は、他の生徒の夏服と何ら変わらない、白のセーラーの上衣。
ただ違っていたのは、胸当てがつけられ、裏地が全体に縫いつけられて、長袖であること。

去年までは、すみれも、他の生徒と同じく半袖の薄い生地で制服を誂えていた。
ただ、高校生活最後の夏服だけは、刺青を入れた肌を隠すために、違う上衣を作ったのだ。

「…すみれ様、胸割りで五分に彫られたのですから、胸当てもつけず、七分袖でも良かったのではありませんか…?」
「それは駄目よ、可奈子。他の生徒さんは、皆、堅気(かたぎ)のお嬢様なのだから。万に一つでも、私がこちらの世界の者だと分からないようにして、ご迷惑を掛けないようにしなくては…」

「…でも、登下校も別でいらっしゃるし、お肌のご病気ということで、特別に理事長先生の控え室で体育着にも着替えていらっしゃるし…。差し出がましいようですが、ご心配なさりすぎでは…」

可奈子が、そう言う気持ちも、すみれにはよく分かる。
一人だけ異形の制服で夏を過ごすのは、決して気分の良くないものだろう、という…

「彫り師の先生に、身体をお預けしたのは、この私。その時も、お訊ねを受けたわ。『学校を出てからでも十分でしょうに、どうして、条例を越えたお年になったすぐ後に、彫られるのですか?』って」

「そうですわ…今更ですけれど、私も、そう思います」

「私はね、『極道』という不思議な縁で結ばれた何かと、結婚したかったのよ…一秒でも早く」
「え…?」

「子供の時から、おじい様やお父様、そしてたくさんの組の人たちを見てきたわ。決して外道な真似はせず、素人の方に理屈の通らないような真似は誰にもさせない、裏で生きていく我が家を。…物心つかないうちから、私、ちっとも怖くなかった。人が違うと言おうと、青鳳会は一本筋の通った生き方をする人間の、そして、それ故に不器用で世間に上手くとけ込めなかった人間の、大きなひとつの家なんだ…って、思って育ってきているのよ」

「すみれ様…」

「そんな組員(こども)たちに、たかだか高校生の女ができることって、何だろう…そう考えて、私は刺青を入れる事を決めたの。三代目になっても、組の皆を守るから、安心してほしい…って思ってね。…それに比べれば、たったひと夏、制服を長袖で通す事くらい、何でもないわ」

「…申し訳、ありませんでした…」

ずっと正座のまま、すみれの話に聞き入っていた可奈子は、涙を浮かべて頭を下げる。

「まあ、どうして?可奈子は何も悪くないのよ。あなたは私を心配してくれているのだし、それに、いつでも堅気に戻れるのよ?気を遣わないで?」

優しく慰めるすみれの回りには、後光のように光がとりまいているように、可奈子には見えた。
(ああ、この方は言葉だけじゃない。本当に、生まれながらのこの家の姫君なんだわ…)

「私は、すみれ様のおそばに、ずっと、ずっとお供いたします。…もし、お嫌でなければ…」

「嫌なわけ、ないじゃないの。…まあ、涙が滴になっていてよ?いま、そこの箪笥からハンカチを持ってくるから、待ってらっしゃい。動いちゃ駄目よ、着物が濡れるから…」

今にもしゃくりあげそうな可奈子に小声で言うと、すみれは柔らかな物腰で立ち上がった。

(つづく。お久しぶりです!)

2013年8月2日金曜日

なせ「バルス」なのか?(つぶやき)

今夜、日本では「天空の城ラピュタ」というアニメがテレビ放映されていて、
そのたびに「バルス」という滅びの呪文のシーンに対して、反応する人たちがいるわけです。

別に、それを良い悪いというわけではないのですけれど、
「なんで?」というのが、素朴な疑問としてありまして。

私はヘソ曲がりでして、相方と同じ機種の携帯を持つのも「なんだかなー」な人種。
ペアルックなんて、とーんでもございません!

なので、視聴者のみんなで「バルス」という呪文の時に、PCやツイッターで同時に交信する、という行為が…正直、よくわからないのですね。

つながりたい、共有したい、という意識の現れなのでしょうか?

私としては、エジプトの大統領支持騒ぎで国内が二分されているとか、
情報漏洩でアメリカのCIAの人がロシアに一ヶ月亡命するために、首脳会談が危なくなったとか、
そっちの三次元のほうが「バルス!」という感じなんですけど。

あ、きょう電気料金の紙が来たけど、値上がりしてたなー、やっぱり。
これも私にとっては、どっちかっつーと「バルス!」と東電に言ってやりたい気分ですな。

最後に。
私、いま「ラピュタ」より、録画してある「進撃の巨人」が見たいよ~。
(これは単なる趣味の問題ね)

それでは、またー。

2013年7月27日土曜日

この国はいま暑い。(つぶやき)

ここ数日、バテています。
もしかしてもしかしたら、熱中症の一歩手前かも~。

なので、私の頭の中にいる、白と紺の浴衣姿で団扇を使うすみれさんも、
パソコンに書きかけた、鹿乃子ちゃんと和也くんの初デートも、
ちっともこのブログに現れてまいりません(泣)

ごめん、皆。
そのうち出してあげられるように、頑張るから。

今夜は、テレビで隅田川の花火でも見ながら、気分を変えられるといいなあ。
(花火なので、何となく、今夜のメニューに冷や奴を入れました)

それではー。
皆さんも、暑さや大水や竜巻や、とにかくヘンな気候にはお気をつけ下さい!

2013年7月15日月曜日

極道めずる姫君(9)

障子の向こうに立っているだろう、滝川の次期は、煙草を咥えて灯を点けたようだ。
今では懐かしい、紫煙の香りが辺りに漂う。

「…部屋に、煙草の匂いが付きます。お止め下さいまし」
日本刀を真っ直ぐに構えたまま、すみれは言った。

「無粋な方だな。…ろくにお顔も拝見できないからこそ、貴女の部屋へ自分の残り香を置いていきたかったのに」
「笑止な!」

「まあ、そうおかんむりにならずに。せっかくの美少女との噂も台無しですよ。…いや、『極道めずる姫君』…そう、下の者に呼ばれ、慕われているそうですが…自分では、役不足ですか?」

「それは他人が勝手につけた異名(ふたつな)。お返事申し上げる必要はございません」

「…では、貴女が艶な彫り物を自ら進んで身に纏い、うら若き一生を任侠に捧げるとの噂は?」

実際の立ち位置こそ離れてはいても、ずけずけと、この男は言葉で不作法に上がり込んでくる。
…虫酸が走る。

「…お帰り下さいませ。これ以上、貴殿がそこへお立ちのままなら、青鳳会三代目 蒼 すみれ、怒りに任せて我を忘れ、何をしでかすか、我ながらわかりませぬ!」

恫喝、とは、こういう声のことを指すのだろう。
怒りのあまり、不動明王もかくや、というほど、すみれは全身を怒りで熱く滾らせていた。

可奈子は、目をむいてすみれを見つめる。
初めて、心の底から、自分の仕えている同い年の少女を、怖い…と、思ったから。

「…やれやれ、分かりましたよ。障子も燃え上がりそうな貴女の殺気と、今の自分は戦う気がないですから。ただ、覚えておいて下さい。…貴女をさんざん怒らせた男の名は、『滝川 涼一』…とね」

「忘れましたわ、たった今」

吐き捨てるすみれに、楽しげな笑い声で応えながら、滝川 涼一は廊下を歩いていき、その足音は、だんだん遠くなっていった。
その足音が耳を澄ませても聞こえないのを確かめると、すみれは、日本刀を床の間へ戻し、背後へ抛った懐剣を拾うと鞘に収め、再び博多献上に忍ばせた。

「…まあ、可奈子?」
その途端、すみれは何かに気づいたような表情をし、それから、くっくっと笑い出した。

「ど、どうなされたのです?すみれ様?」
気が緩んで、お心が錯乱でもされたのかと、可奈子はびっくりして傍へ寄る。

「見てごらんなさい。私の、この格好」
すみれは、滝川が来る前と寸分違わぬ、割烹着姿のままだったのだ。

おそらく、とっさに割烹着の裾をまくって手を入れ、懐剣をつかんだのだろう。
そしてそのまま、日本刀を持ち、障子の向こうを見据えながら、じっと構えていたのだ。

「良かったわ、障子を開けられずに済んで…こんな姿、見られたら何を言われるか、分かったもんじゃなくてよ?」
「…で、でも、長いお袖のまま、襷を掛ける暇もなかった事ですし、かえって…よろしかったかも…」
可奈子は、懸命になだめようとする。

「だけどねぇ、青鳳会の三代目が、割烹着姿で…可笑しくないこと?」
さっきまでの張り詰めた空気はどこへやら、すみれは、しばらく小声で笑い続けていた。

(つづく。…って、このお話、考えてれば、いつまでーも続きそうなんですが…)

 

2013年7月14日日曜日

極道めずる姫君(8)

「全く…このところ、普段の手入れの他に、余計なケアが必要になる事が多くて、困ること」
珍しく、ぶつぶつと呟きながら、私服に着替えたすみれは、銃を整備していた。

今日のきものは、一応客人が来ているので、数少ない赤縞の入った唐桟。
これも母譲りの逸品ゆえ、汚さぬよう、割烹着を上につけて作業をしている。

「うふ…」
「?どうしたの、可奈子。私、何か変かしら?」

傍で、昨日すみれが着ていた銘仙を一日ぶりに衣桁から外し、たとう紙に畳んでしまいながら、可奈子は微笑んだ。
「いえ…いつも思うのですが、まだ女子校生のすみれ様が、そんな奥様のような格好をしているのが、何だか、かえってお可愛いらしくて…」

「まあ、からかって。嫌な娘ね?」
返事をしながら、すみれもクスリと笑う。
「…確かにね、いま私がお針仕事でもしているのなら、どこかの奥様にでも見えるでしょうね」

でも、正座したすみれの膝の上には、油が染みこんだ布が幾重にも敷かれ、その上では短銃がいつでも性能を発揮できるよう、磨き込まれていた。

…さすがに、こんな事をしている若奥様めいた十代の娘は、任侠をひとつの道にまで極めさせた国の中にも、何人もいないだろう。


「おやおや、楽しそうですね?」
突然、聞き慣れない男の声が、障子越しに響いた。

もうほぼケアは終わったとはいえ、膝の上の銃を使うことは不利になる。

すみれは、瞬時にそう判断した。

左手で、博多献上の帯にたばさんであった懐剣をスルリと抜き、体の前にかざしながら、音もなく部屋の後ろへ素早く下がる。
床の間へ飾ってあった長刀を右手で持つと、そのまま声のした方へ燃えたぎる視線を当てた。

可奈子自らも、すみれから託されたデリンジャーを胸元から出して、同じ向きに突きつける。
こちらは逆に障子近くへ忍び足で寄り、女主人である三代目の部屋へ一歩も不審者を入れぬよう、身構えた。

(それにしても…)

さっきの、すみれの動きの素早さと、すぐさま変わった表情に、可奈子は今更ながら驚いた。

(あれは…あの動きは、肉食獣が相手を襲うときと同じだわ…敵が一瞬でも動いたら、途端に飛びかかり、喉笛に食らいついて倒してしまうような…何と、お凄い…)

「まあ、お二人とも、そう殺気立たないでください。三代目さんとは、先程ご挨拶申し上げたじゃないですか?」
障子の向こうの男は、ガラス越しにこちらの娘二人を見ているかのように、話しかけてくる。

「…ここは、組とは関係ない、私事(わたくしごと)の建物。貴殿の立ち入る所ではございませぬがゆえ、こちらが驚くのは至極当然。加えて、他人の家を訪ねておきながら、自ら名乗ることもできぬような性根の持ち主に、こちらから何を申しましょうや!」

すみれの、普段より低く恫喝するような声に、例えではなく本当に、障子紙がびりびりと震えた。

「困りましたね。…余程、警戒心がお強い方と見える」

動ぜず話を続けようとする男に、すみれはカッと目を見開き、懐剣を後ろに擲って長刀を本格的に構えた。

(肉食獣よ…美しすぎる、恐ろしい肉食獣…)

可奈子は、デリンジャーの照準を会話から割り出して合わせ続けながら、すみれの妖艶さに、ぞくりと背中を震わせた。

(つづく)

極道めずる姫君(7。健全に戻りました~)

滝川からすみれへのアプローチは、存外早く訪れた。
登校中に組員がさんざんのされた情報を知っているだけに、次期が直接青鳳会を訪れたのだ。

無論、その気などさらさらないすみれには、そんな話は聞かされておらず、いつも通り他の生徒が皆帰るまで理事長室で学習し、迎えに来てくれた自分の組の車に乗って、帰宅した。

「…今日は正直、組員一同、三代目をご自宅へお連れしたくない気持ちなんですよ…」
後部座席で、すみれの隣にいつも座っている若頭が、ぼやくように呟く。

「まあ、貴方がそんなこと言うなんて、珍しいわ。…どうしたの、家で何かあったの?」

「いえね、…滝川の次期が、車を飛ばして、いまウチの組でお嬢さんを待ってるんです」
「え、なんですって? …おじい様ったら、あんなに嫌だって、私、申し上げたのに」
「でしょう?お嬢さん。そうですよねえ?」

すみれの返事に、車内の組員が一斉に色めき立った。

「当然です。私は極道と結婚したと言っていますが、それは青鳳会と結婚したと同じ事。いくらおじい様が若い頃に恩義を受けた相手と言えども、私は他の組にゆく気はございません。…せっかく一生の覚悟を決めて彫っていただいたばかりの龍に、恥をかかせるのと等しい行為」

「お嬢がそう言ってくださると、こちらの若い者も、ホッとしますぜ」
「しかしな…」
若頭は、ぽつりと続ける。

「任侠道は、上の者が白と言えば、黒いもんも白い。黒いと言えば、白いもんも黒い。それで規律が保たれてるもんでさあ。…いくら三代目といえど、初代や二代目の言いつけに、どこまでお背きできるものか…」

「やってみなければ、わからなくてよ。私、何もしないうちからうじうじするの、大嫌いなの」

典雅な物腰には到底似合わない、啖呵にも似た強い口調と迫力に、車中は口をつぐんだ。

青鳳会の門前には、いつも整然と黒塗りの国産車が並び、ガード役の若い組員が無言で、姿勢を崩さぬまま立っている。
今日はその中に、黄色いコルベットのオープンカーが異彩を放って一台停められ、他の車と同様にガード役の組員が立っていた。

先日の朝を思い出し、車から降りる前に、すみれはポーチから自分の短銃を出しておき、サイレンサーと安全装置を外す。
「鞄は、今日は誰かに持って行ってほしいのだけど…いいかしら?弾丸は入ってなくてよ」
「了解です、お嬢さん」

いつものように組員たちに囲まれながら、いざとなれば自分が今まで乗っていた車のドア越しにコルベットを狙う覚悟で、すみれは玉砂利の敷かれた入り口に足を下ろした。

玉砂利の音が、静かすぎる外門に響いた瞬間。
コルベットの横に立っていた見張り役が、すみれ達に向けて銃口を構える。

一瞬早く、銃を持った彼の右手を撃ちぬいたのは、やはりすみれだった。
他の、車をガードしている若い組員達が、素早く交互を見る。

「…大丈夫。死にはしない程度にしてあげておいたから。…次は、手加減する気ないけど」

コルベットの横に倒れ込む男を、冷ややかに上からの目線で眺めながら、すみれは自分の組員たちに囲まれ、屋敷へと入っていく。

「すげ…」

実際にすみれの射撃の腕を見た者は、意外に少ない。
それは彼女が無駄撃ちをしない事と、なかば伝説になっているすみれの射撃の正確さを、なかなか見る機会がないからである。

その意味で行けば、今日、青鳳会の駐車場ですみれの腕前を見た者は、運が良かったろう。
技術に舌を巻き、相手になろうという気は失せ、それぞれの組に戻れば、すみれの武勇伝をDVDの再生よろしく皆に語って聞かせるだろうから。

普段通りに初代と二代目へ帰宅の挨拶に赴くと、見たことのない青年がいた。
さっき見た車とガード役には意外と似合わぬ、まっとうなスーツ姿の二十代半ばほどであろうか。

「…ただいま、戻りました」

すみれは、故意にその青年を無視して、祖父と父に両手をついて報告する。

「…すみれ。お前らしくもない。客人が同席しておるのだぞ。そちらへ先に挨拶するのが筋だろうが」
二代目に促され、すみれは正座のまま畳の上で膝をにじり、初めて見る青年の方へ体を向けた。

「失礼いたしました。青鳳会三代目、蒼 すみれでございます。…黄色のコルベットは、お客人のお車でございますか?」

「あ?…ああ」
自分の名前を聞かれると思っていたその青年は、やや拍子抜けしたように返事をする。

「車の警備をしておりました者が、私に狼藉を働こうといたしましたため、やむなく彼の右手を撃ち抜かせていただきました。ご無礼申し上げます。…では、これにて失礼をば」

「なんと、すみれ、それは事実か」
「はい。でなければ、ドア越しに、私が彼に撃たれていたことでしょう」
「手当は?」
「さあ…。私も、後のことは下の者に任せて、まずはお二人に帰宅のご報告をと思いました故」

さらり、と言い放つすみれは、客人の名前すら尋ねる気などないように、普段通り自室へと戻っていった。

「はねっかえりで…失礼ばかりいたして、申し訳ない、次期どの」
二代目である、すみれの父が恐縮して頭を下げる。

「いや、あれくらい気位が高くて、腕に覚えのある女性のほうが、こちらも口説きがいがあるというもの。…面白くなってきましたよ…」
オーダーメイドのスーツに身を包んだ青年は、勧められた座布団の上で正座しながら、声を上げて笑った。

(つづく)

2013年7月11日木曜日

極道めずる姫君(6・★18禁です。18歳未満さんは、5から7に飛んでもいいようにお話書きますから勘弁!)

