2013年1月24日木曜日

百合話が思い浮かぶ時は

だいたい、百合メインの二人の名前が決まれば、まず話は滑り出します。

そして年齢とか、どこに住んでるのとか、体つきとか考えているうちに、性格が出てきます。
すると、何となく世界がもやもやっと見えてくる…。

今、がしがし週明けまで仕事をすべき時期なんでありますが、そう言うときほど妄想が(笑)

レトロなお話の時は、名前に「子」かお花の名前を付けてあげると、いいみたい。私は。
逆に今時のおねーちゃん同士な百合だったら、「子」は付けないなー。
DQNとはいかないまでも、カタカナとか、音(おん)を考えてネーミングするかも?

なんつって、名前には書いてる人間の好みが投影されるので、きっと探せば何か共通点があるでしょうね。

ちなみに、今、挑戦してみたい百合は、王道の女子校生ものか、意表をついて人妻百合~。
あと、男装同士で百合とか…(おいおい、道を外れてる外れてる!!)
どんなんだよ。

それでは、後日っ。

2013年1月22日火曜日

(まんが話)あのボクシング漫画の最新刊…ほか

コミックスって、今どこでも、カバーかかってて読めないじゃないですか。
しかーし、私は奇跡的に、カバーかけてないコンビニを発見!

週刊少年マガジンに長ーいこと載ってる、あのボクシング漫画が見たくて。
久しぶりに。

あー!そしたら!!
私の大好きなヴォルグ・ザンギエフが、すっごい試合してんじゃないすか!!!

死闘というべきハードな展開なのに、彼はやはり美しく、そして…か、可愛い…。

なんか、大島監督のキャスティングを思い出したり、エヴァの渚カヲルくんに目覚めたり、
その他もーねー、フィクションもノンフィクションもいろいろ取り混ぜて、
ここ最近の私ってば…どうしよう…もう、悶絶です…っ。

(仕事、進まねーわけだーねー)

2013年1月21日月曜日

アルジェリアの事は書いておこう。

日本人7人の遺体確認、ご冥福をお祈りします。

今回は、人質としての扱いがあまりに酷かったのと、味方であるはずの軍に、ある意味命を奪われてしまった事実と…ショックが二重であることが、なお痛々しい。

でも。
ここからは、お読みの皆さんに非難を受けることを想定して、書きます。

犠牲者の数より、救出者の数の方が、かなり多かったのですよね?この掃討作戦は。
人種とか宗教とか、考えないで、単に頭数で考えるに。

日本人が全員助かったとしても、他国の人が多数犠牲になったら、私は今と同じ気持ちで祈ることができただろうか?

私は、誰かを殺さなければ自分が生きられないような、極限状態を体験してはいません。
でもこの事件で、そのような状態がありうるのだ…と思えたのです。
例え不条理だとしても、狂信的な一部の人間の所行だとしても。

あと、一番思ったのは、
「憎むべきは、この人質事件で殺人を犯したイスラム過激派のみであって、それ以外のイスラム教徒は不当な差別を受けないよう、世界中で保護されなければならない」という事です。

これ以上、地球に住む「人間」という矮小な存在が、愚かな過ちを繰り返さないように。
それも、私が今、祈っていることの一つです。

さてとな。

仕事をほったらかして、パソコンに煩悩を書き散らしてきましたが、
いよいよ本業の書類の〆切やら、親族の確定申告の処理やら(苦笑)忙しくなりそう~。

なので、また短編に戻る予定です。
あと、単なるミーハーな世間話。
(実はこっちの方が、回転数よかったりして…)

百合で始まったこのブログですが、どーも薔薇にも行きそうです…弱ったぜ。
(薔薇の意味がお分かりでない方は、えーと…百合の逆ですよ。つまり)

そう…もともとは、薔薇からこの世界に足を踏み入れたのよね、私。
(遠い目)

なもんで、拒絶反応のある方は、無理なさらないように。

さて、全然関係ないお話。

ツイッターの仕方がよくわからないー!!
先輩格の相方に聞こうと思っても、私が仕事終えてこっちの話を打つ頃には、ビール飲んで寝ちゃうし!聞けないし!
それ以前に、百合とか薔薇とかの文、相方には見せらんないし!!

なんかもー、己が情けないであります。
好きなマンガの語りとか、したいのにーっ。

さてとな、それでは、後日に。

2013年1月20日日曜日

ぼくたちの美郷さん(14・ラスト)★18禁

その後、二人の連名で、何度もメールをもらった。
文面はいつも、同じ。

「会いたいです、美郷さん…会って、直接話がしたい」

でも、わたしには、こう打ち返すしかできなかった。
「ごめんなさい、まだ会えません…気持ちの整理がついていなくて。ごめんなさい」

毎晩来ていたメールは、そのうち二日に一回、三日に一回、と減っていった。
私も、返信を打たない日が出てきた。
そして、いつの間にか、私の通勤電車に乗る時間帯が、ひとつ、変わった。

わかっていた。
悪いのは、葵でもなく、葉月でもなく、この私だということを。

年下の可愛い子二人に言い寄られて、調子に乗っていたという事実。
そのスタートが、親友であったはずの二人に、少しずつ亀裂をもたらしていった。

「3人同等」などという無茶な約束をしておきながら、いつの間にか、私は自分でそれを破った。
葵の熱情についていけなくなりかけた時、優しくしてくれる葉月にすがってしまった。

でも、それって二つとも、果たして本当の愛情だったのだろうか…?
彼ら二人が、一心に捧げてくれた純情を、自分勝手に踏みにじったのは、私。

そんな考えが、頭の中でもやもやとした煙のようなものから、次第に実体を伴ったものへと変わっていった、ある日。

私は、二人に同時にメールを出した。

「…ごめんなさい。あなたたち二人をたぶらかして、大事な時間を無駄に使わせてしまったのは、この私だと言うことを、やっと悟りました…。

私の部屋へ来てくれた時に、二人は帰りながら気を遣ってくれましたね。
…私にできるお返しは、このまま会わずにお別れさせてもらうことくらいです。

電話番号も、メアドも、変えます。部屋に来ても、入れてはあげられません。
…全ては、私が悪いのだと、やっと気づきました。ごめんなさい。

…でも、3人で過ごした日々は確かに、とても楽しいもので…決して、忘れません。みさと」

さすがは、エリート高校生と言うべきか。
このメールを送信してから、ぴたりと、私と彼らとの接触は切れた。

そのあと程なく、私は上司から紹介された、取引先の男性とお見合いをした。
「今時、お見合い~?」とからかう友人もいたが、地味な私には他にチャンスもないし、何より両親と祖父母が喜んでくれたので、お会いすることにした。

私と比べて2つ年上、というその人は、眼鏡を掛けて、ちょっとふっくらしてて、でも清潔そうで…
何より、いつ会ってもニコニコしている人なのが、気に入った。

もちろん、葵や葉月みたいなイケメンじゃないけど、でも、あの二人のようなエッジはない。
家庭って、こんなものなのだろうな…と、自然に思えるような人。

話はとんとん拍子に進み、瞬く間に、私とその人は結婚した。

ハネムーンベビーを授かり、お医者様へ通い、いろいろ様子がわかってくるうち、私は、ある事を思いついた。

旦那様には、内緒で。

次の年の、元旦。

「おいっ!葉月っ!美郷さんから、年賀状来たぞ。見たか?!」

葵のけたたましい声が、寝ぼけた葉月の耳元で響き渡る。

名峰学館の大学部へと、内申を通って無事に進学した二人は、葵が経済学部、葉月が工学部と分かれた。
とはいえ、結局二人してアパートの同じ部屋を借り、まあ…ご想像に任せるような生活を…送っている。

「見るわけ、ないだろ…葵…。俺、今まで、炬燵で…うとうとしてて…」
「とにかく、見てみろよ!これっ!」

葵の突き出した一枚の年賀状には、懐かしい美郷さんの顔と、よくわからんおっさんの顔と、それから…おそろいのピンクのおくるみで抱っこされている、双子ちゃんの写真がプリントされていた。

「え、えええ…もう、美郷さん、子持ちかよ?!」
「それも、だけど!一番下の、名前の所、見ろよ!!」

美郷さんの隣にいるおっさんの名字はどうでもいいとして…
双子ちゃんの紹介文を見て、葉月は、絶句した。

「可愛い、女の子の天使が二人、我が家にやってきました。よろしくお願いします。」

♪ あおい(0歳)、はづき(0歳) ♪

「な?だろ?だろだろ?!」

「美郷さん…俺らの事、忘れて、なかった。…嫌って、なかった、んだ…」

「そうさ!じゃなきゃ、一生家族でいる娘二人に、俺らと同じ音の名前なんか、付けないだろ?!」

「…しかも、これ、美郷さんが…他人にバラしてなけりゃ、彼女と俺達だけの…秘密、だよな…」

今年の元旦は、日本晴れ。
美郷さんが年賀状に込めた悪戯納めの年も明け、葵と葉月にも新しい一年が訪れる。

長方形の炬燵に並んで座りながら、葵は喜色満面で、葉月はうるうると涙目で、同じ一枚の年賀ハガキを見つめていた。

(おしまい…です。長文おつきあい多謝!)

2013年1月19日土曜日

(追悼)大島渚監督

私の学生時代に「戦場のメリークリスマス」で、
デビッド・ボウイと坂本龍一、ビートたけしをキャスティングした方。

この3人がいまだに好きなので、当時思春期の私としましては
「うおおお~、監督、私を殺す気ですか!?」と、マジ狂乱しました。

そして、社会人になった私が見た「御法度」
こちらのキャスティングは、松田龍平に武田真治。
「うおおおお~、監督、私を何度殺したら気が済むんですか!?」と、こっちも狂乱。

女より、女のツボを心得たキャスティング、私にはそれだけで尊敬に値します。

そして、ラストシーンが絵のようで…美しい映像美。
「戦メリ」では、夜、ボウイが首を出して埋められている所に飛ぶ、白い蛾。
「御法度」では、ビートたけしが暗闇の中で、散り咲く桜の木に向かって刀を振る。
雑誌のグラビアのように、印象的です。

その後の、坂本さんとたけちゃんの映画への関わり方を見ても、
大島渚という人の、眼力の凄さ。
当時は、誰もそんなこと、思ってなかったのに。

本当に、本当に惜しい方を亡くしました。
合掌。

2013年1月14日月曜日

(健全)ぼちぼち…

3人組のお話にも、出口が見えてきたような気がしています。
しかし、まだイメージがもやもや状態で、文に起こすのは難しい。
ラストは考えてあるんですけど…

唐突ですが、今日は久しぶりに雪が降りました。
あしたは職場で雪かきだぁ…
はっきり言って、嫌です!

今日一日ただでさえ、家に引きこもってストレスためてる性格なので。
あー、車でもぶっとばしたい気分です…うう~。
(でも運転は下手だ!)

2013年1月12日土曜日

ぼくたちの美郷さん(13)★18禁

 私が目を覚ましたとき、カーテン越しに、もう日は高くなっていた。

隣では、夜通し愛し合ったのか、葵と葉月が身を寄せあうようにして、眠っている。
子犬みたいに。

…昨日は、恥ずかしい事から、優しくされたことまで、いろんな事があった気がする。

休日前とはいえ、年上の身には、なかなか…こたえてしまう…正直、ね。
心は、二人と同じように「したい」のだけど…身体が、ちょっと、ついていかない。

そういう意味でいくと、内緒だけど、今の私の体調からは、葉月と過ごす方が合っている、みたい。
葵も、とても刺激的で、燃えてしまうのだけど…若さのギャップを、時折、感じる…かな…。

パジャマも羽織らずに、私はお手洗いを使って、鍵を開けて出ようとした時だった。

「…ごめん、堪忍して…」
ドアをそっと開けて、すり抜けるように、葉月が入ってきた。

「…!!」
「もし、嫌じゃ…なかったら、静かに…してて?…俺、やっぱり、美郷さんとの、昨夜の事、引っかかってて…」

私と同じく、何も身につけていないまま、葉月は言う。
そうして、後ろ手に、ドアの鍵をかちゃり、と回して閉めた。

「だ、だめよ…私、いま、綺麗じゃないし…」
「俺が、綺麗に、してあげる…座って、脚、開いて…」

朝早くから、こんな狭いところで、跪いた葉月の口元から、淫猥な水音が響く。
…ああ、どうしよう…いい…すごく。

力が抜けた私を起こして、今度は、葉月が座った。
いつの間にか、葉月のそこは、すっかり勃ってしまっていて、避妊具の箱まで用意してある。

…そして、私の身体も…すっかり、受け入れる準備が、整っていた。
待ちきれないように、葉月の動作の一部始終を見つめてしまう。

「そんな、見られたら…つける、前に…いっちゃう、だめ…美郷、さん…」
小さな声で、でもはっきりと、葉月は言う。

「…でも、葉月の、そこ、見てたら…早く、入れて、欲しいんだもの…」
あ、私ったら…何てあけすけな事、言ってるんだろう…。
でも、本当に…欲しい。
入ってきて、いっぱいになって、溶け合って、そして…

そんな事を妄想しているうち、また…濡れて、くる。
あふれた分が、少しずつ、腿を伝っていくのが分かる。

「脚、うんと開いて…来て…?俺に、跨って、ね…美郷さん…?」
「うん、…したい、…したいわ…葉月っ…」
突き通されるように、私は、葉月と交わった。

…いいっ。
「あん…ああ…っ…」
「駄目、そんな…声、出しちゃ…」
「だ、だって…葉月の、良すぎる…の…っっ」
「声、出さないように、しちゃう…よ?」

一番感じるところで繋がり合ったまま、葉月は私にキスをして、口を塞いだ。
舌が、絡まってくる。
口の端から、唾液がこぼれてしまうような、激しい動きで。

同時に、私の腰をつかんで、彼にしては強引に、揺すぶってきた。

私は、欲望の持って行きようがなくて、ぎゅっと葉月に抱きつく。
すっかり固くなって、触られたくてたまらない乳首を、彼の胸にこすりつける。

そして…恥ずかしいけれど、自分からも、腰を、使い始めた。
感じてくれたみたいで、葉月の動きが、いっそう激しくなってゆく。

心の中で、私は、嬌声にも似た叫びを上げ続ける。
(ああんっ、はづき、はづきぃ…っ、すごいの、すごくいいっ、はうっ、も…いく、私…)

静かな、狭い密室の中で、葉月と私は、心も体も開き合い、溢れ合うまで…楽しみ続けた。

二人とも、いった、その時。

ドンドン!