すみれの部屋にベッドがあるなら、スプリングが二人の動きにつれ、ぎしぎし…ときしむのだろう。
でも、ここは和室。柔らかな広い布団の上で、すみれと可奈子が戯れ合うのに音はしないはず。

そう思っていたのだが、いざ二人が事に及び始めた時分の事。
カタ、カタカタカタ…。
二人が激しくなるほどに、何かが当たる音が和室に響く。

その正体(?)は、すぐにわかった。
「すみれ様、和箪笥の金具ですわ。お布団が揺れると、床も揺れて、和箪笥の桐に揺れた金具が当たって、音が出てしまっていたんです」

「どうしたものかしら…」
「ご心配ありません。今、金具に巻き付ける小さな座布団のような音消しを、金具の数だけ縫っておりますから…」

今では、紫紺の小さな音消しの布が、金具一つ一つに三角形にくるんで取り付けられ、いくら二人が揺れ合っても、もう箪笥がそれを教えることは、なくなった。

すみれは、うつぶせに布団の上へ横たわり、腰から膝までを高く持ち上げ、可奈子を誘う。
いつもなら、その扇情的な姿に自分も濡れてしまい、すみれを泣かせてしまうくらい感じさせる可奈子なのだが、今日は違う。

「…可奈子…?どうしたの、今夜は…いつもと違って、あまり、してくれないのね…」
「あのう、すみれ様、やはり、今日はまだ、お控えになっておいた方が…」
「体のこと?大丈夫よ。彫り師の先生もお父様も言ってらしたけど、一週間もすれば普段の生活に戻して大丈夫だから、って」

「でも…」
「できあがってみたら、怖くなった?私の刺青」

すみれの言葉に、可奈子は大きく首を横に振った。
「とんでもありません!御立派な昇り龍に下り龍。そして…この太腿の付け根に咲き誇る、百花繚乱の美しい花園…」
そう言いながら、這いずって寝そべる形のすみれの後ろに、可奈子が付いて、すみれの秘密の花園が隠されている双丘を両手でゆっくりと、開く。

ぎりぎりまで、牡丹や桜が彫られていたが、可奈子がこれから攻めてゆく所は、さすがに敏感な所というわけで、絵を彫らずにそのままになっていた。
そのすみれの中心こそが、回りのどんな花の刺青よりも美しい場所。
もう、可奈子の視線と吐息が感じられていて、うっすら濡れ始めていた。

可奈子は、すみれの後ろに自分もよつんばいになって、舌だけですみれの秘花を、そうっとすくい上げるように、愛撫を続ける。

すみれの一番いい場所は、花の上の方についている固い蕾。でも、可奈子だけが、その蕾を大きく膨らませてくれて、そこに隠れている薄い小さなベールを舌先でそっとめくって、奥を舐め取られるようにしていくと、もう、…たまらない。

快感に堪えきれなくなったすみれが、離れの部屋を満たしてゆくように、少しずつ恥ずかしげによがり始めていくのであった。

今日は最後の彫りが完成したので、体が弱っていやしないかと、可奈子はいつもよりすみれの様子を逐一うかがいながら、舌先で、とめどなくあふれ出てくるすみれの花の蜜を掬っていく。

「ああん…可奈子、いいわ…そこよ、そう、そこなの…ああ、すごく…いい…っ」

昼は淑やかなすみれに似合わず、俯せになっていたすみれはいつの間にか四肢を立てて、豊かに膨らんだ胸を揺らし、乳首が微かに敷布へ擦れる気持ちよさも楽しみながら、可奈子の舌技に
よがり声をあげて応えた。

「ね…可奈子?…今夜…ひとつに、なりたいわ…だめ?」
閨の中のすみれは、大胆な言葉を吐く。
「…今夜は、いけません。お体の美しい刺青を休ませて、より綺麗にして差し上げる方が、きょうのすみれ様には必要かと存じます」
可奈子は、看護師のように、きっぱりとした口調で言う。

「まあ、意地悪ね…今夜の可奈子って。じゃ、私が最後に意地悪してあげるわ。私、仰向けになるから、あなたは私の顔の前まで、脚を開いて進んでいらっしゃい。…舐めて、あげる」
「え…っ」
一方的に奉仕される事は、他の行為よりあまりないので、可奈子は真っ赤になってためらった。

「ダメよ。私がさっき、すごく良かったんだから、今度は可奈子が泣く番よ、ね?」
恥ずかしげに、それでも言われたとおりにおずおずと、可奈子はすみれの唇近くに、自分の一番恥ずかしいところを近づけていった。

胸こそ割って彫られているが、二の腕も乳房も、墨と朱の色が肌の奥へと染みこんでいくようで、妖しく美しいすみれの前半分を、可奈子はうっとりとながめる。
そこへ持ってきて、すみれの舌が可奈子の敏感な場所を細やかに舐め続けてくるのだから、もう、可奈子は普段よりも我を忘れて、腰を自分からも動かし、達してしまった。


     

2013年7月7日日曜日

極道めずる姫君(5)

「すみれ、判ったぞ、今朝の騒ぎの理由が」
「えっ」

着替えている間の突然の展開に、さすがのすみれも真っ直ぐに祖父と父を見つめ、我知らず声を上げていた。

「中国地方にな、初代が戦後の闇市を仕切っていた頃、同じように港湾業で荒くれ者を束ね、ちょっと名の知れた男の創った組があるんだ。そこの下っ端が、若気の至りでお前の腕前を探りに来た、と言うことらしい…」

父の言うことを、黙って聞きながら
「それにしても…私は今朝一人、そちらの方を殺めてしまいました。その事が…」
と、すみれは心底すまなそうに言う。

「だが、先に手を出してきたのは向こうだ。お前は何も気にすることはない」
初代組長である祖父が、きっぱりと言い、それで朝の出来事についての話はすんだ。

「でも、どうして私を、そちらの組の方が狙ったのでしょう…?」
すみれは、率直に疑問をぶつけた。

すると、祖父と父がちら、と目配せをし、ややあって、二代目である父が話し出した。

「いや、それがどうも…お前の気っ風と腕前を、試しに来たらしい」
「どうしてですか?私は、そちらの組に何もご迷惑をかけた覚えはございませんが…」

「ありていに言えばな、見合い、だよ。すみれ。向こうの組…滝川一家が、次期の女房を捜す年頃になってな、そこで古い知己のわしと、その孫娘を思い出した、というわけだ」
初代の言葉に、すみれは驚いて、言葉もなかった。

「どうだ、すみれよ。お前も高校に三年も通い、条例に背くことなく、つい先日自分の意思で刺青を彫った。極道に骨を埋める覚悟なら、一度、滝川の次期組長に会ってみる、というのは…」

「せっかくですが…お断りいたします」
すみれは、きっぱりとはねつけた。

「何故?悪くない話だと、わしは思うが。東西の勢力構図も変わり、一層素人さんに迷惑を掛けることなく、裏稼業に専念できるというもの」

「…私は、確かに極道と結婚した覚悟です。その思いに変わりはありません。しかし、それはこの青鳳会の三代目となり、組員(こども)達を守っていくからなのです。…ですから、他の組へ嫁ぐ事なぞ、一切考えておりません。この組の存続を考えていくなら、養子を取っても構いません」

すみれの黒目がちの瞳に、光が宿る。
この瞳は、出入りに赴く時や、相手に啖呵を切る時、そして表社会を平穏なままに守るため、やむなく銃や日本刀を敵の組員に向ける時のものである。
普段は、こんな瞳は、全くしない。

初代も二代目も、それを十分承知していたので、この場はこれ以上の話をやめた。

「…だが、考えておいてくれよ、すみれ。…それから、今朝の立ち回り、滝川の者達が想像以上のものだと、度肝を抜いていたそうだぞ」

「…それほどのことは、いたしておりません」
すみれが、静かな口調と瞳に戻り、返事をする。
「帰宅早々、呼び出して悪かったな。お前の好きな、銃の手入れの時間も減らしてしまった」
「恐れ入ります」

すみれが正座姿で頭を下げる前を、祖父と父は何やら話し込みながら歩いて通り過ぎていった。

実は。
すみれには、もう一つ、この青鳳会を出る事をためらう理由があった。
小さな頃から姉妹のように育ち、今ではすみれの身の回り係として、一切を取り仕切っている少女、可奈子がいる。
いつの間にか、すみれと可奈子は、人目を忍ぶ禁断の関係を結ぶようになってしまっていたのだった。

その夜も、彫り師の先生や理事長先生の禁を破るぎりぎりのラインで、すみれは離れの自室に可奈子を呼び、いつもよりやや控えめながら、互いの体に何も纏わず、睦み合い始めていた。

(つづく。男とは結婚しないけど百合、ってずるいかな~?)

2013年7月6日土曜日

極道めずる姫君(4)

下校時刻も過ぎ、辺りがすっかり暗くなった頃、すみれは理事長室で行っていた復習を切り上げ、礼を言って部屋を出た。

窓のサッシ側を通らぬように、教室側に寄って歩くのが癖になっている。
さすがに、学校のガラスを全て防弾ガラスにするわけには、いかないので。

ロッカールームで鞄の奥に仕舞ったキーを取り出し、ポーチごと短銃を取り出す。
「ふう…」
毎日の事ながら、すみれがほっとする瞬間だ。

生まれた家のゆえに、銃で自らを守ることが当たり前となっていた。
なので、すみれにとってこのポーチの中身は、自分の一部であり、信頼のおける存在なのだ。

ポーチを、鞄に入れる。
朝の事を考え、今日は鞄の蓋のすぐ下に忍ばせて、昇降口を出た。

いつも通りに、家の…組の若い者が、車で迎えに来てくれている。
素早く、飛び込むように、すみれは後部座席に乗り込んだ。

「…ありがとう、いつも毎日。…朝、あんな事があったけれど…組の誰かに、何か、変わりはなくって?」
声を掛けられた助手席の若い者は、辺りを警戒するように、前方を見つめながら
「お嬢さん、こちらこそご心配ありがとう存じます。…それが…」

「どうしたの?何かあったの?」
「…いや、その逆なんですよ。朝の始末をして以来、どの組もどの鉄砲玉も、動く気配がないんです」
「え…?」
「それじゃ、一体今朝のアヤつけは何だったんだ、って…昼中、組でも持ちきりでした」
「まあ」

「組長だけでなく、今回は御前様まで、それぞれ交友のある組に問い合わせなさっていたようなんですが…どうにも…はあ」
「まあ、おじいさままで?余程、珍しい事なのですね…」

そんな情報を聞いているうち、高級車は、青鳳会の広々とした玄関前の駐車場を通り、茅葺きの外玄関の門へ横付けされた。
車は、朝と同じ色で気取られぬよう、帰りは白の物に変えられている。

助手席の組員が急いで車外へ出て、他に同乗していた組員達も、運転手を残してすみれの降りるドア前に立ち、囲むようにして守る。運転手は、不測の事態にはすみれを乗せ、逃げるために、あえて降りずに周囲へと目を光らせていた。

「ありがとう…皆」
朝、銃で頬のすぐ横を撃たれそうになったとは思えないほど、おっとりと、すみれは微笑む。そうして、運転手にも目配せで礼を伝えると、黒の高級スーツに身を包んだ男達に囲まれたまま、自宅へと続く門をくぐっていった。

「くーっ、青鳳会の三代目さんは、いつ見ても超マブで、すげえいいよなあ」
「俺らの組にも、ああいうお嬢様がいたら、俺、いつでも鉄砲玉になるんだけどよぅ」
青鳳会へ客として招かれた親分や幹部を待つ、他の組員達は、見とれながら呟いた。

「おじい様、お父様。ただ今、すみれ戻りました。…着替えさせて頂いてから、再びお目見えさせていただいて、よろしいでしょうか?」
普段通りに、20畳はありそうな和室で、すみれは正座して帰宅の挨拶をした。

「怪我は、なかったのか?」
父である二代目の問いに
「はい、おかげさまで、何も…」
と、すみれが頭を下げたまま答えると、
「理事長からも、朝のうちに話を聞いとる。ま、この辺りの地回りなら、男勝りのお前に本気で銃を向けてくる馬鹿者など、いないだろうて」
はは…と、祖父である青鳳会初代が、大笑いした。

そこで、初めてすみれも顔を上げ、
「まあ、おじい様ったら…」
と、孫らしく頬をぷっと膨らませてみせた。

祖父は、一人きりの孫…他にも何人かいたが、みな抗争で命を落とし、ずば抜けた能力で生き抜いている…のすみれを、溺愛に近いような可愛がり方をしている。だから、すみれも初代には、少々甘える方が喜んでくれることを知っていて、そんな仕草をしてみせたのだった。

「では、失礼いたします…」
そうすみれは挨拶して、自室へ戻る。制服をハンガーに吊し、ブラシをかけると、部屋の片隅にある桐製の和箪笥を開け、縞のお召を着ると、朱に近い赤の花を散らして染めた名古屋帯を締めた。

別に、家が任侠道を生業としているからではない。
自らも毎日和服を着ていた母が、小さい頃から毎日着付けてくれていた。
そのうち自分でも着付けを覚え、母が病を得て程なく亡くなってからは、もうすっかり一人で和服に着替え、自宅で過ごすことに慣れてしまったのだった。

(朝、久しぶりに銃を使ったのだったわ…。学校前での出来事は、事実の報告を手短にすませる程度にして、銃をしっかり整備しておかなくちゃ。また、近々使わないとも限らないし…)

半襟と揃いの、うっすらと紅色がかった足袋の音も静かに、すみれは再び広間に戻った。
しかし、そこで聞かされた話は、すみれにとって、すぐに銃の手入れを許してくれないような、思いがけない話であった。

(つづく…久しぶりに書けたよ~ん)

2013年7月2日火曜日

マイペース。

ツイッターをご覧の方にはお分かりかと存じますが、
私、ただいま情緒不安定状態にあります。

どのくらいかというと、今日、仕事を休んで、医者に行ってきたくらいの程度です。
久々だな、こんな落ちるの…
とほほ。

なので、すみれさんのお話を書きたいのはやまやまなのですが、
マイペースでいかせてください。

それでも嬉しかったのは、国内外の方が閲覧に来てくださってたこと。
わーん、ありがとうございますー。

その頃私、家で布団から出られないで、ぐったりしてましたけど…

あ、今回の百合要素は、理事長先生とすみれさんではありません(笑)
そのうち登場願いますので、気長~にお待ち下さい。

そんでは。
ツイッターなさってる方は「上野なぎさ」で検索なさってくださいねー。
相変わらず、愚痴こぼしてますが(苦笑)

あー、しかしスマホよりキーボードの方が百倍打ちやすくて嬉しいなあ。

2013年6月24日月曜日

極道めずる姫君(3)

すみれは、理事長室を出ると、普段通りにロッカールームへ向かい、銃を入れたポーチをしまうと、鍵を掛けた。
…とりあえず、校舎内にいる時は、今まで使ったことがないので。

そして、中庭の草花の手入れや、温室の空調、草取りなどをして、朝の早い時間を過ごす。

授業中は、その美貌に似合わず、そう目立つ生徒ではなかった。

有名私立校が居並ぶこの近辺でも、偏差値や財力で頭ひとつ抜け出たこの女子校では、すみれ以上に派手な顔つきの美少女が多く在学していたし、何より、すみれはほとんど授業中に挙手もしない、静かな生徒であったから。

すみれの実家を知らぬ教科担任は、定期試験の後の二者面談で、決まって彼女に言う。

「蒼さん。…あなた、御三家とひけを取らない本校で、学年順位三番を下らないほどの、よいお点をいつもお取りになるのよ。なのに、どうして授業中も発言せず、おとなしくしていらっしゃるの?」

「たまたまでございますわ、先生。…私、そんな賢い生徒ではございませんし…」
「たまたま、ですって?全教科にわたって、これだけの素晴らしい成績をお出しになるのに?!」

素人のお嬢様たちが集う学校で、目立つ事は決して許されないし、許さない。
それが、すみれの心中密かに思うところであった。

このままひっそり、卒業証書を受け取るまでいられれば、それ以上の幸せはない。
そう、本気で思っていたのである。

もちろん、大学進学などとは、はなから考えてもいなかった。

どんなに小規模な大学であろうと、この女子校とは大きさと学生数が違ってくる。
それだけ、人様に迷惑を掛ける可能性も増えてしまうわけだ。

実家に入り、跡を継ぐための修養に励み、周囲の者を外道から傷つけさせぬよう、武芸の稽古を積む。
外国との交流も一層進んでいくだろうから、各国語を学ぶ必要も生じてこよう。
学生であるため時間の制約があった、他の組とのおつきあいも、これからは、こなす必要がある。

そう考えると、理事長先生との約束さえなければ、今すぐ中退してしまいたいほど、やるべき事が山ほどある。
すみれは、そう考えていた。
クラスや校内での順位や人気取りなどは、全く眼中になかったのだ。

「気配を殺す」
すみれは、学校でそれを学んだ。

「これだけの少人数の中でも、気配を殺すことを覚えなさい。相手に気取られたら、すでに一歩も二歩も譲ってしまったと同じ事ですよ。…それから、もう一つ。現代のこの世の中、最低でも高校を卒業しておかなければ、社会の変化に全く太刀打ちできません。外国の学校に通ってでもいたなら、あなたはスキップして既に大学院レベルまでの知力や判断力を身につけていると認定されるでしょう。しかし、いかんせん、ここは日本。…はやる気持ちは判るわ。でも、もう少し、我慢なさい…?」

理事長先生が、中学部の卒業式を終えた後、高校部への進学を取りやめたいと申し出たすみれを諭した言葉である。
それがそのまま、二人の約束となっていた。

(…それにしても、おかしいわ…。最近、この辺りの三下が、騒ぎを起こしているという話も聞かないし、夜の街を車で回っても、新顔を見ることはないし…。じゃあ、今朝のあの車は、どこの手の者なのかしら?私の名を呼んでいたのだから、組全体に何か仕掛けてくるつもりではなさそうね…)

「…さん、蒼さん!今の問題の解答は?」
はっ、とすみれは、我に返る。
今朝の一件に思いを巡らせているうち、授業中だと言うことを忘れてしまったのだ。

「す、すみません…聞いておりません、でした…」
頬を染めてうつむき、恥ずかしそうに謝るすみれに、クラスの皆がクスクスと温かく笑った。
おしとやかに振る舞っている美少女であっても、すみれにはどことなく憎めない雰囲気があって、それを皆が見守ってくれているためであった。

(つづくー)

2013年6月23日日曜日

極道めずる姫君(2)

その頃、すみれは理事長室を訪れていた。
ささやかな自宅を敷地内に構えた、初老の婦人は、すみれの内線電話にゆるりと立ち上がると、室内に入ってくる。

「理事長先生、申し訳ありません。先程、本校正門前の道で、不始末をいたしてしまいました…」
心から申し訳なさそうに、すみれは視線を落として詫びた。

「どちらが先に、銃を向けたのです?」
いかにも慣れた問答のように、理事長は微かな笑みさえ浮かべて問う。

「それは、もちろん、相手方です。私には、最近身に覚えのある情報は、入っておりません」
「なら、蒼さんの正当防衛でしょう? 何も問題はありません」

「でも…でも、校内にまで銃の携帯をお許し下さり、ほかの生徒の皆さんにまでご迷惑がかからないよう、こうして登下校の時刻をずらしていただいて…私、本当に恐れ入るばかりで…」

すみれは、さらりと髪を揺らして、今度は理事長を真っ直ぐ見据えて言う。

「理事長先生。私、本当にこの女子校にいて、よろしいのでしょうか?ご迷惑ばかり…」

「私の意見は、変わりませんよ。あなたが小一の春、入学式で今は亡きお母様とここへご挨拶に来てくれた時以来、ずっとね」

理事長は、クッションの効いた肘掛け椅子からよっこらしょと立ち上がると、ツイードのスーツで南向きの出窓を見上げた。

「あの時、お母様からお家の事情を伺いました。それもさることながら、あなたはその間、一言も無駄口をきかないで、ずっと私の顔を見つめていたわ。そう、そこのソファの横でね。私が座るように勧めた時、あなたはこう言ったわね。『私は、稼業を継ぐ身です。座るなどという、己を甘やかすような真似はするな、と、おじい様にもお父様にも言われて育ちました』、って」

窓を見ていた理事長は、くるりと振り向くと、ふふ…と笑って、すみれを見た。

「あの時ね、私は思ったのよ。誰が何と言おうと、この子はうちの女子校に入れよう、と。共学では、あなたを狙う刺客が入り込みやすいわ。それはまあ、あなたのように、少女でもあなたの命を狙う者はいるでしょうけれど、本校は一学年30人の小規模エスカレーター式私立校。あなたにとっては、少しでも学業に励みやすい環境になれば、と思ってね。…それに」

このあとに続く言葉は、日頃、理事長とすみれの二人きりの時、繰り返し聞かされてきたものなので、もうすみれにも予想はついた。

「それに、今でこそ学校の理事長などしてはいるけど、私もかつては、任侠の家に生まれた女ですからね。…あなたが素人さんにご迷惑をかけない限り、できるだけの事をしたいのですよ」

「理事長先生…、いつもいつも、ありがとうございます…」
すみれは、深々と頭を下げた。

「では、失礼いたします…」
すみれがそう言葉を添えて、重いマホガニーのドアを開けて退室しようとした時、

「蒼さん、背中の昇り龍は…もう、仕上がって?」
さらりと、理事長が尋ねてきた。

「はい、先だってに、ようやく…五分で、胸割りに彫り上げていただきました」

「おしゃれの幅が狭まってしまうけれど、仕方ないわね。夏服の生地も長袖で、いまから相談しておいてちょうだい。…それから、しばらくは免疫力が低下するから、無理をしないこと、忘れないでね?」