お手洗いのドアが、荒っぽくノックされた。

外から、いらついた声が聞こえる。
…葵の声が。

「あのー、俺もトイレ入りたいんですけどー、いつまで待ってればいいんですかねー、お二人さん?そんな狭い所に二人して閉じこもって、長いこと、何やってるんです?」

いつもより、葵の言葉使いは妙に丁寧で、いわゆる「慇懃無礼」という感覚。

一瞬、私と葉月は視線を合わせ、そして、ドアを静かに開けた。

今更、嘘をつくつもりはなかった。
静かに、私は事実を告げる。
葵の目を、しっかり見ようと心を奮い立たせて。

「…セックス、していたのよ。…私と葉月で」

3人の間に、刹那の静寂が訪れ、その直後、葵は葉月の左頬を殴っていた。
少し、葉月はよろけたが、それでも、あえてよけようとはしなかった。

「…どうして?!葵!昨夜は、貴方としか、私、ちゃんとしてなかったのよ?葉月は、貴方と私がセックスしてるのを、見せつけられていただけだったのよ?…なのに、今、同じ分だけ交わった私と葉月を、どうして…殴れるの…?それに…殴るなら…私も、殴れば、いいじゃない…っ」
情けないけど、私の声は、最後の方で涙が混じってしまった。

「…好きな、女の人を…殴れるわけないよ。美郷さん…」

「こんな時だけ、女扱いで独りぼっちにしないで、葵。私たち…3人、一緒じゃないの?」

「俺が寝てる間に、布団の中でもトイレでも、見境なく、つがっていてか?葉月!」

「好き、なんだよ…俺も、美郷さんを、お前と、同じくらいに…だから、欲しかった。だから…葵に、弁解は、しない…俺には、できない」

私たちの間を、初めて、苦い沈黙が支配する。

二人は、黙って服を身につけ始めた。
…私は、とてもそんな気にはなれなくて…そのままの姿で、支度をする二人をぼうっと見ている。

「今日…騒いでしまったことは、謝ります。美郷さん」
「寮に、帰ったら…二人で、頭を冷やして、話し合う、ので…」

な…何よ、それ!
結局、二人の世界が勝手にできていて、私はその中に入れない、それが事実じゃない!

「そんな、綺麗事なんて…聞きたくない!ここで修羅場にでもなった方が、私…あなたたちの事、きっともっと、好きになれたのに!!ばか!!」

閉まろうとする玄関のドアに向かって、私はカウンターキッチンにあったグラスを投げる。
グラスは、私が狙ったとおり、出て行こうとする二人には当たらず、ドアにぶつかって、いくつものかけらと化す。

…あの二人ったら、戻っても、来やしない…。

部屋の布団の上に、ぺたんと座り込んで、それから私は、しばらく泣いた。

(つづく…風向きが、少々変わって参りましたな…)

2013年1月11日金曜日

ぼくたちの美郷さん(12)★18禁

すっかり、葵に翻弄されてしまって、結局二つのお布団で、3人して眠ることになった。
葵は、私を抱き疲れてしまったのか、健やかな寝息を立てている。

私もやっと熱っぽさが取れて、うとうと…と、まどろみ始めた頃。
「…美郷、さん。…寝ちゃった…?」
反対側から、小声で葉月が話しかけてきた。

「…大丈夫、美郷さん。今夜は二回もしたから…もう、俺、しないよ。…でも、抱いて、寝たいんだ。…だめ…?」

うわ。
葉月、初めて会った時より、すごく口説き度がレベルアップしてる…っ。

「…本当に、何もしない?」
つい、私もひそひそ声になってしまう。

「うん。…来て…?」
お布団の中で両手を広げて迎えてくれる葉月の胸の中へ、そうっと私は忍び込む。

…そうよね。
二人で一度、葵が二度目、だから…葉月とも二度目で、フェアだわよ、ね…

こわれ物を扱うように、大切に、葉月は抱いてくれた。
今日も、肌が熱くて、気持ちがいい。

「…美郷さん、やわらかい…そうっと抱かないと、溶けちゃいそう…」
「ばか…。どこで、そんな殺し文句、覚えてきたの?」
「男子寮で、覚える、わけない…美郷さんの、身体が、俺に…教えるんだ…」
「そういうのを、殺し文句って、いうのよ…葉月ったら…」

ただ抱き合って、肌を重ねながら、小声でおしゃべりを楽しんで。
それだけなのに、葉月が、私を芯から想ってくれているのがわかる。

葵のように、激しいのも、好き。泣いちゃうくらいに。
でも葉月みたいに、ゆっくり、ずうっとこうして抱きしめ合っているのも、好き。
…ずるい女、だわ。私。

「この、まま…寝ちゃいたい、な…」
葉月が、私の目をまっすぐ見て、言った。
思わずうなずきそうになるのを、ぐっとこらえて、私は拒む。

「だめよ。葵が、やきもちやいちゃう。私たち、3人でいつも一緒でしょ?だから、眠る時は、一人ずつよ。…あ、でも」
「…?」
「葉月と葵が一緒に寝る分には、私、やきもちやかないから。心配しないで、ね?」

そう言って、片目をつぶると
『…み、美郷さんっ!』
私の両隣から、あわてふためいた声が揃って聞こえた。

「あら、葵、起きてたんじゃない。たぬき寝入りしてたの?…可愛いのね」
「ぬ…盗み聞きは、趣味が、悪い…葵」
「ちーがーうっ。何かひそひそ聞こえてくるから、目が覚めて、そしたら、葉月と美郷さんがいちゃいちゃしてたから、気になったのっ!」

「…はいはい、ごめんなさい。でも平気よ、肝心な事は3人揃った時にしかしないんだもの、私たち。それより…せっかく起きたんだから、今夜まだ、してなかったあなたたち、今から…しちゃったら…?私は、もうくたくたで眠ってしまうけど、二人は…まだ、できるんでしょ…?」