「…恐れ入ります」
マナー通りのゆかしい身のこなしで、すみれは理事長室を後にした。

ふう、と一つため息をついて、理事長は再び椅子に腰をかける。
「18になるのを待って、すぐに彫り物も入れて、修羅の道をゆくのかしら…あの娘は。私のように、結婚して本家を出てしまう様子はなさそうね…」
そう呟くと、窓の外に揺れる、まだ淡い色をした若葉をしばらく、見つめていた。

(つづく。平日はむりそうなので)

極道めずる姫君(1)

女子のみが通う高校生の一人である彼女は、腰まで届くストレートの黒髪の持ち主。
瞳も黒目がちで睫毛が長く、いつも気持ち伏せられていて、つつましやかな心を映している。

この女子校のセーラー襟の制服は、都内でも有名な上品さ。
襟も身頃も白無地のサージに、結ぶ絹地のスカーフも光沢のある白。
濃紺の襞スカートは、膝から少しだけ下の丈と決められ、違反をする者もいない。

着崩すことこそ、この制服ならびに、母校の誇りを汚すことだ、という誇りを持っているからだ。

無論、冒頭で紹介した少女も、そうであった。
左胸のポケットには小さな七宝細工の校章が、臙脂色に光っている。
その色が制服全体を華やかに、そして上品に見せていた。

彼女は、理事長先生の特別許可を受け、まだ他の生徒が登校する前に学校へ着くことを許されていた。
今朝も、父親の部下が運転してくれる、黒塗りの大きな国産車で正面玄関に降り立つ。

そこだけ、日本古来から愛でられてきた、たおやかな花が一輪咲き匂うように、辺りが輝く。

毎日のことながら、運転手と後部座席に控える部下達は、その美しさに思わず嘆息する。

そこへ。

「青鳳会の三代目、蒼 すみれだな?! 覚悟しろ!」

正面から、すみれを送ってきた車と相対するようにして、車種の違う黒の高級車が突っ込んできた。
助手席に乗った男が、ハコ乗りの格好になって、すみれに銃口を向ける。

一発目。
すみれの頬のすぐ横を飛んだ流れ弾は、防弾ガラス仕様になった青鳳会のフロントガラスに当たる。

顔色一つ変えず、すみれは学校指定の通学鞄の中から、ポーチを取りだした。
ジッパーを素早く開け、中から消音器(サイレンサー)付きの短銃を出すと、片手で向かいの車に向ける。

「お嬢さん!危ないです!」
「お嬢!」

部下達が口々に叫びながら、車のドアを開ける音を背中に聞きつつ、すみれは静かに言った。

「…大丈夫よ」

すみれが撃った一発目の弾丸は、相手のタイヤの前輪を一つ、パンクさせた。

ハンドル操作に手間取る相手を見据えて、ハコ乗りの男を、二発目で正確に打ち抜く。
心臓近くにでも命中したのか、男は、迷走する車から落ち、自分の組の車に轢かれた。

「お気の毒にね…」

純白の制服に、相手の組の血しぶき一つ付けず、すみれは心底からつぶやいた。
そして、自分を送ってきてくれた車に歩み寄り、ドアを開けて飛び出していた部下…いや、組員たちに静かに告げる。

「ごめんなさいね、貴方がたまで朝から面倒事に巻き込んでしまって…。私、約束でこういう時、理事長先生に速やかに報告しなくてはならないの。後の始末を、貴方がたにお願いしてしまっても、よろしいかしら?」

花の顔(かんばせ)を心持ち曇らせながら、これほど丁寧に次期組長へ声を掛けられ、嫌という組員がいるだろうか?

「承知いたしました、お嬢さん。今回のことは、一切こちらに落ち度のない事。親分や警察にお知らせいたしまして、この場の後始末も、させていただきます」

車の後部座席に乗る、幹部クラスの組員が、低く、だがよく通った声で返事をした。

「…有難う。心から、感謝します。じゃあ。…帰り道も、気をつけてくださいね? お父様にも、宜しく」

そう言って、にっこり微笑むと、すみれは何事もなかったかのように、銃を鞄にしまいながら、校門を通りすぎていった。

「…しっかし、すげえなあ…三代目の肝の据わり方、あの腕前、そしてマブさ、ハンパねえよ」
「バーカ、てめえ、今さら気づいてやがんのか?この稼業で、お嬢を知らねえ奴はモグリだ」

青鳳会への帰途、若い組員たちは、三代目のすみれより余程興奮して話を続けていた。

「お前ら、知らねえのか? お嬢さんには、異名(ふたつな)がある、って事を」
「?何ですか、それ?」

「『極道めずる姫君』、ってえんだよ、あの方はな」
ゆったりと、幹部の組員は話す。

「初代が興し、今の二代目組長がここまで大きくしてきた、青鳳会。そのお二方が、掌中の玉と慈しんで育てられた、それが三代目のすみれお嬢さんだ。十代の若さで、背なに彫り物をし、『自分は誰とも所帯を持たない。私は、この家の極道という道と結婚したのだから』…そう、言い放った御方だ。素人さんには決して手を出さず、無法な輩はさっきのように容赦なく叩き潰す…」

「もったいねえ…あんなに、マブ過ぎなのに…」
「俺、何度夢に見たことか…」
若い者たちが思わず口にした言葉に、幹部の組員は大声で笑った。

「…本気で、そう思うなら、命がけでお嬢さんを御守りしろ。自分の命を捨てても、お嬢さんと青鳳会のために、一生を尽くすんだな」

その言葉に、車中の全員が、深くうなずいた。

(つづく、です)

びっくりびっくり!

国内外から、7カ国の閲覧をいただいていました!

「富士山とその周辺地域 ユネスコ世界文化遺産登録」のおかげかな?

たしかに私、かつて富士山のある地域に住んでいました。
家の窓を開けると、銭湯のペンキ絵のように、どどーんと(本当よ)富士山が毎日見られたのです。

嫌なことや辛いこともたくさんあった時期だったけど、富士山を見ると元気になれました。

外国で「富嶽三十六景」という浮世絵をごらんになって富士山を知った方、
あのままに、本当に、富士山は美しいですよ。

火山活動を繰り返してできた独立峰なので、回りに邪魔する物がなく、堂々とした山です。
春の緑、夏の青、秋の黄金、そして冬の純白…いつ見ても、美しい山肌。

側にある湖に映る姿も、また格別です。

姫と名の付く女神が守る、神秘的な山でもあります。
この山そのものが、神でもあります。

八月終わりの祭りも、大きなたいまつやみこし(朱色の富士山を形取ったものもあります)で、とても賑やか。日本にたくさんある祭りの中でも、珍しいもの3つに入ります。

…でも、日本人のモラルの低さで環境は決して良くなく、自然遺産から外されたのも事実です。

自然遺産に戻そう、とまで非現実的な事は申しませんが、せめて現状を維持して、この山や湖や海岸の美しさを、世界中の人々に知ってもらいたい、そう願っています。

2013年6月21日金曜日

次回予告&ご新規さま

インドのお客様がお見えになりましたよ~!
ごめんなさい、ごあいさつの言葉を知らないんですけど、でも、嬉しいです。
被害は大丈夫ですか?

さて、もう午前様を過ぎてしまったので、次回予告(案)を2つ。
そのうちのどっちかを、書きます。

一つめの案は。
何度か書いてきた鹿乃子ちゃんのお話の中で、まだ書いていない空白の期間。

具体的に言うと、14~16歳の、まだ恋し始めの、ぎくしゃくした鹿乃子ちゃんと和也くん。
図書館で、着物の本を借りてこられたので。へへー。

で、二つめの案は。
昔から書いてみたいなーと思っていた、おしとやかな女の子が任侠のお家の跡取り、という話。
タイトルは、昔の「虫めずる姫君」を頂いて「極道めずる姫君」。

女の子本人は、生まれてからずっとそういう環境にそだって、かしずかれて育ってるし、
現組長の父上が、素人さんに手を出さない、昔気質の考えで娘を育ててきてるので、この女の子もそこらの芯がぶれてる同年代の子達よりは、よほど肝がすわってる、という設定。

もちろん、自分からは仕掛けませんが、やる時は玄人相手に限って、やります。
これも、着物着てるシーン、ほしいなー。
ちなみに、こちらの女の子は、「極道」が恋人なので、彼氏はいません。

…共通点が、あるかしら?

任侠物がお好きでない方も、フィクションとして読んでいただけると、嬉しいです。
…いや、書けばだけど(苦笑)

今度の土曜日はちょっと忙しいです。
日曜日は…どうかな…

己の気力・体力と相談して、出来ればブログ更新かないますように!

それでは~。

2013年6月17日月曜日

国産(ナショナリストではないよ)

さぼってる間に、外国からの閲覧者さんがいなくなりました…

でも、超いいかげんペースで書いてた「花嫁御寮とおヨメちゃん」を読んでくださってた方が予想以上に多くて、嬉しいです!

この次は「昔から書きたかった設定のお話いくつか」のうち、一つを書いてみようと思います。
少々長くなるかもなので、読まれる皆さんも、どーかお気を長くお持ちになって(拝)

では、今夜は時間も時間なので、このあたりで。

2013年6月10日月曜日

花嫁御寮とおヨメちゃん(5・終)

「まあ、貴子さんてば、とてもお素敵!私が思っていたより、白だけでも、ずっとずっとお映えになるのねえ!」
ざっと、でも全体の着姿が分かるように、九重家の侍女に身を預け、貴子さんは白無垢を召した。

白とはいえ、地紋に織られた紗綾がきらきらと貴子さんを引き立てる。
袂や裾からちらり、とのぞく紅絹(もみ)がかえって艶やかで、大人っぽい彼女によく似合う。

「まあ…そんな、やっぱり恥ずかしいわ。そんなにご覧にならないで頂戴。それより、今度は毬子さんよ?美しい黒の五つ紋をお召しになって、私に見せて下さらない?」

着付けてしまってホッとしたのか、いつもより貴子さんは饒舌にお勧めになる。

「そうお?じゃ、笑わないで頂戴ね?…きっと子供っぽくなると、思うけど」
可愛らしく頷いて、オレンジの地に黒と白のよろけ縞が映える、いかにもモダンな銘仙を着た毬子さんは、侍女にされるがまま、姿見の前で簡単に着付けてもらう。

「…出来ましたわ。本当に、お笑いになっちゃ、いやよ?」
照れくさそうな毬子さんの声に、隣のお部屋で飲み物を戴いていた貴子さんは、和室に入るなり小さく歓声をあげた。

「まあ、お可愛いらしい!毬子さんたら」

髪こそ文金高島田に結ってはいないが、黒地に五つ紋の花嫁衣装は色とりどりの裾模様も鮮やかで、毬子の雰囲気によく似合っていた。

壷垂の裾柄が背を高めに見せ、その上には御所車や七宝の吉祥飾りの刺繍入り染め模様、たなびく瑞雲には鹿の子絞りが惜しげもなく施されている。
そして、二羽の鶴が大きく羽を広げる様も華麗であった。
両肩には、しだれ桜が品を保つ程度に描かれている。

帯は、七宝の上に牡丹が刺繍された重厚で品格を感じさせるもの。
もっとも、今日はざっくりと巻かれているだけだが、本当の婚礼で締めるとしたら、贅をこらした帯留めや飾り結びが加えられることだろう。

「ねえ、毬子さん。そこのスツールにお掛けになって、裾をお流し遊ばして?一層、映えてよ」

珍しく貴子さんからのおねだりに、頬をうっすら染めながら、毬子さんは言うとおりに座る。
のびのびと、古典柄もモダンに着こなしてしまうような茶目っ気が、より引き立つ。

「決まり、だわ。私たち、このお衣裳でまいりましょう?」
「そうですわね、何だか、心にしっくりきますわ」

二人の総意が一致した所で、毬子さんが、悪戯っぽくニコリと笑う。
「では、さっそく、本格的にお着付けをして、撮影会と参りましょうか?」

「えっ?!」

突然の申し出に、貴子さんは目を丸くする。

「…だって、お義姉さまのお衣裳を屋敷から持ち出すのは、やはり気がひけますの。それに、こういう事って、勢いが大切なのですって。ほら、善は急げ、って申しますでしょう?」
毬子さんは、なおも続ける。

「実はね、別の洋間に、出入りの写真屋を待たせてありますの。大丈夫、変な意味など勘ぐる性格の物ではございません。第一、その写真屋も婦人なのですもの」

「まあ…何から何まで、手回しがよろしいのねえ…。道理で、うちの車を使わずに、運転手を待たせないようにしておいたわけですのね?」
半ば感心する貴子さんに、
「ごめんなさい。決して、騙すようなつもりはなかったの。…ご気分を害されたのなら、写真は、やめにしますわ…」
可愛らしい花嫁衣装姿のまま、毬子さんは両手を合わせて、わびた。

「…怒ることなんて、なくてよ、私。もう、この白無垢を手に通してから…いえ、毬子さんの申し出に承諾した時から、私も、同じ気持ちでしたもの…。身も知らぬ殿方の家へ嫁ぐよすがに、毬子さんとのお写真を一葉、お嫁入り道具の中へ忍ばせてゆきたい、って…。」

白無垢で、そう心の内を素直に告げる貴子さんは、観世音菩薩のように輝いていく。
「…私、貴子さんとお会いできて、嬉しい。良かったわ…本当に」
「私も、よ」
貴子さんは、裾捌きも見事に毬子さんの側へ寄ると、二人してコツン、と額を軽く付けた。

その後は…大急ぎで本式の着付けを済ませ(髪は普段通りだけれど)、写真屋を呼んで、和室で二人の花嫁姿を撮ってもらうことになった。

「お願いね?お父様にもお母様にも、お内緒よ?お義姉さまにも、写真を撮った事は申し上げないでいて頂戴?」

「はい、心得ております。それにしても…女だてらに写真屋か、と言われながら今日まで参りましたが、このようにお美しく、またお可愛らしい花嫁様お二人を映させていただけるとは、写真屋冥利につきますわ」

ほう…とため息をつきつつ、まだ年若い婦人の写真屋は、話しながらてきぱき準備を進める。

「白無垢の御令嬢は、そのままお馬に乗って嫁がれてもおかしくないような、しっとりとした花嫁御寮の風情…。そして、毬子さまは失礼を承知で申しますなら、お衣裳が毬子さまのお可愛らしさに負けてしまうようで…花嫁さん、と申し上げるよりは、おヨメちゃんとお呼びしたいような愛くるしさ…」

「まあ、言い得て妙ですこと!」
貴子さんは笑い、
「おヨメちゃんなんて、ひどいわ!んもう、皆で子供扱いなんだから…」
毬子さんは、ちょっと頬を膨らませる。

「毬子さま、そのお頬で映ってしまっては、勿体のうございますわ。さ、お二方の御緊張もほぐれたようですし、撮影に入らせていただきます。何度か撮らせて戴きますので、どうぞお楽に…」

ストロボが、何度か和室全体を眩しく照らす。

貴子さんが言ったように、お嫁入り道具の大切な一つとして、二人とも手ずから今日の写真を持って、嫁いでゆくのだろう。
そして、もし娘や孫娘に恵まれたなら、そっとセピア色の写真を見せ、懐かしくも甘やかな青春時代を語って聞かせることだろう。

…まだ、軍靴の音も遠かったころの、あどけない二人の女学生の話である。

(おわり。遅筆の極み、お許しあれ!)

2013年6月3日月曜日

隊長!…じゃなくて体調不良!

すいません、このタイトルは極めて内輪受けなので、勘弁してやってください。
深い意味はありません。

でも、本当に体調は不良です…

でもでも、それでも無理こいて図書館行って、昔の和服の本を借りては来ました。
今、うちにあるにはあります。
どれを毬子ちゃんと貴子さんに着せようか、布団の中でうんうんと唸りながら見て、考えてます。

週末、こちらにおいでになった方、ごめんなさい!

体調が回復してきたら、最終話を書きます!

2013年5月31日金曜日

休みだああああ

というわけで、本来なら今夜、このブログに一週間分のストレスをお話に代えて、キーを叩きたいところなのですが。
哀しいかな、気力がでません…

あと、毬子ちゃんと貴子さんのお衣裳の柄も、せっかくなら狙いをつけてある図書館の本を参考にして、しっかり(?)書きたいな、と。

なのでなので、今夜はまだ9時前だってのに、地方ニュース観ながら、寝かせてください!
すいません!

ここんとこ、残業で夜更かししてる時以外は、家で一番早く寝てんの…
で、きっと明日は遅くまで起きてこないよ(泣)
家事は誰もしてくれないから、するけど(泣×2)

では、この土・日のいずれかにー。

2013年5月28日火曜日

充電中~

おヨメちゃんのお話、途切れていてごめんなさいーーー。
もうラストまで、あらかた決まっているのに、仕事と気力のせいにして、まだ書けなくて~~。

それなのに、いろんな国からアクセス、ありがとうございます。
お国の名前を見る度、
「あー、うちの国のあやつが泥の上に泥を塗っている状態なのに、よく来てくださってるなあ」
と、ホント、ありがたいです。

だけど、そのついでだか違うのか、かつて書いた18禁のお話を読んでくださってる方がいて、これもまた嬉しいですー。

ではではっ。

2013年5月25日土曜日

「連れだって走る」について考える(つぶやき)

きょう、バイパスを車で走っていたら、アメリカンバイクが7台ほど、隣の車線を走っていきました。
薫風の中、大変楽しそうに見えました。

(ほら、メットでお顔の表情は見えませんからね)

私は、バイク乗れないし、車も一人でドライブが好きなので、
「連れだって走る」楽しさを想像することが、できません。惜しいかな。

中学の部活で対外試合行くとき、部員のみんなで自転車連ねてったけど、あれは目的じゃなくて手段だったしね、楽しくなかったし。

行ったことがない場所へ、車で他の人に案内してもらう時、後ろについて走るのも苦手です。

それなら、助手席に乗って、ナビしていただく方が好きかなぁ。
…でも、それって「連れだって走る」に入るのかしら?

うーん、聞こえよく言えば「自由に、心の赴くままに」
ネガティブに言えば「わがままに」

私は、一人でどこかへ、たったかと走っていってしまう、そういう気質のようです。

さて、次回はつぶやきじゃなくて、毬子さんと貴子さんのお話の続きを書きたいなー。

2013年5月22日水曜日

花嫁御寮とおヨメちゃん(4)

畳の間へ二人が入っていくと、既に打ち合わせてあったのだろう、毬子が呼び声を挙げた。

「くみ、あや。お願い、手伝って頂戴。手はずは、先程お話した通りにしてね」

地味な着物に前掛けをした、二十代半ばあたりの侍女が二人、音もなく襖を開けて現れる。
無意識に歩きながらも、すすすす…と、決してへりを踏まずに歩くのは、礼儀作法の訓練のたまものなのだろう。

「さあ、貴子さん…どちらから、羽織ってごらんになる?今お召しになっている、蒼のダイヤ柄の銘仙の上から、そのまま肩にどうぞ?」

わくわくと、毬子は勧める。

「でも私、一人では照れくさいわ。もう一方のお召し物を、毬子さんもお体に当ててくださらないと」

心底、二つの花嫁衣裳を前に迷いながら、貴子は応じる。

「では、お二方とも、お近くのお衣裳からになさっては…?」
侍女二人のほうでも年かさの方のくみが、横から、つい口を挟む。

「お黙りなさい!くみには尋ねておりません。わたしは、貴子さんに伺っているのです」

紅雀のように可憐な毬子の口元から出た、意外にも強い調子の叱責に、貴子は驚いた。
ただ、その一言に意地の悪さは全く感じられない。

『あなたは、ここで出しゃばる存在ではない。己の分をわきまえ、控えなさい』

上に立つ立場として生まれた者が、ごく当たり前のように子供の頃から教えられた、下の者を使うための言い回しに過ぎない。

「自分の家を没落したかのように言っていた毬子さんだけれど、さすが九重家のお嬢様だわね…」

貴子自身もそうやって育てられ、しつけられてきたので、毬子の対応には共感できる。

案の定、くみと呼ばれた侍女は、平身低頭して襖近くへとにじりながら下がっていった。

「ごめんなさいませ、貴子さん。失礼をいたしまして…では、わたしが先に羽織る方を決めてしまって、よろしい?」
「ええ、従いますわ」
「では、こちらの白無垢から…さすがに、今日は綿帽子をつけませんけれど。そうしたら、わたしは黒振袖をお先に当てさせていただきますわね?」

毬子の言う通り、あやの手助けを受けながら、貴子は白無垢のふんわりした着物に、おそるおそる袖を通していった。

(つづく…子供にこのパソコンを乗っ取られたので~!)

2013年5月20日月曜日

花嫁御寮とおヨメちゃん(3)

二人して何やかや言いつつも、結局、貴子さんは学校の休日に、毬子さんのお家からお迎えに来たパッカードに乗って、お出かけすることと相成った。

「わざわざ、迎えにいらっしゃらなくても良かったのに…、家のクライスラーで参りましたわ」
「あら、だってわたし、とても楽しみで楽しみで、ひとときも待っていられなかったんですの。だから、運転手の杉崎にお願いして、貴子さんのお家へお邪魔したのよ?」

その言葉通り、座席の上でぽんぽんと跳ね上がりそうな勢いで、毬子さんははしゃぐ。

「ほんとに、毬子さんたら…楽しい方ね」
(可愛い)と言いたいところだが、運転手もいることだし、貴子さんはそう返事をしておいた。

やがて、パッカードは広い門を抜け、しばらく木立を抜けて、玄関の車寄せに静かに停まる。

杉崎にドアを開けてもらい、御礼を言って、毬子はぴょんと飛び降りる。
そうして、次にドアを開けてもらって下りる貴子の方へ回り、楽しくてたまらない、という顔で出迎えた。

「まあ、素敵な洋館にお住まいなのね…」
貴子は、初めて訪れた毬子の自邸を、ため息とともに見上げた。

「おじじ様がね、昔、外国の公使をなさってらしたんですって。だから、万事洋風にお造り遊ばした…って、小さな頃から聞かされて育ったわ。だから、外見はともかく、中は、古いの」

そんな事はどうでもいい、早く行きましょう、というように、毬子は貴子の手を引いて導いた。

自由に手をつなぐなど、女学園の中では、とても、できない。
毬子の持つ無邪気な開放感に惹かれ、貴子も手を引かれて後を追う。

「このたびは、御前様ならびに御令室様におかれましては、お健やかにお過ごしのこと、お慶び申し上げます。こなたは西桂侯爵家の長女、貴子でございます。突然の来訪、無礼をお許し下さいませ」

貴子の典雅な物腰と、桜貝のように美しい唇から流れ出る流麗な挨拶に、九重家の皆は驚き、歓待した。

「まあ、なんとお若いのにご立派なお嬢様ですこと…!毬子さま、貴子お嬢様のお爪を少々頂戴して、煎じてお飲み遊ばせ」
毬子付きの侍女頭に諭されて、一家は明るい笑い声に包まれた。

「んもう、いつもそうやって、末っ子のわたしを皆で構うんだもの。いやんなっちゃうわ。…さ、貴子さん、参りましょう?もうね、奥の和室に、お衣裳が衣桁に掛けて並べてあるのよ」
「え?こんなモダンな洋館に、和室があるの?」

「ええ。おじじ様についていろんなお国を回られたおばば様は、やっぱり畳の上でのお暮らしが恋しくていらしたのですって。だから、このお家を建てられた時も、おばば様のお部屋と茶室だけは、畳が敷いてあるのよ。あと、お靴やお草履も、お脱ぎ遊ばしていいの」

お付きの娘達が毎日磨いているのだろう、足袋が映りそうにつやつやと光る廊下の真ん中を、毬子はごく平然と歩いていく。
その後を、貴子はやや遠慮がちについて行く。

「どうなさって?ご遠慮なさらず、お廊下の正面をお歩きになっていいのよ?」
「…だって、客人ですし…こんな綺麗なお廊下、勿体なくて歩けなくって…」
「あら、それは困ってしまうわ。そんなでは、貴子さんがおばば様のお部屋に着く前に、日が暮れてしまってよ?」

冗談めかして、うふふ、と毬子は笑うが、あながちその言葉も嘘とは思えないほど、九重邸は広く、美しく入り組んだ造りになっていた。

「さすがは、応仁の乱で天下に名を馳せた九重家ねえ…。毬子さんがお友達でなければ、私なぞ、一生縁のないお屋敷だったでしょうね」
「でも、今は爵位もない、この邸と同じ、外見だけを取り繕った家だわ。…さ、そんな事より、こちらが亡きおばば様のお部屋よ。義姉さまのお着物を、どうぞご覧じろ!」

さっと毬子が襖を両手で開けると、そこには、目映ゆい花嫁衣装が衣桁に掛けられて、並んでいた。
「……!」
そのあまりの美しさに、貴子は、言葉をしばし失う。

「貴子さん、今日は私の目の前で、この衣裳をどちらも羽織って見せてね?そうして、貴女に似合う方を、まず、決めましょうよ、ね!」
毬子は、にっこりと微笑みながら、後ろに立つ貴子へ振り向いて、言った。

(つづく)

2013年5月19日日曜日

花嫁御寮とおヨメちゃん(2)

「わたし、貴子さんに黒振袖を着て頂きたいわ。ご大典の頃のモダンな吉祥模様が、裾一面に広がっていてよ。紅色、菫色、金糸銀糸の刺繍も混じって…おぐしは、文金高島田。とってもよくお似あいになると思うの…」

あんみつの前で、うっとりと甘い夢を見ている毬子さんに、珍しく貴子さんは異を唱える。

「あら、そんな艶やかなのは、私には似合わなくてよ。毬子さんみたいに、可愛らしい方のほうが良いんじゃなくって?私は、飾り気のない綿帽子に白無垢がいいわ。地味ななりなんですもの」

「そんなあ!ただでさえお背が高くてらっしゃる貴子さんが綿帽子をお付けになったら、ちんちくりんのわたしが、よけい小さく見えてしまいますってば!大丈夫、うちの義姉さまも貴子さまのようにお背がおありになるの。五つ紋の黒振袖、とても似合ってらしたから、貴子さまも大丈夫ですわ」

「…でも、毬子さんには、白無垢はまだ、ちょっと…大人びてやしないかしら…?」

「まあ!おっしゃいますこと。どうせわたしは年相応に見てもらえない、子供顔ですよーだ」

「ほらほら、そうやってふくれる所とか…ね?白無垢では、毬子さんのあどけなさが出ないと思うの。色とりどりの裾模様を流して、長椅子に座って写真をお撮りなさいませよ。私は、その隣に白無垢で立たせて頂きますわ、ね?」

おやおや、ひそひそ声がいつの間にか大きくなって、二人はボーイさんに声を掛けられてしまった。

「ご、ごめんなさいませ…」

「いえ、可愛らしいお話をもっとお聴きしていたいのはやまやまなのですが、何分にも、お二人はお嫁入り前のお嬢様。今少しだけ、お慎みいただければありがたく存じます…」

にこり、と微笑むと(ここのパーラーは、眉目秀麗を採用なさると評判の)ボーイさんは、磨き込まれた銀の盆を小脇に抱え、軽く会釈をして立ち去った。

毬子さんと貴子さんは、檸檬を一滴しぼったお冷やを一口頂いて、ほっと一息つく。

「お話をいくら積み重ねても、埒が明きませんわね…」
「そうね…」

二人は、真顔に戻って、ふふ…と微笑んだ。
痴話喧嘩も、おしまい。
目と目で、合図を送り合う。

「…じゃあ、今度のお休みに、貴子さん、わたしの家においで頂けるかしら?実物を羽織れば、きっとどちらが似合うか、二人とも似合うと思うの」

「え…?!そんな事…お家の方に、どうやってお話なさるの…?」
「一人ずつ、学校の余興で絵姿を撮るから、お着物をちょっと見せて下さらない?って、お義姉さまに頼んでみるわ。同じ学校をご卒業なさってるし、きっと、羽織るくらいはお許し下さると思うの」

「毬子さん、本当に…お写真、二人で撮るおつもりなのねえ…」
感服したように、貴子が言う。

「ええ、断然よ!だってわたし、お嫁入りの時も、こっそり持って行こうと思うの、大切に。人を恋うるってどんな事か、まだよくわからないわたしにとって、貴子さんは、一番近い想いを抱ける方だから…」

大胆な事を口にしながら、だんだん、毬子は声を落とし、代わりに頬を桃色に染めていった。
貴子は、そんな可愛らしい目の前の少女を、今にも抱き寄せたいような心持ちで見つめる。

(つづく)

花嫁御寮とおヨメちゃん(1)

女学生も5年となる頃には、将来の話で休み時間はもちきりになる。

「ね、ご存じ?桜組の西坊城さん、ここの坂の上の公爵さまのご令息におかたづき遊ばすんですって」
「あら、だってお二人は、お小さい頃からの許婚者でしょう?至極当然ですわ」

「それより、藤組の噂のあの方…やっぱり、四年でこちらを中退されて、もうお輿入れだそうよ?」
「まあ、お早い。がんぜない頃から、とても睦まじくてらっしゃると伺っていたけれど、そうなの…」

そんな話題に、ついていけない御令嬢が、ふたり、いた。

一人は、九重 毬子(ここのえ まりこ)。
彼女も噂に上る様々な同級生達とおなじく、知らぬ頃から一族の決めた結婚相手がいる。

「悪い方では、ないのだけれど…」
そうひとりごちて、ふう、と可愛らしいため息をつく。

「好き」という感情が、どうしても、わかないのだ。
結婚を断るつもりなどないのだが、こんな気持ちのままでは、相手の殿方に失礼な気がして。

もう一人は、西桂 貴子(にしかつら たかこ)。
同級生より頭一つ背が高くスマートな彼女には、お熱をあげている下級生も数多い。

貴子は、別に彼女たちとエスごっこの相手役を務めるわけでもなく、いつも一人で窓の外に広がる緑を眺めやっている。無論、彼女にも将来の旦那様は決められている。

二人は、他の誰にも言えない秘密を抱えていた。
いつの間にか、お互いにエスを越えた、ほぼ男女が慕い合うのに似た感情を抱いている、という事を。

だから、他の同級生のように、無邪気にうわさ話の輪に入れなかったのだ。

「ねえ、貴子さん。…どうして、女同士は、結婚しちゃいけないのかしらね…?」
小柄で無邪気な毬子が、黒目がちな大きい瞳をパチクリさせながら、休日のパーラーで小首を傾げる。

そんな事を、いともさらりとあどけなく言ってしまう毬子が、貴子には可愛くてたまらない。

「はるか昔、レスボス島という島があったと聞くわ。…そこでは、女同士でも思うままに恋愛ができたらしいけれど…今更、そんなこと言ってもね…」

ふふっ、と少し寂しく笑いながら、ソーダ水のストローを唇にくわえる貴子は、毬子をぞくぞくっ、とさせる。
(これが、好き…っていう感情なのだわ、きっと)
と、思ってしまう。

「私たち、いずれは親の決めた方のもとへ、嫁いでゆくのよね…」
「ええ…」

二人の悩みなどどこ吹く風と、百貨店のアドバルーンはふわふわ揺れて、飛んでいきたくとも足場を押さえられたまま、空に浮かんでいる。

「…せめて、私たちが嫁ぐ前、睦まじかったよすがでも残しておきたいわ。そう、例えば…」
「写真とか?」
貴子の助け船に、毬子はパチン、と手を叩いた。

「それは、素敵!ねえ、貴子さん。私と貴女の二人だけで、お内緒の卒業写真を撮りましょうよ!」
「…お内緒?」
「ええ。あのね、あの…二人とも、花嫁衣装を着て、そうして写真屋さんに撮っていただくのって、どうかしら?」
「?!」
あまりに突飛な毬子の申し出に、貴子はソーダ水をむせそうになった。

「お着物なら、私の義姉さまがお嫁入りの時にお持ちになった、白無垢と黒振袖があってよ。西洋式のドレスはないから、どこかから調達しなくてはならないけど…。ね、貴子さん、あなた、お着物はお嫌い?」
「ちょ、ちょっとお待ちになって頂戴、毬子さん…。そう、何もかもここでいちどきに決めてしまわなくとも、二人して、もう少し考えてみないこと?」
熱情的な毬子の思いつきを、少し冷まそうと、貴子は声を潜めた。

「…でも…、あまり卒業が近くなると、仲良しグループさん達の記念写真で、写真館はどこも大入りになってしまってよ?もしそんな時、知り合いと行き会ってしまったら、大変だと思うの」
「…うーん…、じゃあ、じゃあね?お互いに、どちらのお衣裳を着たらよいか、そこから考えましょうよ、とりあえず…」

何だか、初めは驚いてばかりの貴子も、毬子に気圧されて、だんだんその気になり始めたようである。

(つづく)

2013年5月18日土曜日

ちょっと浮上…

ここ数日、むやみに忙しかったり、疲れてバファリン飲んだらバタンキュー(死語?)だったりして、実際の日数よりずーっと長期間、更新してない気がしてます。

昨夜から今朝は、ひっさしぶりに、目覚ましタイマーをかけないで寝るという暴挙(?)を犯しました。

でも、ほんとは毎日ここに来て、好きな事を考えたり書いたりしたかったんですよ。
本当に!

こんなていたらくだったのですが、その間にもこまめにブログをチェックしてくださった国内外の方々、ありがとうございます!
さっき履歴を見てきて、本当に、涙目になるくらい嬉しかったです。

それから、メールの返信をいただいたり、メールを送らせていただいたり、昨夜から今日は幸せな事が多くて、ちょっと心持ちが浮上しました。

…なんて、本当は、こんなつぶやきじゃなくて、自分なりの「お話」をアップしなければ、ご恩返しにはならないのですけれど、ね。

忙しかったせいでしょうか、このところ、寝て起きた時に夢を覚えているのですが、あまりにリアルでそれが現実かどうか、よくわからない(泣)

例えば、「親戚に何か頼まれごとをされて、それを誰かに伝えなきゃいけない」とか、「この仕事の〆切は○日から×日に変更になったので、他の仕事と優先順位を変えないとまずい」とか。

起きた途端に、びびるわたくし。
楽しくない夢でしょ~?(苦笑)

どうせ見る夢なら、百合でも男の子でも年齢制限なしでも、ロマンティックな夢をみたいもんです。

起きてからの現実を打ち負かせとは言わないまでも、一息つける、こっそり口の中に忍ばせて楽しむアメ玉みたいな、そんな夢。

…あっ、そういう話を、自分が書けばいいんだ!
というか、書かなくっちゃね。
自分のためにでもあるし、ここをはるばる見に来てくださってる方々のためにも。

さて、明日は用事があるけど休日なので、頭の中で夢を夢見ながらお布団に入ろう~。
どんなお話が下りてきてくれるかなー、わくわく。
それでは、また明日も更新ができる事を自ら期待しつつ、今日はここまでで!

2013年5月13日月曜日

手元不如意!

何とかなったか、と思って早朝から仕事にいったら、先輩方の愚痴を聞かされた一日でした…
しかも、仕事の相談をしておこうと思った後輩は、最近あいさつもせずにさっさと帰る始末。

…昨日のブログより、あんまり、何とかなってないような気が(苦笑)

そして、へろへろになって夜、帰宅したら、ダメ押しが待っていました。
実家の税金通知と、娘の学校納入金やら積立金やらの、振り込み用紙の束です…

引き落とさないとしょーがないので、総額を計算しました。

うっ!
俺の、一ヶ月の給料より額が上じゃねえか!!

なんかねー、すごーく、切なくなりましたよ。
「稼ぎに追いつく貧乏なし」とは、上手い事言ったもんだよ、ふっ。

道理で、私の同業者に「ロト6買った~?」って言ってる人、多いわけよね。

「理由を言わないで、そっと依願退職したら、宝くじ当たったって思っていいからね」
とかお互いに言いながら、空しく笑ってるのよ、ははは(←乾いた笑い)

先日、子供に宝くじの話をしたら「そんな得にもならないこと、しないほうがいいよ」だと!
誰のために金もうけしてーなーと思ってるか、知ってるのかあああ?!

…いや、私が言ってないので、子供は知らないです。

一番堅実なのは、私が副業できるくらい健康かつポジティブになって、もっと働くことかなー。

とにかく、手元不如意、であります。マジで。

それでは、景気の悪いお話で失礼しましたが(どこがアベノミクスじゃい!)また次回に。

24時間たつと、なんとかなる。

いや、ほんとに何とかなりました。

母の日のお花も、直接娘と届けに行けたし。
休日出勤して、業者さんとも無事に用が済んだし。

あした上司に見せる書類も、今日出来る分は全部、印刷してクリアファイル入れたし。

…残念だったのは、門地さんのサイン会に行けなかった(お花とか電報とかも贈れなかった~)ことかなあ。

お会いしたかったな、お久しぶりに。
(「生徒会長に忠告」始まってたか始まってないか、って時代の頃、ビッグサイトに押しかけたの)

でもあたし、太っちゃったしー、並んでても先生には分からなかったかも知れない…
行かなくてよかったのかも…

いや、あの! かつてお会いできた時も、あたしは太ってましたけどー!

あ、そういえば、話はとんで。

この間、仕事で車運転してましたら、
「ぽっちゃりパブ」
という看板を発見!

わー、話には聞いたことあるけど、本当にあるのねー、しかもこんな田舎にー。

ハンドルを握りながら、さっそく妄想します。(当然のように妄想、すんなよ。笑)

「ぽっちゃり」って、どんくらいの基準なのかなー?

柳原可奈子ちゃんなら、可愛いし、ぽっちゃりかなー?
渡辺直美ちゃんは…入るのかなー?

そしてだ。

この私、本人は、入るのかな…いや、明らかに入るよ。
しかしその、そのだね…ポジションとしては、どこらへんなのかね?

ボーダーラインで入るのと、標準モードで入るのと、違うわなあ、歩合とかなー。
それとも「あんたは『ぽっちゃり』超えだから、ウチでは雇えないよ」(泣)とかさ~~。

…え? 何、あたし、太りたいの?
ぽっちゃり志願隊員なわけ?

…妄想、終わりました。

でも私、百合的には、がりがりちゃんより、ふっくらやわらかちゃんの方を抱っこして眠りたいなー。
なんか、かわいいじゃん。
(夜だから、ま、これくらいの百合発言は大目に見てやって下さい…)

さて、今日のブログタイトルは、昨日のプロフィールに載せた言葉です。
別に誰か偉い人が言ったのを覚えてたとかじゃなくて、単なる人生経験から悟った事実です。

または、おまじないみたいなものかな。
仕事とか詰まっちゃった時、24時間後の自分を想像するんですよね。

絶対、今よりは事態がいい方へ進んでるか、うまくいくと解決しちゃってるから、頑張れ自分!
…そう思って、24時間やるだけやってみると、案外、ホントにそうなっちゃうから不思議ですよ。

さて、あと24時間後の私は、寝られてるかなぁ?それとも仕事?
いや、やっぱここのブログかな(笑)
お布団の中の次に、この空間、今、好きかもしれないー。

それでは、またつぶやきくんで終わってしまいましたが、お休みなさい、また今度!

2013年5月12日日曜日

プロフィール(更新延滞の事前おわびに!)

困ったときには、プロフィールを書く上野なぎさです(笑)
あと、読んでいる本に載ってたプロフィールの形式が気に入ったときにも、よく書きます。

では今夜は、「生徒会長に忠告 公式ファンブック」の質問項目で、まいりましょ!