半分構いながらけしかけると、葵も葉月も、お互いをちら、と見ながら、あっという間に顔を真っ赤にしていった。

「…図星、ね?おねーさんには、何でもわかっちゃうんだから。じゃ、私、乾いてきた方のお布団に、タオルケットを敷いて寝るわ。二人は、身体が大きいんだから、真ん中と端っこの、二つのお布団を使って?…じゃ、おやすみなさい…」

本当に、もう私の身体は、乱れた記憶と、温かな満足とで、十分だった。

クローゼットの中にある、クリーニングのビニール袋から出した夏物のタオルケットを、さっき葵と激しく抱き合った敷き布団の上に敷いて、私は眠った。
男の子二人に、背中を向けて。

…だって、見えたり聞こえたりしちゃったら、きっと、眠れなくなる…

今回の予感は、珍しく、的中した。
私は、さっそく、寝られなくなってしまった。

理由は…決まってる。
葉月が、優しいけれど容赦なく攻めて、葵が、甘い声を上げていかされ続けたから。

お布団のきしむ音から想像するに、かなり激しく、いろんな形で愛したみたい…
ちょっと、私には言えないようなすごい言葉も、だいぶ聞こえてきた。

そして、私が驚いたのは、相手を呼ぶ声。
二人とも、相手の名前を呼ぶ時の声が、ぞくぞくするほど、いい。
気持ちをいっぱいに込めて、いとしいと思いながら、呼んでいるんだろうな。

その「名前よび」だけで、私はタオルケットをちょっと蹴りながら、もじもじした。
私も、二人にあんなふうに、呼ばれているのかしら。

そう…二人が私を呼ぶ声も、いつも、優しい。
待ち合わせ場所で会ったときも、激しい行為の最中も、そっと抱かれる時も。

…嬉しいな、私って、幸せなんだ…。

二人の熱っぽい声がだんだん遠くなり、私は、そのうち眠ってしまった。

(つづく)

2013年1月10日木曜日

(健全)閑話休題…

すいません、美郷さんたちは、下書きのネタ切れで、今回はなしです。
3連休あたりをお待ち下さい。

さて、当ブログの履歴(もち、お客様は不明になってます)を拝見しておりまして、びっくり×2つ!

その1。
美郷さんとこの(8)が、現在ダントツで首位であります。

うーん、皆さん、男の子同士に寛容なのでありましょうか?
「百合」をうたっておきながら、全然違う話ばっかり書いてる身としましては、いーんだか悪いんだか…。
私、この(8)が、いっちゃん引かれると思って書いたので、意外や意外、です。

その2。
マンサン休刊の報に、すごく反応が速いのです。

同士よ!おいらは嬉しいぜっ!!
コミックスはまだ出版が続くそうですので、ちょっとそれも嬉しい話ですね。

あー、あと一日働けば、3連休が待っている…
正月休みを、未だにぐずぐずとひきずっておりますよ。とほ。
それでは、次回に!

2013年1月8日火曜日

ぼくたちの美郷さん(11)★18禁

玄関先に、脱ぎ散らかした3人分の服を置いたまま、私は今度は、葵にお姫様だっこをされて、布団を敷いた部屋へ移動した。

「恥ずかしかった?美郷さん」
顔をのぞき込むように、葵は聞いてくる。

「…やん、知らない…っ」
怒ったふりをしようとしても、顔がますます赤くなってきて、ばれちゃう。
…すごかった、から…。

私、自分が二人としてる時、あんな表情してるなんて、知らなかった。
もっと、嫌そうな、痛そうな顔…してると、思ってた。
それか、思い切り、だらしのない顔とか。

でも、さっき姿見に映っていた自分の顔は、どれでもなかった。
泣きそうで、すがりつきたくて、でも、とても気持ちよさそうな、微笑みにも似た表情。
…ナルシストじゃないけど、あんな、色気のある顔、できるんだ…って、思った。

思い出すと、身体が震える。

「…寒い?ごめんね」
葵が、心配そうに、私を布団に横たえる。
上から、葉月が神妙な顔をして、掛け布団をふわりと乗せてくれる。

そんな二人が、さっきの大胆な行為とあまりに違っておかしくて、私はくすくす…と、笑ってしまった。

「え、俺達、何かヘン…?」
慌てたように、葵が聞く。
「無茶、しすぎた、かも…」
心配そうに、葉月が葵を見やる。

「…違うわ、違うのよ。…ね、二人も、お布団、入って…」
やっぱり、この二人って、あどけない所がある。
それが、好き。
さっきまで、私を泣きじゃくらせていた二人とは、別人みたい。

「えと、そういう…事なら、じゃ…お邪魔、します…」
と、照れながら私と同じ布団に入ろうとした葉月に、
「違うだろーっ!何のために、布団3組用意してもらったと思ってんだよっ。別だっ、別!」
葵は、思いっきり叫びながら、葉月の頭を後ろから殴った。

「いってぇ…、たまたま、間違えただけ、だろ…」
「いや、お前は確信犯な時が結構多いからな、俺は信じねーぞっ!」

「…ん、じゃ、葵は、どっち側の布団、借りる…?美郷さん、センターだし…」
「俺は、右だな」
言い放つ葵に、葉月はむっとして
「お、おれも右…」

「よっし、じゃんけんで決める!」
「了解…!」
『最初は、グー!じゃんけん…』

揃って声をあげる二人が、あまりにも漫才コンビ化しているので、私は
「あーっ、もう、ストップ、ストップ!」
と、続きを止めた。

「くっくっくっ…ねえ、あなたたち、寮でもそんなに面白いの…?名峰の子って、エリートだって聞いてたけど、みんな、あなたたちみたいなの?…何だか、さっきまでの、玄関先での出来事が、嘘みたいで…おかしくって…」

「あ、いや、その…すいません、美郷さん…。ムード、ぶちこわしで…」
「違うのよ、葉月。怒ってなんかないわ。ただ、面白すぎるのよ、二人とも…」

「んー、俺は、名峰学館の中でも、チャラい方だって言われます。で、葉月はむっつり、と」
「…俺のことは、余計、だと思う…否定、しないけど…」
もう我慢できなくなって、私は、二人の会話にプーッと吹き出してしまった。

「わかった、わかったから…もう、お布団に入って?…でも、どうして右側なの?」
「それは、右の布団で寝たら、美郷さんの右手と、手をつなげるでしょ?だから」

「え?葵、左手じゃダメなの?」
「だって、美郷さんは右利きでしょ?お布団の中で、指をこちょこちょして遊んだりできるのは、やっぱ右手じゃないと」
「…葵は、違う所まで、くすぐりそうで…心配だ」
真剣に言う葉月がまたおかしくて、私はケラケラ笑ってしまう。

「んもう…じゃあ、時間制で交替するとかして、とにかく二人とも、お布団に入りなさい。玄関先で、あんなことしたんだから…早く暖まらないと、風邪引いちゃうわよ?」
さんざん騒いで、結局交替制で、葵が先に右を取って、揃って横になった。