HN:上野なぎさ
誕生日:三浦友和さんと同じ
星座:水瓶座 /血液型:A型
学籍:最終は○○大学通信教育部(資格取得のため)
身長:162,8㎝ /体重:聞くだけヤボだよお前さん
視力:(右)1.2(左)1.0、ただし眼鏡使用時。裸眼は0.1未満
靴のサイズ:23,5㎝と24㎝の間をうろうろ中
家族構成:相方、娘二人
趣味:トワレとパワーストーンのブレスを集める
得意なこと:本や紙芝居の読み聞かせ
好きな色:マゼンダピンク、オレンジ、鮮やか系グリーン
好きな食べ物:とりの唐揚げ、ピザ、お寿司
好きな科目:古文
好きなもの・こと:漫画、電車(乗り鉄、食べ鉄、寝鉄)、柴犬
苦手な食べ物:納豆
苦手な科目:数学
苦手なもの・こと:つるむこと、人の悪口
日課:ツイッターとブログの履歴をのぞきに行く
マイブーム:ウォーキングで安い自販機を探す
所属部活動:もと卓球部 /得意技:バックサーブ
好きな言葉:24時間後には、大抵の事は何とかなっている
下着のタイプ:上はノンワイヤー、下はボクサーショーツ
おふろで一番最初に洗うのは?:
子どもの頃なりたかったものは?:漫画家、小説家
今いちばん欲しいものは?:体力、とくに握力

意味がよくわからない回答が、多々あると思います。
飛ばしてください(苦笑)

それでは、おやすみなさい。そして、よい母の日を!




2013年5月11日土曜日

週末つぶやき。

すいませんー、今後、職場の事情で他の人の仕事も一部請け負うことになりまして、ここの更新(特に創作のお話)が今まで以上にゆっくりになります。

実は、先週というか、金曜日までの疲れがどわっと出まして、今日は寝てしまいました…
本来は、自分のパソコン仕事を半日やる予定だったんですが。

明日も、母の日イベントや休日出勤で業者さんと会う約束してたりで、更新、きついかも。

普段はねばるツイッターも、今日はちょいと不完全燃焼でした。
しかし体が資本なので、仕方あるまい…

ツイッターなさってる方は、ぐだぐだ書いてますので、よろしければそちらをご覧下さい。
ここと同じ名前で、お店に…じゃない、ツイッターに出てますので。

それでは、今回はおわびつぶやきでした。いつかお返しできるよう心がけますのでー!

2013年5月9日木曜日

一回休み。(超ミニつぶやき)

今夜から明日にかけて、ちょいと仕事がたてこみまして、本日の更新はなし、です。

でも、昨日書いた小品を、もう読んでくださっている方がいて、嬉しい~。

もういっぺん、読み返すか…と思って下さった方は、お話のモチーフにした曲を脳内BGMに流しながら読んでいただけると、なお嬉しいです(わがまま)

あ、週末の日曜は、母の日ですねー。
届けに行ったり、お供えしたり、なんだかバタバタしそうですが、数少ない親孝行のチャンスですし、お花、買ってきましょうかね。

では、週末にまた~。うんうん考えて更新します~。

2013年5月8日水曜日

花(百合ショートです)

今年の春は寒さが遅くまで残ったせいで、美桜(みお)と青葉の住む、山ふところの城下町には、まだ桜が咲いていた。

「ねえ、明日のお休み、城跡の公園へ行かない?」
「なら、またお堀の貸しボート乗るの?好きねえ、青葉は…」
「だって、もう来週になったら、いくら何でも、桜の花、散ってしまうわよ?」

熱心に誘う青葉に、根負けして、美桜も首を縦に振った。

ギイ、ギイ…。
早朝の休日、お堀に木の擦れる音が響く。
櫓をきしませて、青葉がボートを漕ぐ。

誘った手前、自分の方が多く漕がなけりゃ、と思っているようだ。
そんな義理堅いところが、美桜をクスリと微笑ませる。

「ねえ、桜、綺麗…?私、漕ぐのに精一杯で、あまり見ている余裕がないのよ」
「あら、誘っておいて、あきれた。…ええ、とても綺麗よ。まだ朝露が乾ききっていないのね、おひさまの光でキラキラしているの。何だか、私たちにお話したそうに、こっちを向いて咲いているわ…」
「まあ、上手いこと言って!」

美桜の言葉を褒めながら、実は、青葉は彼女のくるくる変わる可愛らしい表情ばかり見ていた。

「ねえ、また今度、来ましょうね。今日は青葉にたくさん漕がせてしまったから、次は私が漕ぐわ」
「え、あなたが?そんな力、あるかしら?」

驚く青葉ににっこりしながら、美桜は返事の代わりに、黙ってちょっと首をかしげて見せた。

次の休日、少し暖かくなったので、二人は夕方にお堀端で待ち合わせた。

「まだ、暗くはなっていないけど…大丈夫?」
「大丈夫よ。それに、ボート屋さんだって、陽が落ちる前にお店を閉めてしまうわ」

青葉を説き伏せるように、静かに話しながら、今日は美桜がボートを漕ぐ。

「へえ…このあいだの桜も綺麗だって、あなた言ってたけれど…夕暮れ近くの風がそよぐ頃も、なかなかだわ」
「あら、そうなの。ねえ、今日はあなたが私に教えてちょうだい。ボートから見えるのは、どんな景色なの?」

美桜の言葉に促されるように、青葉は話し始めた。

「そうねえ、もう桜は散り透いてしまったけれど、その代わりに柳の若い芽がたくさん枝から芽吹いて、緑の幕のようだわ。ゆらゆらと夕風に揺れて、私たちを手招きして呼んでいるみたいよ」
「そうなの、面白いわねえ。それに、なんだか浪漫があるわ。私たち、ゆっくりこの城跡にやってきた、春に呼ばれているのかもしれないわねえ…」

水紋をゆったりと描きながら、少女二人が乗った貸しボートは、お堀をゆっくり流れてゆく。

やがて、可愛らしい木の桟橋で、お店の人に手を取られながら陸へ上がる頃には、春霞が美桜と青葉の姿を隠すように、ほんのりとたなびき始めるに違いない…

(おわり。…はい、武島羽衣さん・滝廉太郎さんの曲「花」をイメージしてみました)

2013年5月7日火曜日

あれっ?

固定客さまが多そうなネタ、「つぶやき」「芸能」を書いたんですが、
じわじわ~っと、18禁のお話が、追いついて参りやしたぜ、ねえ親分!

うーむ、私が考えているより、18禁読みにおいでのお客様は、タイムラグがあるのかしら。

いや、それにしても、ありがたいことです。
もうちょっと、私も書く側なんだから、マーケティングとか勉強しないとかなぁ…

素人で好きでやってんだから、そんなこと、考えなくてもいいのかもしれませんが、でもやっぱり、好きで書いてる以上は、たくさんの方々にお読みいただけるのが、嬉しいのでー。

さて、次は何を書こうか…
季節に合わせたお話か、日本ならでは(古くても新しくても)のお話がいいかな、と、今ちょっと浮かびました。

外国から閲覧して下さってるかたもいらっしゃいますし。
そして日本は今、季節の変わり目。細長い国土で、同じ日に雪かきと海開きをやってるんですよ。

こんな私の国、今の季節を、百合で書いてみたいなー。

ちなみに、これを書いている今は夜。外はすごい風。
「青嵐」とでも申しましょうか。

では、連休もあけて本業めじろ押しなので、更新はお話を考え考えになりますが、よろしくのぞきに来てやってください~。

ネタにつまってたら、いつもの「つぶやき」打ってるかも、です(苦笑)

2013年5月6日月曜日

川畑くんの新たな一歩。

これ、ホントはツイッターに書いた方がいいかも、な話題ですが。

活動休止中のケミストリー・川畑要くん、奥様と別れて、新しい一歩を踏み出すとのこと。

今はなつかしテレビ番組「浅草橋ヤング洋品店」でのオーディションから見ていたので、息子を見ているようです(笑。いや、私そこまでトシじゃないけどー)

離婚とか、ユニット活動の停止とか、ただ字面で捉えるのでなくて、その状態がもしも苦痛であるならば、自らを解き放つのも、生きていく上での一つの選択肢。

活躍をしていただければ、それでいい、と。

で、話は変わるんですが、ケミ結成当時から今まで、私は堂珍派なんですよ(笑)
実家で農家やってる、あんな格好良くて歌のうまい男の子、いるんだーって、衝撃でした。

「浅草橋~」では、複数の最終ボーカリストが課題曲をいろんなペアでシャッフルして歌って、一番人気をデビューさせる、という過酷な方法を取りましたが、やっぱ堂珍と川畑ペアが上手かった。
一見異質に思える二人が、組むことによって予想外のハーモニーを奏でる、まさにケミストリー(化学反応)でしたもん。
あと、オーディションにネスミスも出てて、可愛かったなー。

今はそれぞれ、違う音楽ジャンルで活躍してる二人ですが、またケミとして、二人の綺麗な声が響き合う曲を聴きたい、です。
期間限定でもいいからー。

川畑くん、心機一転に、どーですか、ひとつ?
ケミ好きな私としましては、密かに期待をしております…。

2013年5月5日日曜日

書いた後のつぶやき。

うーん、引かれている空気を感じるぞー(苦笑)

何というかなー、前回まで書いていた18禁のお話では、駆け引きみたいな感じを出したかったんですが。
設定当初から、まあ、ハッピーエンドにはしないつもりで…というか、それはできないだろう、と思いながら、キーを打っていました。

しかし、最終話あたりでは、キャラにこっちが動かされてしまって、やられちまったという感です。
悔しいなー。

この次は、ふつーな恋愛ものを書こうかしら、と思っています。
百合になるか、ヘテロになるかは分かりませんが、可愛い気のある世界のものを。

鹿乃子ちゃんの女学生時代とか、懐かしいな…以前書いてましたが。
大正から昭和初期の、ロマンとモダンが入り交じったような時代、好きなんですよねー。

(18禁★)可愛くて、困っちゃう、ひと。(4・終)

ややあって、仁美は手すりに掛けてある、柔らかい生地でできた鹿野先生のスカートを手に取ると、パンプスを履いたままの先生の足下から、ゆっくり、着せていった。

秘められていた下着を飾る、細やかなレースの装飾に、ファスナーをかませないよう、注意しながら。

細くくびれたウエストまで、ファスナーを上げ、留め具を嵌める。

「…え」

思わず、鹿野先生は声を、小さく、上げた。
更に仁美が、自分に対して狼藉を行うのかと、想像していたので。

「…すみませんでした、先生。…いま、手の戒めも、外しますから…足下、気をつけて下さい」
仁美の声は、先生と同じくらい小さく、でも、きっぱりとしたものだった。

「…私、先生の胸、見る度にとても気になって…一度、こういうふうに、してみたかったんです。そして、さっきまで、もっと酷いこと、してみたいっていう気も、ありました。…でも、今の先生の一言を聞いて、…私、そんなに打算的な人間だと思われてて、嫌われてるのかと思ったら、何だか…。まあ、嫌われて当然の事したり、言ったりしたわけですものね。当たり前です…」

ぽつりぽつりと懺悔しながら、腕のネクタイを外し、ブラのホックをかけて、ブラウスのボタンを下からひとつ、またひとつ…と、仁美は先生の身支度を進めてゆく。

「…どなたに告発なさっても、構いません。事実は、事実ですから。図書委員長が、司書の先生を書庫に連れ込んで、強姦した…そう、おっしゃって下さい」

「どうして、そんな事をいうなら、初めからしないでおこう、とか思わなかったの? 内申レベルの問題じゃないわよ!?下手すれば、退学ものだわ!」

「…それでも、したかったんです。私。…先生と」
「打算、抜きで?」
「勿論。…第一、打算って何ですか?私には、先生を脅すことでメリットは何もないし、ここにはカメラの類も、私以外のギャラリーも一切、ありませんから」

「…じゃ、何で…さっき、途中で、…止めたの?」
「え」
「ひとの体をさんざんその気にさせておきながら、どうしてそんなに、簡単に放り出せるのよ?!」

視線を真っ直ぐに交わしながら、書庫の最下層で、二人は言葉を交わす。
それは、ある意味さっきまでの体の行為より、真摯で、だからこそエロティックな匂いすら漂う。

「…っ、それは、打算的だと言われたから、違うと証明したかっただけで…そ、その気に…?先生、まさか、さっきの私の仕打ちで…」

にらみつけるようにしながらも、鹿野先生は、真っ赤な顔のまま、言い放つ。
「…あなたのおかげで、私、すっかり濡れてしまったのよ、仁美さん。…責任、取りなさい」
「せ、責任…?」

「女同士がどうやって達するか、貴女、知らないはずないでしょう?…スカートはいいわ、そのままで。でも、ショーツは…脱がせて…」
「先生っ?!」
「そうしたら、仁美さんは、私のスカートの中へ頭を入れなさい。どうしたらいいか、答えは…そこにあるわ」

「いいんですか、先生…本当に、後悔しませんね?」
驚きと嬉しさが混ざった表情を見せる仁美の唇を、鹿野先生は人差し指で、そっ、と抑える。

「その代わり、ここでの出来事は、二人だけの秘密よ。告発もしない、退学沙汰にもならない。つまり、強姦じゃないのよ、これは。和姦、なの」
「先生…!」

鹿野先生は、今度は縛られることなく、自分から頭の上の手すりにつかまる。
跪いて、スカートの中を蹂躙してくる仁美の攻めから、無駄と知りつつ、こらえようとして。

仁美は先生のショーツを丁寧に脱がせると、自分の制服のポケットに入れた。
そして、何も隠し所のなくなった、先生の太腿の間を存分に責める。
指で開き、舌で尖らせていく。
あふれ出る歓びの証を、飲み込んでいく。

先生も、吐息を次第に大きくし、喘ぎ声に変わり、やがて恥ずかしくよがり始めた。
その頃にはもう、先生も自分から脚を大きく開き、仁美の容赦ない責めを、余すところなく堪能する。
「あん、そ…そこよ、そこなの…ね、お願い、仁美さん、そこして、ねえ、ずっとそこ、して…ああっ」
揺れ始めた鹿野先生の腰に手を添えて、仁美は先生の求めに従属する。
さっきまでの、主導権を取っていた時とは違う、奉仕者としての歓びに仁美は酔いしれた。

形の良い先生の胸が淫らに揺れ、下着を着けているはずなのに、ブラウスの上からも乳首が尖って見える。
「あ…して、ねえ、そこよ…指と、舌と…両方で、して…あああ、も、だめ、もうすぐ、あっ、…いくっ」
わずかに苦しそうな余韻を残しながら、鹿野先生は歓んで声を上げ続け、そして間もなく、全身をびくびくと震わせた。

手すりにつかまったまま、荒く息を吐く鹿野先生の秘密の場所を、仁美は自分の清潔なハンカチで丁寧に清め、ゆっくりと刺激にならないよう、ショーツを履かせていった。

「…あ…、すごく、よかった。仁美さん、…ねえ、次は、…いつ…?」
うっとりした声音で訊ねてくる先生に、仁美は、静かに答える。

「…次は、…ないと、思います。…たぶん」

「…え?!」
「だって、私、満足してしまったんですもの。可愛い過ぎて困るほどの鹿野先生を、陵辱する…っていう、目的が達成されて」

「……?」
「これから先、先生と私が交わるとしたら、きっともう、その全てが、和姦なんです。陵辱、ではなくなるんです。…なので、もう私は、満足したんです…」

実際にこうなってみて、初めて、仁美は知った。

自分は、先生と愛し合いたいわけじゃなかったんだ、と。
互いにセックスして、幸せになりたかったわけじゃない、と。

ただ、そこに可愛くてたまらないものがあったから、自分の自由にしたかった。
恥ずかしがって、困る姿が見たかった。
それだけだったんだ…と。

(弱ったな、自分にこんな性癖があるなんて…)

手の甲で、濡れた唇をぐい、と無造作に拭くと、仁美は呆然としている鹿野先生の横を通り、書庫の重い扉へと続く、鉄の階段を昇っていった。

(おわり…こんな終わり方になるとは、私も意外…)

2013年5月3日金曜日

(18禁★)可愛くて、困っちゃう、ひと。(3)

仁美が、鹿野先生の胸を舌と指先で可愛がり続けるうち、先生の声のトーンは、少しずつ変わっていった。
初めは拒絶の色合いが強かったのが、今はもう、陶酔感を思わせる甘い吐息に聞こえる。

「いい、んでしょう…?先生…」
悪戯っぽく、仁美は訊く。

鹿野先生は、認めたくない、というふうに、首を横に振る。

でも頬を美しく染め、とろりとした視線で仁美を見下ろしながら、されるままになって体を震わせているので、その返事は嘘だ、と、すぐ分かる。

両手首を拘束されている事も、嫌そうではなく…むしろ、自分は逃げられないから、仕方なく仁美に感じさせられてしまっているのだ、という言い訳にしてしまいそうな、無抵抗ぶりだった。

仁美が、これまで幾夜も想像していたより、現実の鹿野先生の姿は、綺麗で、淫らだ。
いつまでも、こうしていたい。

…いや、もっと、先へ。
仁美は先生に対して、もっと甘い責め苦を与えたくなっていた。

「先生?…下、脱がせても、いいですよね?…ここまで、来ちゃったんですもの」
仁美が耳元でそうささやくと、鹿野先生は、過剰なまでにそれを拒んだ。

「いやだわ、お願い!それだけは、やめて頂戴、頼むから…!」
「どうして?…どうして、さっきよりそんなに強く嫌がられるんですか?…何か、あるんですか?」
「…とにかく、だめ。だめなの。だめよ!」

そこまで強く言われてしまうと、かえって後には引けなくなってしまう。
静かに、仁美は先生の着ている、ややフレア気味のスカートのファスナーを下げた。

「ああ…、仁美さん…。だめ、ってあれほど、言ったのに…」
鹿野先生は、泣きじゃくる寸前の声を、出した。

「…なるほど」
仁美は、スカートを丁寧に脱がせながら、頑強な抵抗の意味を認めた。

鹿野先生は、スカートの奥に、ガーターベルトとストッキング、そしてショーツを身につけていたのだった。色こそほのかにピンクがかって、レースで飾られてはいたが、それでも十分、この先生のキャラクターには、意外なほど淫乱に映って見える。

「こんな、素敵な姿を隠していたんじゃ、見せるの、嫌がりますよね?…先生、こういう下着が、ご趣味だったなんて…知りませんでした」
少し意地悪そうに笑いながら、仁美は、先生の下半身の姿を堪能する。

ガーターベルトが吊っているストッキングは、おそらく絹製だろう、艶めいて肌に滑らかに貼り付いている。
ご丁寧に…というべきか、鹿野先生はきちんとセオリー通りに、まずガーターとストッキングを着け、その後にお揃いのショーツを履いている。

出勤時には、万が一に見えてしまったりすることを想定して、ショーツを先に着けるとか、パンストにするとか、そういう方法もあるだろう。しかし、先生はそれをしていない。ということは…

「学校に来るときも、こんなお姿を隠してらっしゃるなんて…先生、どなたか校内に、お相手がいらっしゃるんですか?」
「そ、そんなのいないわ、絶対、いません!つきあってる人も、いないのに…」

「…なのに、この下着って…じゃあ、先生、フェティシズムなんですか?こういうの…」
慇懃無礼に質問で攻める仁美のこの弾は的中したのか、鹿野先生は、途端に、黙った。

「スカートの中に、自分しか知らない、こういう世界を隠してるのが、お好きなんでしょう?」
「…やめて…」

「周囲にはおすまししてるのに、こんないやらしい下着を着けてる自分って、すごく恥ずかしい…って、思ってらっしゃるんでしょ?」
「ああ…仁美さん、もう、黙って…。…だから、だめだ、って言ったのに…」

「図星、ですか」
そう言って、仁美が駄目を押すと、被虐的な姿で手を縛られている先生は、真っ赤な顔をしてうつむいた。

「仁美、さん…、あなた、どうして私なんかに、こんな事するの?望みでもあるの?」
蚊の鳴くような声で、鹿野先生は、訊ねる。

「どうして?…決まってるじゃないですか。私が先生を前からずっと好きで、見ているだけで困ってしまうほど可愛いから。それ以外にありませんよ」
なぜ、そんな当然の事を訊くのか、と仁美は目を丸くして答えた。

2013年4月30日火曜日

(18禁★)可愛くて、困っちゃう、ひと。(2)

その日は、インターハイの予選だった。
土曜だというのに、運動部員は全学年が駆り出され、県内の各会場へ出場したり、応援したり。

自然、仁美のような帰宅部や文化部も土曜通学を余儀なくされる。
しかしいつものような授業は成立せず、教師も顧問で大半が出かけ、高校全体が、しん、とした空気に包まれた。

(気づかれにくい、いや、気づかれない。きっと、今日なら…)

図書室で自習をするふりをしながら、仁美は、密かに企む。
室内には、ほとんど人はいない。

鹿野先生は、仁美のそんな心中などつゆ知らず、返却された本を書架に戻したり、他の施設とのレファレンス業務をパソコンでしていたり。

仁美は、本を探す振りをして、何度も何度も、図書室内に人がいるか、確かめて回った。

やがて、その時が来た。

仁美と鹿野先生の他に、誰も、いなくなったのだ。

平静を装って入り口のドアに向かうと、吊り下げられた札を「閉館」に変える。
そして、外からは職員室の鍵を使わないと開けられない、鍵を、仁美は内側から掛けた。

…ガチャリ。

二人しかいなくなった図書室に、施錠の音が、ひときわ大きく響いた。

「え?どうしたの、仁美さん?」
カウンター越しに、無邪気な声で訊ねてくる鹿野先生は、いつもより可愛いすぎて、困る。

「…あの、先生。閉架扱いになっている本を、探しに行きたいんですけど。私一人では、よく場所がわからなくて…先生にも付いてきてほしいんです。その間に、誰かが入り込んだら困るので、鍵を…」

分かっていてつく嘘は、とっさに自分をかばう嘘より、喉をひりつかせる。
でも、仁美は、もう誘惑に抗えなかった。

誘惑?何の?
…そう、鹿野先生を、女同士なのに、自分のものにしてしまいたい、という誘惑に。

「付いていくくらい、いいわよ。…でも、仁美さんの方が、私より書庫の中に詳しそうだけど…?」
微笑みを浮かべながら、鹿野先生は、先に立って歩き出した。

それは、そうだ。
書庫のどこの辺りで、どうやってこの先生を犯そうか、そんな事ばかり考えて入っていたもの。

ギイ…と、重いスチールの扉を開けて、二人は書庫へ入って…いや、地下にあるので、降りていく。

最新式の、書架がレールに乗って電動で動くものではなく、地下室に本棚が所狭しと並べられ、その隅を細い鉄の階段で昇り降りしていく部屋だった。

「どのへんかしら?」
「えーと、確か…0で始まる…」
「ああ、総記のカテゴリね。じゃあ、最下層になるかしら…」

仁美は、わざと入り口から一番奥の棚を、指定した。
時間を少しでも、かせぎたいから。

左右を見ながら階段を降りていく、鹿野先生の後ろ姿を見ながら、仁美は、ブレザーのネクタイをそっと、外す。

「…ごめんなさい、先生…っ」

「え…? あ、ちょ、ちょっと?! 何するの? 仁美さん??」

最下層を降りきったところで、仁美は一言つぶやくと、振り返った鹿野先生の両手首を素早く握り止め、鉄の階段の斜めに区切られた手すりの一つへ、ネクタイで縛り付けて拘束した。

「先生と…こう、したかったんです…私、ずっと…」
「ひ、仁美さんっ?! ええっ?」

少し震える指で、仁美は鹿野先生のサーモンピンクのブラウスについた、くるみボタンを上から一つひとつ、外していった。

後ろ手に縛られて、いつも以上に突き出された、形のよい胸が、少しずつ露わになってゆく。

(ああ…今のこの瞬間を、ずっと覚えていよう、私。だって、きっとこんな事、もう、できない…)

鹿野先生は、仁美の予想していたキャミソールやスリップの類は身につけていず、すぐにペールピンクのレースで覆われた、ブラ一枚だけの上半身になってしまっていた。

「だ、だめよ…仁美さん、やめなさい…。今なら、まだ、何もなかったことに、しておけるから…」

「まだ? …じゃ、この続きがあるって、思ってらっしゃるんですね…先生?」
「あ、ああっ…意地悪…っ」

「…先生? もしかして、今までにも、女の人に…こういう事、されたこと、あるんでしょう…?」

あまりの反応の良さに、言葉責めではなく、半ば本気で、仁美は訊いていた。
鹿野先生は、ただ黙って、頬をみるみる染めてゆく。

「…じゃあ、容赦しません。私も…私も、先生の事、先生のこの体、好きだから…泣かせて、差し上げます…っ」

言うなり、仁美は鹿野先生を抱きかかえるようにして、背中のホックを外す。
目の前には、屈服させられた恥ずかしさに唇をかみしめる、美しい先生の裸の胸があった。

つん、と尖って、むしろやや上向きになった、左右のバランスのとれた乳房。
くすみが全くなくて、淡く美しい、咲きたての花のような色の乳首。

「や、やだ…っ、仁美さんっ、…そんな…見ない…でぇ…」
鹿野先生の声に、少し甘ったるさが混じり出しているようなのは、錯覚だろうか。

「…大丈夫です、先生。見てる余裕、私、もう、ない、から…」

答えるなり、仁美は片手で鹿野先生の乳首を優しく尖らせるように撫で始め、もう一方の乳首は、口に含んで舌先で転がし始めた。

「……っ!!」
鹿野先生の、声にならない声が、地下の書庫に響く。

でもその声は、決して、拒むときの声とは、違う。

ブラウスをはだけたまま、裸の胸を晒した先生を、ようやく、仁美は辱め始めることができた。
だが、これはまだ、単に始まっただけに、過ぎない。

(つづく。…18禁書いてるときは、ミスタッチが多い私、小心者…)

2013年4月29日月曜日

(18禁★)可愛くて、困っちゃう、ひと。(1)

いま、仁美(ひとみ)には、陵辱してしまいたいと思うひとが、一人、いる。

通っている高校の、図書館司書をしている、鹿野(かの)先生だ。

柔らかそうな髪をうっすら茶系に染め、セミロングの髪はゆるいパーマをかけて軽やかにはねる。
化粧はほとんどしていない風だが、トワレをつけているらしく、いつもふんわりと香っている。

どちらかというと、やせぎすな方だが、胸だけつん、と突き出ているのも、仁美をそそらせる。

彼女はなかなか人気があるらしく、20代半ばと年齢も近いので、用もないのに男子高生が図書館にやってきて、ふらふらしながら、彼女をチラ見して帰って行く。

それをやんわりと蹴散らして退室させるのが、図書委員長である、仁美の仕事だ。

3年連続で図書委員に立候補し、去年からやっと任につけるようになった。

去年は緊張してろくに話もできなかったが、今年は委員長の特権で、年度中にリクエストされた本の買い付けなど、直接相談することが増えてくる。

そんな時、鹿野先生の着ているフリルのついたブラウスとか、襟ぐりが深めのニットアンサンブルから、鎖骨より下の肌がのぞけてしまうと、もう、いけない気分モードが入る。

「すいません、鹿野先生…っ」
と、心では思いながら、体は裏腹に、その夜は先生を好きにしてしまう妄想に、溺れる。

最近は、そんな夜の一人遊びでは、物足りなくなってきていた。

何とかして、二人きりの時間を、作れないだろうか。

最後までは行けなくとも、体の自由を奪って、キスをして、ブラウスとランジェリーをすべてはがして、裸にした先生の上半身を、思い切り好きにしてみたい…。

小さな頃から、男子よりも何となく女子に目が行っていた仁美にとって、鹿野先生は、この上なく魅力的な存在なのだった。

でも、実力行使に及べないのには、わけがある。

まず、時間と場所のチャンスがない。

それに、そんな無体なまねをして、先生に嫌われるのが、こわい。

それから、生徒と教師という間柄でそういう既成事実を作ってしまうと、他人に知られた場合、例え仁美からのアプローチだとしても、責任の矛先は、年上である鹿野先生に向けられる。

それは、仁美にとってはなはだ不本意であり、最愛の先生に申し訳が立たない。

だから、じっと我慢をしているのだった。
先生の形のよい胸を見ながら、図書委員長としての仕事を、仁美はこなしていた。

…しかし、奇跡的にも、この三点のうち二点をクリアできそうな条件が、見つかったのだった。

(つづく。さっ、本道に戻るぞ~)

とりあえず、連休3日目。

歩いて、本読んで、寝て、お茶とコーヒー飲んで、仕事しました。
だもんでー、お話の構想はできずー、夜、寝る前か寝ながら考えることにしましょう。

連休でも普通通りに…いや、連休だからこそ忙しく、働いていらっしゃる方もいるのですよねー。
そういう方達のおかげで、休める人は休めるんだっていうこと、忘れちゃいけませんね。

…しかし、家で仕事するのは、何とも慣れないもんだ。
家族全員揃ってるし(困)

もし夢がかなって、人に使われてる今の仕事から、もの書きの仕事につけたら、絶対仕事場を別に借りないと、無理かも…

稼げよ、自分。
それか、宝くじ買って当てるか?(回りの人、けっこうロト6買ってるよー)

あと、ニュース話書こうと思ったんですが、まだ情報不足だし、「百合のお話サイト」という当初のコンセプトと、どんどんどんどんどーん…と離れてっちゃうので、書かないでおきます。

2013年4月28日日曜日

連休2日目、復帰(屈辱)の日。

おわっ、仕事してたら、もう連休半分以上過ぎちまってたよ。
早い早い。

そして、今日はサンフランシスコ講和条約にまつわる、占領時代からの復帰の日?らしいです。
「?」つけたのは、条約って、締結と発効の日が違うじゃないですか。

あと、やっぱりね…沖縄・奄美・小笠原の方々の事を考えると、復帰とか講和とか、軽々に言えないんですよね、私としては。

トカゲのしっぽ切りでしょ。
しかも、未だにその傷は続いて、大きくなってるという。

私の故郷、進駐軍のでかいキャンプあったんですよ。
生まれるくらいまで。
はっきり言って、その存在自体が恐怖で異端だったと、聞かされて育ちました。

それが、いまだに続いてるんですからね…。
「屈辱の日」と言いたくなる気持ち、分かります。

ニュース映像見てたら、総理大臣がぶち上げてる横に、やんごとなきあのご夫妻がいらしてて、すごく複雑な顔つきで出席されてたのも、さもありなん、です。

心は、本土と沖縄を初めとする島しょと、双方に引き裂かれてらしたんじゃないかなぁ。

その息子さんご夫妻が、ほっとした表情で飛行機に乗り込んでいらしたのと、対照的でした。
戦中・戦後を知る世代と、知らない世代というものを、善し悪しは置いといて、見比べてました。

あ、あと最後に一つ、文句を。

総理大臣、アホなコスプレやってんじゃない!
やるなら、基地内でやってくれよな。マジで。実弾付きで。
半端な気持ちで迷彩服着られちゃ、命がけでやってる自衛隊の人に失礼ってもんだろうが!

…まーた、怒ってしまったわ。でも、言いたかったのでね。

それでは、明日もブログが書けるといいな、です。できるだけ、楽しい記事で。
またまたー。

2013年4月27日土曜日

連休1日目。

…でも、休んだ感がないのは何でだ?
(いや、その理由は前回書きましたね)

休みだというので、子供が寝なくて困ります。
子供が寝ないということは、私がこーやってパソコン打ったり、好きなジャンルの本を読みふけって英気を養う時間が減る、っつーことです。

ひっじょーに、都合が悪いっ!

あまつさえ、今日は一ヶ月以上前に通販予約してワクワク待ってた、男の子同士のらぶらぶ系な本のセットが届いたとゆーのに、読んでる今頃は、日付、変わるじゃん!

明日、ウォーキングするのに、時間遅くなっちゃうじゃん!
んもー(って、私もかなり自分勝手だな)

しかし、本がとっても可愛くて綺麗で素敵だったので、今日は悪いこと、すべて帳消しにしよっ♪
うふふーん(←自分でも気持ち悪いって思う…)

さて、明日は仕事もからめつつ、どう過ごそうか…。
それでは、次回にまたまたー。

2013年4月26日金曜日

連休、どうされます?

うちの国では、4月末から5月初めまで連休があって、けっこう皆さん、あちらこちらへお出かけのようなんですが、どうされる予定ですかー?

私、明日は医者とPTA行事で思いっきりつぶれます(泣)

でも、ネットで頼んでずーっと待っていた大好きなマンガ家さんの本が届く予定なので、夜はきっと狂喜乱舞してます(笑)

で、そんなで土曜日は終わるので、日・月曜日は、ふつうに少しお寝坊して、家事して、仕事して、ネットもして、もしかしてお昼寝もして…なんつってるうちに、終わりそうです。

ホントは、どこかへ行きたいのにな。

普段見られない絵や映画を観たり、緑の下でのんびりしたり。

すっかりご無沙汰になっている人を訪ねて、お話を聞いて過ごしたり。

はたまた、実家の掃除とか…(弟はもう、社員旅行の予定が入ってんのー。ずるー)

あと、いざとなったら、一人で一時間限定カラオケとか(でも、混んでそうよね~)

さてまあ、とりあえずは明日、こなしてからの連休となりそうですな、私の場合は。

連休を取られる方は、くれぐれもお気をつけてお過ごし下さいねー!
風も強くなりそうだし。

それでは、また次回まで。

あ、せっかくの連休だから、頭の中だけでも、次の百合話、考えときたいなー。

2013年4月24日水曜日

エアグルーヴが…

13日に続いて、競馬のお話です。

名馬の誉れも高かった牝馬(ひんば=めすの馬)、エアグルーヴが死んでしまいました。
死因は、お産の後の内出血だとか。

えーん、悲しいです。

エアグルーヴ、最近のお馬の中では好きな子の中の一頭だったし、女同士の「頑張って!」な思いもあってレースを応援してたし。

それが、よりによって出産にからんだ死に方だなんて…牝馬なのが仇になっちゃったよー。

お産って、馬も人も、他の生き物も、女にとっては、命に関わることなんだよね。
「当たり前」みたいに思ってる人もいるけど、実はとてもハイリスクな出来事。

ぐすん。
ご冥福を祈ります…。

それから、産まれた子馬がとてもいい馬になりそうだ、というニュースで、ちょっと救われました。
血統もよいと言うこと。

ぜひ、お母さんの分まで、元気に大きくなって、走ってみせてね!

しかし、私ってあまり見てない割に、競馬、好きだな…。
馬券買ったこともないし、実際に競馬場へ行ったこともないんですよ。

実家の母が、馬という動物が大好きで、毎週末、テレビの競馬中継を見てたんですよね。
昔ですからテレビは家に一台、必然的にその時間のチャンネル権は母が独占(笑)

そうやって、一緒に見てるうちに、好きな馬や綺麗な馬を見つけるのが、楽しくなったんでしょうね。
あ、京都競馬場の杉本さんの実況も、名調子でいまだに好きですよー。

…馬好きでない方には「何、今日のブログ?」な内容で、ごめんなさい。
それでは今日は、ここまでにー。

2013年4月23日火曜日

寝ます…

今日は5時起きして、仕事の道具作ったりしてて(時間の使い方が下手…)
ねーむいです。とにかく。

と、言いながら、ツイッター書いて、いつもの気に入りのブログを見てきたりしましたが。
んで、この後占いコーナー見にいくんですが。

だから、ねむくなるんじゃん、自分!!

…とりあえず、最小限で寝ますね、今夜は~。
おやすみなさい…

2013年4月21日日曜日

皆様、あの手のお話がお好き。

いま、ふと気になって、今まで書いてきた記事の閲覧数を、ざっくりですが、見てきました。

やっぱり、18禁か、それに近い系のお話が、閲覧数多いわ(笑)
よかったー。

「よかったー」
ってのも、ヘンかも知れませんが、いや、私の趣旨と合ってたかなー、安心ー、と。

それから、やはりあの手のお話は、万国共通の話題になるのかなー、と。
人間、どこの誰でも、やっぱりこちらの方面のお話は、お好きでしょ?

はい?私?
そりゃもう、嫌いなら、自分でこのブログ、開設してませんて!(笑)

あと、人を好きになるのに、何か男も女も関係ないかなー、という考えがあって、もしそれに同調してくださる方がいるなら、それも個人的に嬉しいですね。

くくりは「好きか、好きになれないか」で、もう十分だと思うのです。

あまり肩肘張らずに、それぞれの「好き」を認識しあって生きられたら、もう少し、世界がおとなしいニュースで包まれると思うんですけど、ね。

さてと、私の暴走もおさまりつつあるし(?)それでは、次回また。

なぜに三國さん記事?それと息子さん~★

毎日、ブログにやってきて下さる方の傾向(カウント数・お国・どの記事か)をチェックするのが、私の楽しみ。

なんですが。

百合ブログなのに、最近、三國連太郎さんの訃報を書いた記事に、閲覧が集中!

…きっと、「俳優・三國氏」の何かが読める、と、大いなる誤解(すいません!)を胸に抱いて検索し、ここの中身を見てたまげてるんじゃないでしょーかー。

ここ、どんなブログか、「はじめに」を読んで、覚悟してお入りくださいね?
18禁、かけてありますから、察してくださいね?

…でもま、実際、あんまり「純正の18禁」なお話、書いてませんけど(爆)

さて。
せっかくだから、もう一度書きます。

私、息子さんの佐藤浩市さんがタイプ~!
52歳か…いい頃だなー(何がだよ…)

この人のファンになったのは、トヨタ「マークX」のCMです。
役柄はエグゼクティブ。自分で夜の街をドライビング、って感じ。

昼間のお仕事でも、乗ってますけど。
会社のミスを詫びに、クライアント先へ出向いて、潔く頭を下げる。

で、秘書だか部下だかの女の子に、
「今日の部長、格好悪かったです。…でも、素敵でした」
とか言われちゃうのよ。

くー、カッコいいっ!(いや、それは役柄だからね)

あ、あと三國さんとは全然関係ないけど、椎名桔平さんもタイプ~。
不敵に笑ってる時の表情とか、悩殺もんですよーん。

…果たして、この二人に共通点はあるのだろうか??

あとは、普段背広を着ない人が、突然背広姿でネクタイ締めてるのも、個人的にくるなー。

で、ワイシャツの背中が、思いのほか広かったりして。
ネクタイを、片手の指でぐいっと緩めたりして。
わー!