ああ…今夜は、静かだな…。
外もだけど、私の心の中も、不思議と落ち着いている。

自分の部屋に、二人が、来てくれたからかしら。
それで、安心してるのかもしれない。

右側の布団から、葵が、そうっと手を伸ばしてきた。
女の子に慣れてるようで、実はデリケートな彼の気持ちが、触れた指から伝わってくる。
ゆっくり力を込めて握ると、ちょっとびくっとして、それから、同じように握り返す。
…可愛いわ、葵。

そうしたら、あまり間をおかずに、葉月の指が、私の左手を探る。
ここよ、と指を伸ばしてあげたら、ふうわりと掌を全部包み込んだ。あったかい。
指先でちょんちょん、とつつくと、寡黙だけど優しい彼らしく、指を撫でてくれる。
…嬉しいな、葉月。

ふうっ、と私は静かに息を吐く。
3人して手をつないで、激しくなんかないのに、心もつながっていくのが、わかる。
今夜は、このまま、眠っちゃおうかしら…。

…こういう場合、私の予想は、まず間違いなく外れる。

来るかと思えば来なくて、ないかと思えば、とんでもない事になる。
今夜も、さっきすごかったから、もうないかしら…と思っていたら、とんでもない。

「今日は、布団で広いし…俺、最近美郷さんとひとつになれてなくって、正直言っちゃうと、欲求不満だったんだ。おいしい所は、葉月にもってかれちゃうしさ?…ね、しよ?」
直截的な口説き文句で、葵は、私を布団の中で抱きすくめる。

「…ずるいぞ、葵…」
「だって、本当だろ?葉月も、たまには美郷さんと俺がするの、見る側になってよ」
え…た、確か、葵って、葉月にされる方の側じゃ、なかったっけ…?

「お願い、美郷さん…。俺、またあなたがすごく感じてくれる、あの場所に…行きたい」
その一言で、私は、瞬く間に、葵とした時に彼が探してくれた、淫らな一点を思い出す。

始めた途端に、葵は、掛け布団をはいで、何もかも葉月に見せつけてしまった。
「あ、うそ…っ、ねえ、葵、恥ずかしいわ…こんなの…」
こういう展開になってしまうと、自分の部屋でしている、というのが、たまらなくいやらしく感じられて…ああ…っ、内緒…だけど、感じ…ちゃう…。

触られたり、舐められたりしている、私のその一点を、葉月は痛いくらいに見つめている。
…だめっ、だめよぉ、そんなに…見ちゃ…だ、め…

「…すごく、いやらしい目つきしてる…美郷さん」
「やだっ、葵ったら…そんな、こと…」
でも、否定できない自分がいる。
久しぶりに、見られながらの一対一でのセックスは、前よりも私を興奮させた。
「もう、潤滑剤、いらないよ…ほら」
葵の指先が、これから彼を迎えたくてすっかり濡れているそこを、くちゅ…と撫でる。

「ああんっ!…ね、いじめちゃ…いや。…もう…はやく…はやく、きてぇ…っ」
自分で聞いても、耳をふさぎたくなるくらい、淫乱で、甘ったれて…正直な、言葉。

葉月…こんな私を見て、興奮してくれてるのかしら…
なんて、今から入ってきてくれる葵と違う男の子のことを考える私って、最低…?

支度を調えた葵が、彼の言うとおり久しぶりに、私の中へ入り始めた。
「はぁ…んっ!」
「うわ、たまんない声…俺達、すっかり、やらしくなっちゃったね…」
「…うん…」

私の髪を解くように触りながら、葵と私はキスをする。
何だか、すぐにはやめたくなくて、私も葵の頭を抱くようにして、髪を撫でた。

葵は、キスを長く続けながら、それと同時に、少しずつ、少しずつ…入ってくる。
キスの向きを変える時、一瞬、唇が離れる。

その時、小声で葵は「あったかい…それに、すごく、キツくなったね…美郷さん?」
「や…」
私の反論を封じるように、再び、葵はキスしてくる。

知らず知らずのうちに、私は両脚を曲げて、膝で葵の身体を締めるように抱きつく。
葵だって…前より、キスが上手になって、入ってくるそれも…大きくて、すごい…

そんな風に、伝えようと…思ったのに。
だから、身体で伝えていたみたい。

やがて、私たちは、二人だけの秘密の甘い場所へ再び、たどりつく。
そこから先の、葵と私とのセックスは…前までの、比じゃ、なかった。

葵が片手を伸ばして、私の両手首を拘束する。
私はどこも触れることを許されず、ただ、腰を揺らして感じ続けるだけ。
それから、恥ずかしい姿をさらして、声をあげ続けるだけ。

自分でもどうかしらと思ったけど…抵抗する声も、そうする気も、全く起きなくて。
ただもう、葵のいいようにされながら、自分もいけるところまでいきたくて。

…ほどなく、私が激しくいってしまったせいで、葵に貸した分のお布団は、使えなくなってしまった。

(つづく。…もう、勝手にやってなさい…)

(まんが話)マンサンが休刊しちゃう~

「漫画サンデー」という、おっちゃん向けの雑誌をご存じない方でも、
「静かなるドン」って漫画が載ってたやつですよ、というと「あー…」と思われるかな?

残念ですねー。
成人向きの漫画雑誌が、またひとつ、休刊しちゃうなんて。
ドライバーさん御用達のラーメン屋さんなんかに、でんっと積んであって、
おなごには「読みたい、けど手を出しにくい」という、一種禁断の世界。
「出直してきな、ねーちゃん」みたいな雰囲気がねぇ、ドキドキしたもんです。

「静かなるドン」終わっちゃったからかな…。
ちょっと前、中山ヒデちゃんで映像化されましたよね?
昼間は女性下着メーカー「プリティ」で働くダメ社員、
でも夜の顔は、サングラスに白スーツでビシッと決めた、組長「近藤静也」。

このねー、「昼と夜は別の顔」ってのに、すっげー憧れましてね、一時。
ま、私も昼は本業、夜はこちらで18禁書いてますが、夜は趣味ですし。

私的には、ヒデちゃんより、スギちゃんで…どうか、リメイクしてほしいです。
体格的にも、キャラ的にも、合いそうじゃないですか?

それからー。
おっちゃん雑誌が売れなくなってるって事は、大人が子供の漫画読んでるってことね?
うーん…今後は少子高齢化だしさ、大人の漫画がもっと読まれる世の中になってほしい。
出版社さん、がんばってくださーい!

今回はマンガ話ばっかりになっちゃいましたね~。
それでは、次回は18禁に戻って(戻るんかよ…)またっ!