…バカの妄想が暴走しだしたので、今日はこのへんでよしときます、すんません…。




2013年4月20日土曜日

恋愛実行委員会(5・終)

「紀和…」
梨順は、それ以上何も言えず、床にぺたんと座って、しばらく紀和を見上げていた。

すると、ガラッと戸が開けられ、担当の教師が、紀和を手招きした。
実行委員の皆は、小声で交わされる二人の会話を聞き漏らすまいと、物音一つたてずに注目している。

「…で、一応、形の上で……というわけだから、……親御さん、校長室に……何時頃なら…」
教師の問いに、紀和も半ば覚悟していたらしく、手早く答えていく。

ひそひそ話が一段落すると、教師は、紀和の頭越しに委員へ指示を出した。

「お前ら、すまんが下校時間まで、もう少し作業、進めていてくれんか。時間になっても予定まで進まなかったら、委員長、お前、職員室の体育主任の先生まで、延長時間を相談に行っておいてくれ。」

「あの…先生…。どこ、行かれるんですか…。紀和が行くのなら、私、行かないと…おかしいです。私の事で始まったのだから…」

いつの間にか立ち上がり、梨順が、話し出していた。

「いや、金はここで、与えられた仕事をしていてくれ。紀和が抜けるわけだから。…もし必要があれば、もちろん、金にも声はかけるが」

「…はい」
力のない声でうなずくと、梨順は、またその場に座った。

ドアが、静かに閉まる。

それから、他の委員がびっくりするほどの勢いで、梨順はポスターを描き始めた。

あたり入れも下書きもせずに、クラスマッチのタイトルと日時、種目と会場を書き込む。
そして、中央に、一気に大きく人物のイラストを入れて、顔料マジックでポイントの色を差していく。

黒い短髪で、中学の体育着は半袖とハーフパンツ姿。
ハイソックスには赤と青のラインを入れ、片方の足の裏でサッカーボールを止め、もう片方の足は芝生の上にしっかり立っている。

手を腰に当て、瞳を輝かせ、微笑んでいる女子生徒の姿。
誰が見ても一目でわかる、その少女は、紀和そのものに描かれていた。

「すっご…梨順さん、だっけ。あんた、すごいのねぇ…」
同学年のいちゃつき女子が、いつの間にか、四つんばいになって、梨順の手際のよさに目を丸くしながら見入っていた。

委員長の声がかかり、その頃には梨順もポスターを描き上げて片付けも終え、その日の実行委員会の活動は終了した。

でも、まだ紀和は戻ってこない。

教室で待つのもじれったく、直接、梨順は校長室の前の廊下に行った。

しばらく立ったまま待っていると、職員室から、梨順の担任が出て来て、こちらへやってくる。

「先生、紀和は…? 紀和、実行委員会の途中から、ここに呼ばれて、ずっと帰ってこない…」

「大丈夫だ、心配するな、金。紀和が蹴った奴の怪我も大したことなさそうだし、紀和と男子と二人の話も一致してるしな。ただ、結果的に紀和が相手に暴力を振るった事は事実だからなぁ、んー。
一応、家の人に来てもらって、お説教をしてもらうように話しとくのが、筋ってもんなんでな?」

「おかしい…そんなの! 紀和、私のかわりに、怒ってくれた。本当に怒っていたのは、私の方…なのに、何で、日本人の紀和、コリアンの私の分まで怒られる?!おかしいよ!!」

「…まあ、おちつけ、金。そんな大声出すと、校長室の中まで聞こえる。…それに、どこの国の人間かは、物事のいい悪いに関係があるのか? 男子の差別発言で、かなり紀和のペナルティも軽くなっているし、そうピリピリするな。…紀和は、去年俺も担任したが、誇りという物を知ってる生徒だ。お前の誇りが傷つけられたのを、日本人としての誇りが、赦せなかったんだろうよ…」

「べっつに、そんなカッコいいもんじゃないっすよ、先生。勝手に正義の味方にしないで下さい」

ガラリ、と校長室の戸が開いて、片方の頬を真っ赤に腫らした紀和が出てきた。

「紀和! お前、先生に何て口の利き方してんだっ。もう片方もはり倒されてーのかっ!」
「うるせーな、親父はぁ。分かったよ、そんな怒鳴らなくてもっ。…すいませんでした、先生」

紀和の後ろの、1メートル85はゆうに越えていそうな、見るからにガタイのいい中年男性に言われ、半ばしぶしぶと紀和は謝った。

「いやいや、今回のことは、そう紀和を叱らないでやって下さい。…しかし、お父さんも相変わらず、お元気ですねぇ。去年とちっとも変わらない」
「しがねえ職人ですから。ゲンコで世の中のしきたりってやつを教えないと、紀和みてえなバカ娘には分かんねえんですよ。親がしてやれるのは、まっとうな心根の大人に育てるくらいで…」

「親父ぃ、もう、分かったから。バカは余計だよ、バカは。…それに、遅くまでここにいる、この子を送っていってあげたいから、家には別に帰るよ」

「この子、って…ここに立ってる、可愛い、この子か?」

「か、可愛いくなんか…あ、あの、私、金 梨順です。今日は、私のせいで、紀和さんが…ごめんなさい…あの、紀和さん…怒らないで…」

頭を下げると、梨順は、真剣な瞳で紀和の父親の顔をじっと、見つめた。

「はあ…紀和と同い年で、こんな別嬪さんもいるんだなぁ。心配いらねえよ、お嬢さん。ケジメさえつけりゃ、俺はねちねち言う性分じゃねえんだ。さっき、紀和から話も聞いた。お嬢さんの方が、こいつなんかより、ずっと辛かったんだろう? よく、我慢したよなあ。お嬢さんは、偉えゃ」

「さてと、じゃ、話も終わったことだし、遅くなるから、皆このへんで、下校しようか? お父さん、お忙しい中お呼びだてして、申し訳ありませんでした」

「いや、とんでもねえです。今度からも、紀和がなにかしでかしたら、どんどん叱りとばしてやって下さいよ。足りなきゃ、俺がいつでもはり倒しに来ますんで。…じゃ、紀和。俺ぁもう一軒、お客さんの家に修理の見積もりで行かなきゃなんねえから、お前は、そこのお嬢さんをちゃんと送って帰れよ」

「言われなくても、そのつもりだよ。親父こそ、人様のお宅で酒なんか飲んで来るなよ!…さ、梨順、帰ろうか?」
「…うん」

二人は、夕暮れからすみれ色に変わろうとする廊下を歩いて、それぞれの教室へ、鞄を取りに行った。

「…梨順? まだ、支度終わらない…?」
自分が鞄を持っても、なかなか廊下に出てこないので、気になって紀和は梨順の教室へ来た。

電気もつけず、小声でしくしく…と泣いている、梨順が、そこにいた。

「どうしたの? まだ何か、私がいない時に他の人に何か言われたの?」
驚いて、紀和は鞄を廊下に放り出して、窓側に立っている梨順のそばへ向かう。

すると、紀和は、もっと驚いた。
いきなり、梨順が泣きながら、紀和へ抱きついてきたから。

「ごめんね…、ごめんね…」
それだけを繰り返しながら、梨順は紀和から離れようとしない。
「り、梨順…。大丈夫、大丈夫だから、ね。落ち着いて…?」

引き離そうとする紀和の頬と、抱きついたままでいようとする梨順の柔らかな唇が、一瞬、触れる。

お互いに、びっくりして、弾け合うように、体を離した。

「わっ、ご、ごめんっ、梨順!」
あたふたとする紀和と対照的に、
「紀和…頬、とても熱いよ…お父さんに、そんなに、叩かれた…? 痛いよね…?」
梨順は、そう呟くともう一度、そうっと唇を紀和の頬に、触れさせた。

唇が離れた後、紀和は、梨順の顔をろくに見られなくなってしまった。
恥ずかしいようで、困ってしまって、でも、嬉しくて、本当はもう一度してほしいような、複雑な気分。
だから、とりあえず、声に出して言う。

「あ、あの…梨順さ、もう、すぐ真っ暗になっちゃうし、…帰ろ?」
何だか、それ以上は言葉が胸に詰まってしまうので、紀和は梨順の片手をぎゅっと、握った。

「…うん」
梨順は、やっぱり言葉少なく、返事をすると、そのまま手を握り返して、鞄を持った。

すみれ色だった廊下は、もう暗くなっている。
誰もいない、誰も見ていない廊下を、二人は無言で歩いていく。

…だけど、どうしても、我慢できなくて。
紀和と梨順は、それぞれのクラスの靴箱へと別れる時、自然に、そっと唇を合わせた。

外へ出れば、部活動の眩しいライトで、手をつなぐこともままならないと、思っていたから…

(おしまい。…時間かかって、申し訳ないです!)





2013年4月19日金曜日

愛しのナシゴレン…(泣)

というわけで、(直前のブログをアップした後)さっそく調べました。

がーん。
県内に1店舗しかなくて、しかもすっごく遠いじゃん、そこ。

がーんがーん。
しかもナシゴレンはメニューにありませんでしたよ~~。
どうやら、期間限定(夏あたり)のものらしい。

悔しいなぁ、よけいに食べたくなってきちゃったですーーー。
どうしたもんだよ、ナシゴレン。

え? 素を使って作れと?
うーん、でもお店のあの味は、私には出せない気がする。

何かもう、きょう道ですれ違った成田空港行きのバスに乗って、マレーシアに飛んで食べたい気分。
うっ、でもパスポート切れてるや。

ナシゴレンちゃん~~。

なんか情けない終わり方になりましたが、それでは、今日はここまで。

ご再訪(?)御礼

マレーシアの方がアクセス下さいました。

もしかして、以前おこしになった方かしら?
ご新規さんかな?

どちら様でも、嬉しいですー。

今日は夕方、久しぶりに時間が出来て、お買い物に行けたのです。
そこで、ナシゴレンの素を見て、「わー」と思っていたものですから、よけい嬉しい。

私、ロイヤルホスト(ファミリーレストランの)で初めてナシゴレンを食べて、大好きになって、行くたびにオーダーしてたんですよ。

…でも、そのお店、今はもう、閉まっちゃったんですよね(泣)

うっ、思い出したら、また食べたくなってきたっっ!

つーわけで、今からロイホのHPで近隣の店舗チェックをしてこよう。
わくわく。

なので、すいません、今日はこれにて失礼しますです。

百合のお話は、この土日に、持ち帰り残業の合間に頑張りたいです!(予定)

2013年4月18日木曜日

家庭訪問の時期。

仕事が一つ、山を越しまして、でも週末にまたでかいのが来るんですけどー、
とりあえず…更新しに、まいりました。

本当はあと一回で、紀和ちゃんと梨順ちゃんのお話をまとめたいのですが、今日やると、ちょっとやっつけ仕事になってしまいそうで怖いので、週末までお待ち下さい…(お読みの方は)

さて、そろそろ子供のいる家では「家庭訪問」の時期となりますねー。
働く母にとっては、なかなかお掃除して準備するのが、大変!

もちろん、日頃からいーかげんな母を自負している私なんか、もう毎日ちょこっと片付けしてもキリがなくて、あたふた状態。

先日、女性の上司に「子供の家庭訪問で、有給をいただきたいのですが…」と申し出たところ、
「いいよー。じゃ、この数日は大掃除になるね。うふっ」
とのコメントをいただきました(苦笑)

ああ、みんな同じなのかしら。
それとも、私一人、バレバレ状態なんかいな?
同士の皆様、がんばりましょう、そこそこに(笑)

そういえば。
日本以外のお国でも、学校の先生が、期間を決めてお家を訪ねる習慣って、あるのかしら?

(このブログ、コメント機能つけてないので、聞いても仕方ないんですが…)
もし何かの機会にわかったら、このブログでちょっとメモメモしますね。

さー、明日は久しぶりに通常勤務だわ、ありがたや。
それでは、また次回に。

2013年4月17日水曜日

ひとことっ!

す、すいませえん。
日本は日付も変わろうという時に、ちょっとこれから一つ、パソコン仕事が待ってまして…

なので、今日はごめんなさい。更新パスです。

でもでも、ツイッターやブログで返信下さった方、それからこちらのブログを閲覧下さった方のお国や数、読ませていただきました!

ニュースも追いつかないほどいろんな事が起こっている昨今ですが、皆様の優しさを明日の活力にしますー。

ありがとうございます!

それでは、まずはひとこと。
また次の機会に(何かしら)書きますね!

2013年4月16日火曜日

バースデー

今日は、上の子の生まれた日。
早いもんで、女同士なのに、もうすぐ背の高さは私を越しそうだ。

イチゴののった、ホールのケーキ。
チョコレートの板には、名前が書いてもらってある。

年の分だけ、ろうそく立てて、家族で写真を撮る。
ろうそくの灯を、ハイティーンになった彼女が一息で吹き消す。

小さな頃は、何回もフーフーして、それでも消せなかったっけ。
いつから、一息で消せるようになったんだっけか…。

で、家族の希望を一人ずつ聞いて、私がケーキを切り分けてゆく。
もちろん一番目に聞く相手は、バースデーを迎えた本人に。

学校やテレビの、たわいないおしゃべりをしながら、家族でケーキを食べる。

相方のお父さん、お母さんからは、おめでとうのファクスが届く。
私の弟が、お祝いの短い電話をかけてくる。

そして今、私は家族が寝静まった中、彼女が生まれる時の、満月の真夜中を思い出している。
大変な思いをして、一緒に入院した仲間がいて、初めてづくしの毎日が始まった、この日付。

一見普通のようで、実はちっとも普通でない「幸福」という感情を、私はここのところ、どれだけ忘れて過ごしていただろうか?

バースデー。

それは、今日の娘だけでなく、このブログをごらんの全ての方にとっての「幸福」な日でありますように。

2013年4月15日月曜日

三國連太郎さん、90歳で没。

今、帰宅。夜の九時。
本当はまだやればやれる仕事があるんだけど、やめた!

だってねー、早朝から合わせれば、たった一日で五時間残業だよー。
ほぼ毎日こんなでは、体がもたん。

ただでさえ、頭ボケてて、人より休みが必要な奴なのに。

んで、帰ってきてニュース観たら、三國連太郎さんがお亡くなりになっていたと。

さっそく調べてみたんですが、印象が強いわりに、私はこの方の映画、意外と観てないのね。
「利休」「豪姫」「美味しんぼ」…あと、「釣りバカ日誌」のスーさん、くらいかな。

それから、私生活がとにかく、とんでもない方らしい。さすが役者だぁ。
興味がわいた方は、ネットで検索を。

ちなみに、息子の佐藤浩市さん、タイプです~(笑)

それでは、明日…いや、今週の残り四日のために、今日はここまでで。

(自分で選んだ仕事なんですけどね…何でこんなキツいのかな。どこかで間違えたか?)

梨順ちゃんのモデルさんたちのお話。(閑話休題)

いま書いている「恋愛実行委員会」というお話、これにはモデルがあるのです。

それは、私の田舎時代。

お話と違うのは、梨順ちゃんだけでなく、いろんな国の人たち(アジア系の人たち)が、普通に溶け込んで住んでいたところです。

あと、コリアンの人たちは、日本名を名乗っていました。
いろいろ事情があったのでしょう…。

まあ、私の街はかつて軍都だったので、お国から徴用されてきてしまった、お気の毒な方々も多かったのだと思いますが…。

戦後になっても、年配の人の中には、差別的発言をする人もいました。

でも、そういう人のほとんどは、実際に外国から移り住んできた人たちとの接点もなく、頭でっかちの考えで、そう言っていたようです。

一番仲良くなれたのは、やっぱり、子供同士です。
十代の頃。

コリアンの女の子たちは、みんな可愛い子揃いで、遠いコリアン・スクールからひとり、またひとりと転校してくると、職員室前はその度に、男子で鈴なりになりました(笑)

どのくらい可愛いかというと、成人してから、地元の企業ポスターのモデルさんになったくらい。

彼女たちは、いつも笑顔で、日本語がとても上手。
普通におしゃべりを楽しんだり、故郷の国の服や遊びの話を、校庭に絵で描きながら、教えてくれました。
ハングルの新聞も普通に持ってきて、その上でお習字を書いたりしていましたよ。

駅で、コリアン・スクールに通学する、同年代の子達とも、よくすれ違いました。
県内に一校しか学校がないので、通学が遠くて、大変そうでしたね。

そこの女の子の制服が、とっても可愛いかったんですよ。
黒や紺のチマ(スカートみたいな方ね)がふわっとしてて、白のチョゴリ(ちっちゃくて可愛らしいブラウスみたいな方)が、その上にちょん、と乗っているみたいで。

「日本の中学の制服より、よっぽど可愛いよな~」なんて、思ったりして見てました。

別に、特別な政策があったわけじゃありません。
先生方からも「外国の子だから、特別いろいろ教えてやるように」とは言われませんでした。

だから、普通に仲良くできて、良かったのかも知れませんね。

そんな懐かしい昔を思い出しながら、「恋愛実行委員会」を書いています。
もうすぐで終わりになりますが、最後まで読んでいただけたなら、嬉しいな。

2013年4月14日日曜日

恋愛実行委員会(4)

その時。

「うっせーなぁ、ったく!ベラベラしゃべくってねーで、書くもん書けよ!」

さっきまで、紀和と梨順より大声で、仕事もせずに彼女としゃべっていた同学年の男子が、怒鳴りつけてきた。

まあ、確かにおしゃべりに盛り上がっていた時だったので、紀和は

「あ…、ごめん」

と、言っておく。

それでも、その男子の怒りがおさまらなそうなので、紀和はちらり、とそいつらの模造紙をのぞき見する。

(…遅いわ、ワケわからん線並んでるわ、こりゃ、八つ当たりもしたくなるわなぁ…)

「へっ、それに何だよ、さっきから聞いてりゃ、ガイジンの自慢話ばっかじゃねー? よそ者のくせに、デカい面して日本の中学来てんじゃねーよ!」

「ちょっと、言い過ぎだよ、やめときなよ…」
相手の女子が止めるのも聞かずに、男子は暴言を吐いた。

梨順は、涙の粒ひとつ見せず、黙って聞いていた。
きっと、日本に来てから、この手の悪口を何度も聞かされてきたのだろう。

しかし、その瞳は、はっきりと怒りに燃えて、男子をにらみつけている。
模造紙の前に座ったまま、射るような視線で。

そして紀和は、彼女ほど辛抱強いたちではなかった。

聞いた瞬間、立ち上がっていた。
ひるんで座ったままの男子に向かって、駆け寄ると、背後から肩を思い切り蹴りつけて倒す。

スポ少の女子サッカーでFWを張り、関東大会決勝まで行った脚は、まだ衰えていなかったようだ。

さっきまでの悪態が嘘のように、男子は声も上げられないまま、その場にひっくり返る。

梨順は、びっくりした表情で、座ったまま、紀和を見上げた。

紀和が、泣いていたからだ。
肩を震わせて、悔しそうに、しゃくりあげて、紀和は泣いていた。

「ごめん、ごめんね、梨順…」

「どうして…? どうして、紀和が謝るの? 紀和、悪くないじゃない…?」

「違うよ…、あんな言葉、あなたに聞かせた自分が、あなたを守れなかった自分が、悔しくて、それから…あんな、あんなひどい事言う奴、あんなのと私が同じ国の人間だって、思ったら…哀しくなったんだ…っ」

パンパン、と、少しこもりがちに手を打つ音が、作業用に借りた教室に響く。

「あー、んじゃ、先生はこれからー、ここの転がってる2年の男を、念のために、保健室へ連れてっとくー。お前たちは、そのまま作業を続けるように。…あ、それからな」

それまでおっとりしていた担当教師の声が、急に険しくなり、実行委員の全員は、はっとしてそちらを見た。

「…お前たち、『言葉の暴力』って言葉、聞いたこと、あるよなあ? 怪我してできた傷は、医者と薬と時間で治る。だがな、『言葉の暴力』には医者も薬も効かず、時間が経てば経つほど、心の奥まで傷を深くしていくもんだ。…なぜ今、この話をしたか、実行委員になるほどのお前たちなら、わかるよな、あー?」

…事実上の、箝口令。
または、反論の許されない、ジャッジメント。

沈黙の中で、実行委員の全員が、それを理解した。

(つづく)

 

2013年4月13日土曜日

わ、ご新規さま!

トルコからアクセスありましたー。嬉しいー。
オリンピック招致、どちらが成功しても、協力して頑張りましょうね。

あー、ドンドルマ食べたい…

ごめんなさい、今日は頭痛でここまでです。
寝ますね。
ではまたー。

え、もう13日?

すいません、週末なので、お運びいただいた方が何人もいらしたようなのに、何もおかまいしませんで…。

(小料理屋かっ!)