2013年1月7日月曜日

ぼくたちの美郷さん(10)★18禁

次に会おう、とメールが来たのは、二週間空いた週末。
正直、どんな返事を返したものか…私は、迷った。

理由は、二つ。

男子高校生をあっちこっちのホテルに連れ回していては、いずれ学校にバレてしまわないかしら、という不安。(そうでなくても、外泊多くさせちゃってるのに)

もう一つの理由は、とても現実的な問題なんだけど…お給料日前で、私は現在、手元不如意。
カードも、これ以上切ると、キャッシングに入りかねない危ない状態。

悩んでも結論が出ないので、とりあえず、二人に会って、相談することにした。

二人は、コーヒーを飲みながら、けろりと言う。
「じゃ、美郷さんの部屋じゃ…だめ?」
「え…と、お布団…ある…?」

「ま、まあ…お客様用が二組あるから、私の普段使ってる布団と合わせれば…」
「それって、ホテルのベッドより広くない?ラッキー♪」
葵は、無邪気に喜んでいる。

「あの…あとね、笑わないでほしいんだけど…私、今まで男の人を部屋に上げた事がないの。だから、何だか…緊張しちゃって…」
「可愛い…」
葉月の短い反応に、かえって恥ずかしさが増してしまう。

「周りの部屋の人とか、大丈夫?声が聞こえちゃうとか…」
葵の言葉に、顔を一気に染めながら、
「あ…それは、平気だと思う。真下の部屋は空室だし、お隣は…新婚さんで、私の方が時々、困っちゃうくらいだから…」

「オールクリア、だな?葉月」
「…ん」

というわけで、一度寮に帰って着替えた二人を、私が最寄り駅で迎える段取りができあがってしまった。

「わ…綺麗だね、美郷さんの部屋」
「いい匂いが、する…」
「何かお前、いちいちスケベっぽい感想言うよな~、葉月」
「だって…本当だろ?学寮の、むさくるしいのとは、ワケが、違うぞ」
「そもそも、比べんなよっ!違いすぎるんだからっ」

あ…二人とも、初めての時、みたい。
口数が、いつもより多い。緊張してる、のかな?

二人が部屋の探検をしている間、私はクローゼットから、来客用の布団を二組出して、支度を始めた。

「ね…何で、布団、二組もあるの…?普通さ、一組じゃない?スペアの布団って」
「あのね、言ったでしょ、葵。私は、ここに男の人を呼んだこと、ないの。女友達3人くらい呼んで、缶のカクテル飲みながら、きゃあきゃあするくらいが関の山なのよ」

「じゃあ、さっきの話通り、俺達二人が、初めてここに来た男ってことかぁ…」
二人して、じーんと感動している間に、私は、照れを隠しながら布団の支度を済ませた。

「…美郷さん?」
急に葉月が体をかがめて話しかけてきたので、私は、びっくりして振り向いた。

「玄関、入って…すぐ、大きな姿見、あるでしょ?…あそこで、…したい」
「ええっ!そ、そんなの、身体が全部、見えちゃうじゃない?」
「だから…したい、んだ。…美郷さん、どれくらい、乱れるのか、自分で…見て…」

葉月ったら、時たま、こういう刺激的な事をぼそっと言ってくる。
でも、そんな所、嫌…じゃ、ない。

「葵…電車で、打ち合わせした通り、…下の方、頼む…。お前、上手いから…」
「了解。じゃ、葉月は上の方で。しっかり、押さえてあげて。かなり、美郷さん感度いいから、動いちゃうと思うよ」
「ん…」

え?何?二人でぐるになって、何を企んでるの?
…恥ずかしいことなんだって事は、わかるんだけど(バカ…私ったら)

とまどっている間に、今敷いた布団の上で、私は二人に同時に、服を脱がされた。
上はワインレッドのブラだけ、下は…お揃いのショーツと、どうしてか、そのうえにパンストをはかされたままにされる。

無防備な姿で身体を隠す私を、葉月がひょいとお姫様だっこした。
玄関マットの所まで運んでいって、そっと、下ろしてくれる。

下着姿の自分をこの鏡に映したことはなくて、恥ずかしい。
いつもは、制服や外出着をチェックするだけなんだもの…

「ごめん、ちょっと…今夜は、大胆に…させて…?」
私の背後に立って、耳元で囁いた葉月は、勢いよく、私のブラのカップを下げた。
後ろのホックを外さないまま、鏡の向こうで、私の乳房が二つ、露わになる。

「やぁ…んっ!」
ブラを全部外されるより、胸だけが強調されて、かえって淫らな光景。

葉月は、乳房全体を持ち上げるようにしながら、すっかり尖って震えながら待っている乳首に、指先で甘く刺激を加えていった。
腰が抜けそうになる私を、後ろで支えてくれながら。

「…美郷さん、ごめん…ね」
下から葵の声がしたかと思うと、信じられない光景が、鏡越しに広がる。
葵が、パンストのクロッチのあたりを、びりびりと破き始めたのだ。
その下の、ブラとお揃いのショーツが、大きく破れた裂け目から、すっかり見えてしまう。

「やだっ、葵、何するのぉ…、だめよ、お願いっ、そんな…やらし、すぎ…」
私の泣きそうな声を聞こえないふりしているのか、それとも、自分のしている行為に夢中なのか、葵は、ちっとも聞いてくれない。
ショーツを下げずに横へぐっと寄せて、私が一番葵にしてほしい場所を、さらけ出す。

「ああ…ん、…ばかぁ…。い、いや…、いやいや…っ!」
しばらく、わざと開いて鏡に映してみせてから、葵はショーツを寄せたまま、私のすっかり艶めいて張り詰めたそこを、ゆっくりと舐め始めた。

ああ…。
鏡の前で、私、二人に犯されてしまっているの…?
そして、それを心の奥で喜びながら、身体をされるがままに差し出している自分…。
つながってはいないのに、鏡に映る私たちは、それ以上に恥ずかしく乱れてゆく。

…なんて、私たちったら、淫乱なんだろう。
鏡の前で、3人が楽しみながら溺れた行為は、しばらく、続いた。

(つづく。…帰ってこい、この3人組~)

2013年1月5日土曜日

ぼくたちの美郷さん(9)★18禁

…それにしても、若いなあ。
十代の男の子のエナジーに、私は、感心すらしてしまった。

二十歳過ぎだった、私の初めての時は、こんなに、激しくなかった…もの。
でも、そういうものだと、思っていた。
今日までは。今の、今までは。

一晩に何回もできちゃいそうな葵と葉月の勢いは、真実、若さそのものだったんだなぁ。

あー、おねーさんも、トシかしら?
…などと考えている間に、ベッドの上では、役割交代も終えて、早くも二度目に突入していた。

葉月が、葵を丁寧に舐め上げた後、仰向けに寝ている葵の上へ、跨っていくところ。
えーと、その、言うの、恥ずかしいですが…騎乗位、っていうやつ、ですか?

「…はぁ…っ…!」
攻めているはずの葵が、切なく色っぽい声を上げながら、葉月の中へ入っていく。

「ん…っ」
寡黙な葉月も、葵のそれを迎え入れて、やっぱり、感じずにはいられないらしく、短く声を出す。
それもまた、艶っぽい。

二人と寝たことがある私は、見た目のイメージほど、体格や身長に差がないことを知っている。
だから、今回の組み合わせも、きっと激しく淫らなものになるだろう…そう、予測した。

そして、予測は見事に的中。
葵は、私の時と同じように、葉月の中で一番感じる一点を探し、突き上げ続ける。
葉月は、その快感に必死で耐えながら、腰を動かして葵を翻弄していった。

うわ…たまんない。
見てる私の身にも、なってよぉ。
今着てるこのガウン、二人のおかげで何回、濡らしたと思ってんの…っ。

それでも、なお、私は二人の行為の一部始終から、もう目が離せなくなっている。

だから、二人が二度目を済ませた時、私は、我慢できずにねだっていた。
「ねえ、お願い…私も、私も二人と一緒に…したいの…、今、すぐに。…だめ?」

ああ、だから目が離せなかったんだな、と、その時気づいた。
私は、目の前で続けている二人と、一緒にしたかったんだ、と。
置いてけぼりをくうのは、寂しくて、悲しくて、欲求不満になっちゃう事なんだ、と。

…無論、二人は、私の申し出を受け入れてくれた。
嬉しい。

「でも…中に入って3人、ってなると、美郷さんが上になっちゃうよ…。それでも、いい?」
「いいわ…そんなこと。恥ずかしいけど…私、いま二人と、すごく…したい…から」
「俺達二人のうち、どっちのを、欲しい?」
真っ赤になって、やけっぱち気味に、私は白状する。
「んもう…葵の、バカ。…両方に、決まってるじゃないの!」
珍しく、葉月の方が、ヒュウ、と口笛を吹いた。

結局、さっき攻める役をした葵が脇役に回り、私は、葉月に背中を見せる形で跨り、ゆっくりと、迎え入れていった。
いつもと角度が違って、こんなの初めてで、すごく、興奮する。

顔の見えない葉月に、腰を突き上げられたり、揺らされたりする度に、私は、はしたなく叫び声をあげずにはいられなかった。

髪の先から指先まで、身体のすみずみに、淫乱な血が流れていくような気がしてしまう。

恥ずかしいほど突き出た乳首を、向かいにいる葵が、舌先で転がしてくれた。
それと同時に、葉月とつながった場所のすぐ上にある、私の尖ったあの場所へも潤滑剤をつけ、泣きそうなくらいに撫で上げてくれる。

最高。…今までしたのより、もっと、最高。
避妊具越しに、あふれさせていく葉月の温かさを感じて、私は、涙をこぼしながら果てた。

そのまま、休みなく今度は、仰向けになった葵と上になった私とが、口でつながる。
お互いに反対を向き、一番感じやすい所を舐め合うようにしながら、葵はまたしても葉月に貫かれた。

葉月ってば、よっぽど葵のこと…。
なんて、考えてる余裕は、すぐに消し飛んだ。

だって…私の目の前には、葵のと葉月のと、二つも見えちゃって、困ってしまう。
葉月のものが、葵を攻めるたび、私の下で、葵はたまらなさそうに、震える。

後ろは、舐めるのがとても上手な葵が、葉月としてるせいでいつもより興奮して、私のあれを、下から…ああん、言えないくらいに…しちゃってる…っ。
さっきの、三回濡らしたガウンの比じゃないくらい…

腰を揺らすのが、3人とも、もう止められなくて。
男の子二人の方が、終わりがはっきりしてるだろうと思ったのに、今回は、私が恥ずかしいくらいに勢いよくあふれさせてしまって、終わった。

「…あの…、ごめんなさい…」
心底、しゅんとして私が謝ると、
「いや、俺達にとっては、逆にすごく名誉なことだから」
と、二人は思いの外、ニコニコしていた。

「なんたって、3Pでおねーさまに、潮を吹かせちゃったんだもん、な?」
「な…、何、それ?!」
「ん、なんと…言ったら、いいか…」
葉月が口ごもるのに代わり、葵が説明してくれる。

「おおざっぱに例えちゃえば、女の人を、射精させちゃった、くらいに感じさせる事ができた、と」
「えええ?!」
そんなの…あるの?!

「…初めて?」
訊かれて、こくん、と頷く。
「すごかったよ…たまんなかった」
や…っ、葉月も…見てたの…?
…ああ、そうよね…私、葉月の方を向きながら、いっちゃったんだわ…。

「こ、…困った…?」
私は、二人におそるおそる聞く。
これで、嫌われたくなんか、ないから。

「ううん、大丈夫だから。俺、全部、飲んじゃったし」
「いや…っ!」
いくら葵があっけらかんと言っても、恥ずかしいものは、恥ずかしい。

「見てても…気持ち、良さそうで、俺たち…嬉し、かった…すごく。…美郷さん、来て…?」
ふわり、と私の身体が持ち上げられ、ベッドに座り込むようにしながら、葉月は私を優しく抱きしめてくれる。

熱くて、気持ちいい…葉月の肌って。
私も、葉月の肩に両手を回し、力を抜いて抱きしめられた。

「なんかなー、葉月、ずるいよなぁ」
葵は、そんな私たちを見ながら、半分冗談で、すねてみせる。
「お、やきもち…?葵?」
私を抱く手に力を込めながら、葉月は、葵を構う。

「あ、だって…葵はいま、葉月に…されてたじゃ、ない…」
私が真顔でそう言うと、葵はカーっと耳まで赤くした。

「良く、なかったの?」
「い、いや、その…」
あら、いつもの葵と違って、かなり歯切れが悪い返事。

「いいんでしょ?葉月とするの…」
葵は、声にならないみたいで、口元を片手で押さえて、ん、と頷く。
わ、可愛い…。
ふと見ると、まだ何も聞いてない葉月まで、顔を赤らめ目を反らしている。

「…二人でしてる時って、声のトーンが一段、高くなるのよ。よほどいいのね…?やきもちをやいちゃうのは、私の方なんだから…」
「か…からかわないで、美郷さん…」
「からかってなんか、ないわ、葉月。本当の事よ。二人が愛し合ってる時って、とても色っぽいの」

かろうじて言葉を返す葉月より、葵の方が固まっちゃってるのは…男の子同士の時には、する側より、される側に回る方が、好き…なのね。きっと。

(つづく。以下、作者の独り言です↓)

…何ですかねー、この3人のいちゃいちゃっぷり、まだ当分続きそうです…。

現在、各キャラが書き手を離れて動きつつありまして、ちょいと仲を裂こうとすると
「ま、まだ…そんなの、いやだから…このままで」
とか言って、おのおの結束が固い。

うっ、考えたら、この3人、出会ったその日にホテル行っちゃってますからねっ!
(書いてしばらくするまで、気づきませんでした…)
さすが、18禁の登場人物ということで、まだいくつか、彼らには目論見がある気配。

長丁場になる予感、ありありです。
が、よろしかったら、気長にこの3人組を見守ってやって下さいね…。

2013年1月4日金曜日

ぼくたちの美郷さん(8)★18禁

(ご注意!)