今日は、家族にPC明け渡してて、今、ようやっと空いたところです~。
でも、寄る年波(おい!)か、真夜中を過ぎたせいか、目がしばしばしてます~。

なもんで、とりとめなく。

競馬の話題ですが(本当に飛ぶな、話題が)ハギノカムイオーが死んじゃったー。
競りにかけられたとき、当時最高額のサラブレッドとして、一般紙にも載るくらい有名な馬でした。

で、死因は老衰。
うーん、時代を感じる。

でも、レース中に転倒して、脚を骨折して安楽死処分になる馬が多い中、老衰って、すごいね。
お疲れさま。

ちなみに私、シンザンには間に合いませんでしたが、「さらばハイセイコー」は聴きました。
そーゆー世代です。分かる人には分かるかな?

葦毛なら、オグリキャップよりも前の、タマモクロスの方が好きだったというか…
もっと前なら、トウショウボーイとサクラショウリの一騎打ち(多分)が楽しみな子供だったというか…

あー、話がマニアックにいっちゃうので、馬の話はここまで!


お相撲だったら、輪島と北の湖ですね、一番見てた頃の横綱は。
北の湖理事長は、今度還暦のお祝いで、真っ赤なまわしをしめるそうだとか。

なんかなー、横綱のまわしは、やっぱり白じゃないと映えない気がするなー。
神様へ捧げるんだもんね、お相撲って。
…ん? 神様って、赤でもいいのか?(よくわからなくなってきた)


神様といえば、私は、一応仏教徒(真言宗豊山派ね)なんですが、神道の方が好きかな。

「神は細部に宿り給う」とかね。
「八百万の神様」とかね。

目にみえないけど、すべてのものには神様がついていて、全部そこには意味がある。
この世の中を守ってくれていて、無駄なものは一つもない。
だから、すべてのものは大切にされなきゃいけないし、大切にしないとならない。

とても単純で、わかりやすくて、毎日の暮らしに溶け込みやすい宗教…というか、自然との、いいおつきあい方だなぁ、って、思います。


しっかし、ホントに今日のブログは、連想ゲームみたいで脈絡なくて、すいません。
飲んでないんですけど…これだけ支離滅裂が書けるというのも、一つの特技かも、ですか?
(いんや、違うと思う)

今夜は綺麗な、猫の爪みたいなお月様が出ていました。
さてさて、お日様が昇るころには、どんな一日がはじまりますやら。

それでは、気まぐれ気味に、また次回!

2013年4月11日木曜日

個人的に今日は。(つぶやき)

今日は、親族の命日。お花を買って帰ってみたりする。
ガラじゃないねー。


あの年の今日は満月で、桜が満開だったなー。

携帯で、いよいよ危ない、と親戚に電話をかけまくっていた夜、
ひとりの叔父がぽつり、と言ったさ。

「満月だからな、今夜あたり、覚悟しといた方がいいんかもしんねえなあ…」

私も、そう思っていたので、うんうん、と返事をしたよ。
私が子供を産んだ時も、満月の真夜中だったから、直感的に。

満月は、いのちの駆け引きをする、不思議な存在なんだ。

その後の事は、正直、断片的にしか覚えていない。
周囲の人たちが動いてくれて、その好意に乗っかって、喪主の大きなリボンをつけたっけ。

告別式の時の挨拶文だけは、徹夜で書いた覚えがある。

別に、誰かに言われた訳ではなくて、亡くなった者をおくる人間として、今はいない相手に最後の恥をかかせては、いけない。

そう、思ったからかな。

けんかばかりしてた、親族だったけどね。
負けたくなかったのかなぁ。こう、気持ちの上で、みたいな。

寝不足と疲れでふらふらしながら、翌日の本番、挨拶を読んだ。
伯母が小声で「しっかり、頑張って!」と、声をかけてくれたのは、読みながら聞こえた。

その後の周囲の反応からすると、どうやら、最後の恥はかかせずに済んだようだったよ。


それから数年、桜を見られない自分がいた。
けれど、今年の終わりは、励ましてくれた人のおかげで、久しぶりに見られる心に戻ったんだ。

でもね、そしたら今年の桜は早くて、散っちゃった。
夜になると、もう、寒いんだなー。
違うんだよ、あの年の、満開の桜の夜とね。

だから、桜の替わりに、最後をおくった人の好きな花を少しだけ買って、家に飾ったんだよ。

来年は、見に行こう、桜。
昼間の暖かな、青空の下の桜。
提灯がほのかに照らす、夜の妖しい桜。

だって、私もあと何回、桜を見られるか、そんなの、誰にも、私にも、わかんないんだもんねえ。

それでは、今度はちがうお話で、また次回!

2013年4月10日水曜日

恋愛実行委員会(3)

紀和と梨順は、二人して大きな模造紙に線や字を書くことになった。

「どうしよう…床に模造紙をじかに置いたら、マジック、映っちゃうかぁ」

紀和が、無意識につぶやくと、

「あ、じゃ、チョ(私)が教室に新聞紙、置いてあるから、それ、持ってくる!」
さっと聞き止めて、梨順はパタパタと廊下を小走りに去っていく。

しばらくして、よほど急いだのか、桃色の頬をよけいに濃くして、梨順が帰ってきた。
「はい、これだけあれば、足りるかな?」

「わあ…!」

紀和は、その紙をひと目見るなり、歓声をあげた。

幾何学模様のようなハングルが、小さな活字でぎっしりと規則正しく並んでいる。

英字新聞なら、包装紙の柄や、実際の切れ端で何度か見たことがあった。
でも、こんな新聞を見るのは、初めて。

「すごい…綺麗ねえ。私、ハングルの新聞、初めて見た!…読めないけどね、えへへ」
紀和は、頭をかいた。

「日本(イルボン)にも、チョの国の人、いっぱいいるよ。だからね、ハングルの新聞、買って読むの」

「えー、じゃ、梨順さんって、ハングルができて、日本語できて、学校で英語も勉強してて…三つも言葉しゃべれるんだ、すごーい!」

「やだ、恥ずかしい、そんな大きな声出さないで。あ、あと、『さん』つけなくていいよ、名前。梨順でいいよ、チョも『紀和』って、呼んでいい?」

「うん、もちろん。…でもほんと、この新聞、綺麗だなー。マジックの跡つけるの、もったいないね」

「大丈夫。家に、たくさんあるから」

二人は、いつの間にか仕事そっちのけで、おしゃべりに夢中になっていた。

(つづく)

★おまけ★
 ニュースではいろいろ言っている昨今ですが、うちのブログの中は、こんなスタンスです。はい、ガールズラブ至上主義。
 
 
 

2013年4月9日火曜日

シスターズ・ラブ到着!(4月3日の続きです)

さてさて、昔懐かし、私が百合ジャンルに目覚めたきっかけのマンガが、届きました!

コミックス、2冊~。
(いや、この雑誌休刊しちゃって、2冊しかコミックス出てないんですけどね)

カバーを見ると「シスターズ・ラブ」と書かれています。

うーむ、今みたいに「ガールズラブ」というジャンルが確立される前は、こう呼んでたんですね。
「エス」(シスター、つまり姉妹に似た女子の擬似恋愛)の一種と、くくられていたのかしら?

…しかし、内容は現在より、か、かなり過激です…。
きっと、黎明期だったがゆえに、規制がゆるかったんでしょうねー。

で、買ってみた感想はというと。

はい、一勝一敗でした。

一勝の方は、ほとんど未読のお話で新鮮に楽しめたのと、とにかく、絵が綺麗~。
主人公さんのファッションも、ちょっとまねしてみたいくらい、いま見ても古くなくて、素敵。

一敗さんの方は…すいません、この後の文、笑わないで読んでほしいんですけどー、…確かにかなりのかなりな描写でございましたが…私の想像、いや妄想の方が…先を走っていました(爆)

かくして、時代は変わり、百合ジャンルは確立した世の中になりました。
こうやって想像の世界に遊べるのも、先人の皆様のおかげですねー、ありがたいことです。

…あとは、暴走しかけている私の百合モードを、もっと可憐にシフトダウンしないとな!
いかんいかん。いかんぞ自分!



2013年4月7日日曜日

ツイッターとコメントとブログ~

すいません、ちょっと昔に流行った曲名をパクった?タイトルになってしまいました。
(わかるかな?)

さて、本題。

ツイッターを始めて思ったのは、入場制限フリーのイベントに飛び込んでく感覚。

だから好き勝手を書いてしまいかねない反面、どんな人間が見て返信してくるかも、謎。
気をつけて飛び込まないと、時に、あそこの乱痴気騒ぎ(失礼)は毒を呼ぶ。


誰かのブログにコメントする時は、お互い会っていない物同士でも、そのブログに共感できる何かを共有しているわけだから、ツイッターほど破天荒ではない空気。

お茶席に呼ばれて、ブログ運営者さんの点ててくださったお茶や、茶室のしつらえの趣向を愉しみ合う、一期一会の間柄…でしょうか。


でもって、自分のブログ。
これはズバリ、まっさらな原稿用紙の前に座っている状態です。

何でも、自由に書ける。
でも、ヒントは誰もくれない。責任も、全部自分。
全ては己にゆだねられているわけで。

それが、私にはたまらなく面白く(時間が許せばね)時には、パズルのように頭を悩ませる。
でもね、悩んでいる時もこれまた、楽しいんですよー。

どれも、同じデジタルな文章なのに、個性って不思議な物です。

2013年4月6日土曜日

ひとりごと、4月第一週。

あー、やっと新年度の一週目が終わりました。

今年は、月曜スタートでめいっぱいだったし、他人の仕事を優先させられて、自分の仕事ろくにできなかったし、3月に引き続いて今週末も職場の幹事をやったり、いろいろございましたよ。

おかげで、酒の量は増えるし(いや、それは言い訳だろ。笑)、今朝は起きようとしたら、全身筋肉痛と、両脚が順番に何回もつってしまうのとで、もー、ボロボロじゃ~ん。

あとは、ちょっと精神面で、絶えず気にかかっていた事があったんですけれど。
不用意に、傷つけてはいけないひとを、傷つけてしまっていないか、という。

でも、最後の気がかりは、もしかしたら、多分、今回も私の杞憂かもしれなくて…と今日思えて、かなりそれだけでも、気分がホッと軽くなれました。

それから、今このブログを7つの国の方々がご覧になって下さっている、それもとても励みです。

ちょっと…今週は、無理しちゃったかな?いろいろと。
今後はまたマイペースに戻って、ゆっくりのんびりと更新してまいりますね。

それではー。

2013年4月5日金曜日

恋愛実行委員会(2)

去年の転入生に、名前を聞こうとした紀和(きわ)は、委員会のスタートでそれがかなわなかった。

(何て名前の子だったっけ…うーん、何かインパクトあった気はするんだけど…)

「お?お前は名札の色からすると、二年かな? ふむ、だいぶ真剣に考えていて、よろしいぞ」
突然、担当の教師に振られて、紀和の回りの三年生がクスクス笑った。

結局、経験者の意見と教師の助言をミックスさせて、今年の競技種目と、学年ごとの委員の仕事が手際よく黒板に書き出されていく。

紀和たち二年は、去年を知ってるから…という事で、ポスターとトーナメント表を書く係になった。

いちゃつきペアと、名前知らずの少女と、それから紀和とで、生徒会の物品庫に行く。

そこで、模造紙や長い定規や、マジックの数色入りの箱をいくつかもらい、入り口脇の出納簿に品目と数と、代表者の名前を書いておく。

予想通り、ペアは楽そうなマジック類を持って、きゃいきゃい先に行ってしまったので、紀和は模造紙を数枚丸めて持ち、転入生の方に長いクリア定規を3、4本持ってもらった。

「…ごめん、手が離せなくて、私。悪いけれど、あなた、そこの帳簿に名前、書いてくれる?」

名前を知りたくて、あえて紀和はかさばる模造紙を持つことにしたのだった。

転入生の少女はコクン、とうなずくと、名簿に綺麗な漢字で、こう書いた。

『金 梨順』

…そうだ。

忘れていた記憶が、紀和の中でよみがえる。

あの日、初めて学校へ転入してきた日、この少女は白と黒のチマチョゴリの制服姿だった。
それがとても可愛くて、似合っていて、同学年の皆はいっぺんで彼女のビジュアルに魅せられた。
あの服は、コリアン・スクールの制服だったのだ。

「え…と、キム=リスン…?」

紀和が、怪しげな現地のアクセントで、当時教わった通りに読むと、梨順は、ぱあっと顔を明るくして、そして頬を桃の色に染めた。

「読めるの…? チョ(私)の名前…?」

「えーと、あの、あなたがここの学校に、初めて来た日があったでしょ? その時ね、4クラスのみんな、あなたの名前を覚えたのよ。あんまり、あなたが可愛いから」

「うそ。そんな事、ないよ」

ふるふる、と首を振って否定する様も、やはり可愛らしい。

「でも、嬉しい。チョの事、知ってる人と同じお仕事ができるなんて。あなたは…さっき言ったよね。紀和? …よろしくね、いろいろ教えてね」

さっそく、委員会をしている部屋に戻り、一角の机と椅子を後ろに運んで詰めて、スペースを作り、二年生は模造紙を測って切ることから始めた。

いちゃいちゃペアの方にはトーナメント表を一切合切頼み、紀和は、にわかに興味の出てきた目の前の美少女、梨順とポスター作りにとりかかり始めた。

(つづく)

2013年4月3日水曜日

今日もご新規さまですよ!

今日は、はるばるコロンビアの方が閲覧にいらっしゃいました。

ようこそ!
ブエノス・ノーチェス(こんばんは)で、いいのかしら? スペイン語でしたよね?

私が知っているつたない知識(?)では、まず美味しいコロンビア・コーヒー。
それから、高地の多いお国で、「一日のうちに四季がある」と言われること。

そしてそして、ちょうど私がいま読んでいる、村上龍という日本の作家が書いた「KYOKO」というお話で、日本人の女の子がとても素敵にダンスを踊るのです。

ダンスの名前が、「ルンバ・コロンビア」。
キューバ系のGIさんから、小さな頃に教わったダンスを、彼女は大人になっても踊り続けます。

うーん、そんなくらいしか、お国のことを知らなくって、ごめんなさい。
もしよろしかったら、これにこりずに、また閲覧においで下さいね。
グラーシアス!(ありがとうございました)


…さて恒例、「全然違う話コーナー」にいきます。(コーナー化かい、ついに…)

その昔、十数年前、私が百合というジャンルに目覚めたころ、一冊の専門コミック雑誌に出会いました。
「ミスト」→「美粋(ミスト)」という雑誌なんですが、ご存じの方、いるかなー?

当時の私は、それ系の雑誌を立ち読みできず、家にも持ち帰れず、買ってどこかのお店の駐車場で読んで、処分してました。

初々しかったのねー。
(本屋で買うとき、よく隣でじいちゃんがフーフー鼻息を荒げて読んでたのも、いい思い出だ)

その時の、特に好きだった連載マンガが2冊(だけ!)コミックスになってると。
さっき、アマゾンでポチっとな、してまいりました。

どちらも、中古品。
そのうち1冊は、かなりボッてる感もありましたが、やはり懐かしさとドキドキには勝てない…。

当時の自分と、今の自分と、読んでみた感想はどうかな?変わるかな?
家庭状況は、子供がデカくなった以外、あんまり変わらないと思うんですが…

はてさて、楽しみです。

2013年4月2日火曜日

はいっ、またご新規さま!&昨日の続き

ロシアの方が、いらっしゃいましたよ。
ズドラーストヴィーチェ!

(まちがってたら、ごめんなさい…こんにちは、のつもりです)

私の友人には二人、ロシア語を勉強してたのがおりましてですね、少ーし教わったんです。
ほとんど忘れてしまいましたが(苦笑)

そのうち一人は、吹き出しに書き文字でロシア語を入れる、マンガ家になり(育児休業中)、
もう一人は、なぜか宗旨替えして、今は毎年、大韓民国へキムチを漬けに行くようになりました。

やっぱ、類は友を呼びますか? ちょっと面白いでしょ?

では、スパシーバ!(ありがとう、のつもりです)

さて、ここからは昨日の野球話の続き。

イチローさんは、国民栄誉賞の打診があったとき、「まだ若いし、引退するときに、もしその資格があったら…」と、やんわり辞退されたそうですね。

有名なお話だそうで、物知らずだったわ、私。

でも裏返せば、引退までガンガン活躍して、国民栄誉賞で花道を飾る気ありと見た!
カッコイイですー。

それから、きょうミスターの息子さんが
「(父は)もらうのが遅かった」
とおっしゃったそうで…いかにも、息子さんの人柄がにじみ出てて、いっそ微笑ましい。

でも、ONコンビの王さんは、37歳で受賞してるんですもんねー。

確かに、遅かったかと思います。
お元気になった時に受賞されて、良かったー。

最後に…仕事が詰まってて、週末にお話書けるかも、ちょっと予測つきません。
ごめんなさいー。

2013年4月1日月曜日

新規のお客様!

インドネシアから、初めて閲覧者さんがおいでになりました。
嬉しいなー。
ありがとうございます!

日本、戦争中にひどい事たくさんしてしまったのに、
閲覧してくださって、感謝です。

ジャワとかデンパサールとかを訪れる方が多いんでしょうけど、
私はマニアック(?)な性格なので、ボルネオとかスラウェシとかイリアンジャヤとか、興味あり!
広いお国なんでしょうねー。

あら、4月だわ。(つぶやき)

お待たせしました、つぶやきネタです(苦笑)

忙しいだなんだと言いつつ、ブログを結構更新してた(別名、逃避行動)3月でしたが、あらー、もう今日から、4月なんですねー。

疲れても、週末にならないとビール飲めないな、しばらく。

「グラソー ビタミンウォーター」に戻ろう。

この飲み物にハマって、はや何ヶ月…
風呂上がりに飲むと、吸収されてくのが分かるんですよ、この色水みたいなドリンクは。

あ、そうそう、エイプリルフール。

期待してたイギリスネタがまだ不明で、つまらないです。
アメリカのとフランスのは、わかったんですが。
フランスの方が面白かったかな~。

あと、これ、怒った人いたら、ごめんなさいね。

「ミスターと松井がダブル国民栄誉賞」って、ネタだと思ってしまいました、一瞬。
だって…キャリアも、人気も、時代を作ったという事実も、段違い平行棒でしょー。

イチローは、どうなってるんでしたっけ?
大リーグの道を切り開いたなら、野茂英雄はどうするの?

いや、松井、嫌いじゃないんだけど。
星陵高校の時の、あの敬遠シーン、覚えてますけど。
でも、もらっちゃうにはまだ、若くないかなー??

2013年3月31日日曜日

出勤しなかったぞー(笑)

こんばんは。

このブログ、やっぱり本編のお話より、「つぶやき」シリーズの方が閲覧数、高い…。

なんでや?

つまるところ、天然的に私や周囲におもしろ人間が多いという事かしら。
いいんですけど。
喜んでいただければ。

不思議なのは、海外の閲覧者さんも、「つぶやき」好きが多そうな傾向が。
あの…ここで書いてる日本人(特に私ね)、一般的じゃないですから。
お間違いのないようにー。

あ、そういえば人様に教わるまで気づかなかったんですが、明日はエイプリルフール、日本流に言うなら「万愚節」であります。

自分、やらなくなって何年かなー。

個人的には、イギリスのメディアがどんなウィットに富んだシャレをかましてくれるか、楽しみ。

休日、死守。(つぶやき)

仕事を新年度に「お持ち越し」しそうで、先週は連日、夜の九時頃に帰宅。

でも、そのかいあって、(今日はやらねばならぬか…)と、半ば覚悟していた「休日出勤」を、しなくてよくなりそうです。

いや、休む。

とはいえ、事務用具とか買いに行ったり、引き継ぎ資料作ったりはしますが。

いや、でも休む。

美容院は無理だけどさ、どっかでお茶くらいしたいじゃないですか。
一人で、まったりと。

桜は散っちゃうけど、花びらくらいは浴びて歩きたいじゃないですか。
ちょっとは前を向いて、ねえ。

だから、休むー。

(宣言しとかないと、マジ職場行きかねないので、この文は自分自身へのおまじない、です)