あのですね…今回は、18禁、男女3人の上に、更にハードルが高くなります…。

だ、男子高校生同士の、えー…絡みが、入りますっっ。

なのでなので、苦手な方は、もうここで、バシッと閉じてしまって下さいませ!

(しかし…こんな禁じ手の多い話に、いったい何人の方が付いてきて下さるのか、はなはだ不安…)

                         
                       *


(まだ二人、寝てるかな…?)

眩しいと起こしてしまいそうで、シャワー室の灯を消してドアを開けたとき、私は、信じられない光景を見てしまった。

私に背を向けるような格好で、葵と葉月が、ベッドに腰掛けている。
何か、小声で話しているみたい。
顔が向き合っているから。

…すると。
手も添えないまま、二人の顔は近づき、唇と唇が重なった。

思い入れたっぷり、という感じの、キス。
かなり長めの。
そうして、しばらくして、名残惜しそうに二人は唇を離し、お互いのおでこを、こつん、と付け合った。

うそ…?
男には興味ない、って、初めに会ったとき、言ってなかったっけ…?

混乱しながらも、私の身体はその行為を見てしまった事に興奮し、身体をさっき洗ったばかりなのに、また…密かに、濡れて、しまった。

シャワー室のドアが、バタン、と音をたてて閉まる。
葵と葉月が、私の方を振り向く。

「…見た?」
葵の問いかけに、私は、ゆっくり頷く。

「ごめん…」
葉月の、つらそうな表情に、今度は首を横に振る。

「あ、あの…あのね、ただ、びっくりしちゃって。…だって、初めて会った時、二人とも、男の人にはその気にならない、って…言ってた気が、したから…」

私が、やっとの思いでそう告げると、二人は
「うん…あの言葉には、嘘がない。今でも、ね」

「でも、美郷さんと、3人で、関係を…持つように、なってから、俺達、それまで、ただの親友だと、思ってた、のに…」
「してる時の、表情とかお互いの裸とか見てたり、声、聞いたりしてるうち…何か、俺達二人とも、ヘンな気分になってきちゃって…」
と、真っ赤な顔をして、代わる代わる、打ち明けた。

「…で、キスしちゃった、と」
私が念を押すと、二人とも恥ずかしそうに、こっくりと頷いた。

「良かった…?」
カアッと、頬の赤みが一段階アップして、また、こっくり。

「…じゃ、いいんじゃない?」
「ええっ、み、美郷さんっ?!」

高校生二人は、おねーさんの思いがけない言葉に、かなりびっくりしたみたい。
…素直だなぁ。

「だって、…3人で、するんでしょ…?同性でしちゃ、ダメ…ってわけじゃ、ないんじゃない?」
「美郷さん…」
「その、代わり」

二人を緊張させないように、悪戯っぽく、私は付け加える。
「一番初めは、二人でしてる所を、私に見せて?3人でするのは、それから…ね」

すごかった。

…男の子同士って、こうやって、するんだ…。

その手のマンガや巷の噂なんて、吹っ飛んでしまうくらい、現実は激しくて。
そして、とても感じやすくて、可愛くて。

我慢できずに…私は、二人の絡み合うさまを見ながら、もう一度、濡れた。かなり。

果たして、この中に、自分は入っていけるのかしら…?
そんな不安が、頭をよぎってしまうくらい、二人は濃厚に想いを交わし合っている。

「…できない…な、学寮じゃ、こんな…こと」
「んっ…あ、ああ…っ、…うん…」

そっか、二人とも、寮生なんだ。
だから自宅の子よりも、夜、融通が利くのね…。

男子の身体のつくりのせいか、下になっている葵が、私とする時より、葉月に腰を高く持ち上げられている。
葉月の方は、葵の腰を抱え込むようにして、じわりじわりとひとつになってゆく。

「ああ、あああ…んっ!…はあ、…いいっ…いいよぉ…」
葵の声は、ちょっと嫉妬してしまうくらい、いやらしい。

「…葵…、…やっぱり、つらい、か…?」
うーん、葉月はやっぱり、優しいなぁ。

「つ、つらく…ないよ、だから…も、もっと…もっと、してっ…」
さすがは葵、たらしだわ。その誘いっぷり。

…と、こうやって見ている私そのものが、自分でも、新鮮。
私がこの二人のうちの一人ずつとしてた時も、残りの一人はこうやって見てたのかしら。

じゃあ、ちゃんと、見ておかなくちゃ…ね。
この二人の間のどこに、私が絡めば、もっと気持ちよくしてあげられるのかを。

「んっ、葉月ぃ…も、俺、そろそろ…ヤバい、から…」
涙を浮かべながら、葵は訴えかける。

「…構わない。そのまま…お前が、出す所を…見たい…んだ…」
「だ、だめだよ、葉月。そんな事したら、今夜…もう、美郷さんがこのベッド、使えなくなっちゃう、よ…」
「…でも、いかせて、やりたい…っ。…俺も、そろそろ、もう…」

聞いているうちに、私の身体は、自然に動いていた。

葉月の身体を少し、葵と離すようにする。
そして、もう弾けそうに感じている葵のそれを、そっと、口に含んだ。

「あ、ああ…っ、美郷さんっ、だめ、もう…だめだからっ、俺…ああ…んっ!」

葵のものが、私の口の中をあふれそうな勢いで満たす。
ほぼ同時に、葵と繋がっている葉月の腰も、びくん、びくん…と、揺れるのが伝わる。

…少しは、私も二人のお役に立てた、かな…?
そんな、感じ。

(つづく…って、どうなっちゃうんだよぉ、この3人は~)

2013年1月1日火曜日

ぼくたちと美郷さんの初詣(健全…今回は)

あけまして、おめでとうございますっ。
と、いうわけで。
以下、おまけであります。

                            *

葵と葉月が寮の外出届けにサインをして、待ち合わせ場所の神社に着いたら、びっくりした。
美郷さんが、着物姿だったのだ。

「わー、へー…きれー…」
と、相変わらずのんびりした感想をもらしてるのは、もちろん葉月の方。

「美郷さん、着付け、自分でできるの?!」
毎年、母親と姉がケンカ腰で着付けに大騒ぎしてるのを見慣れた葵にしたら、一人暮らしの美郷さんが着物を着てる事自体、驚きなのだ。

「えへへ…一応ね。成人式と卒業式で着物、買ってもらっちゃったから、会社の夜間教室で、着付け、覚えたの。華道とか、手芸とかやってる同僚もいるのよ。外部から講師の先生を呼んでね」
「すげーなぁ…」

「…あの、着付け方、ヘンかしら…?」
あんまり葵がじろじろ見てるので、美郷さんは気になってしまったようだ。
「う、ううん。とても綺麗に着れてて、よく、似合ってる」

「本当?二人にほめられて、素直に喜んじゃおっかな」
こういう時の、ちょっと頬を染めてはしゃいでる美郷さんは、年上だけど、ほんと、可愛い。

「…ん、と…じゃあ…3人で、した後も…自分で、着付けられるから、着物OK、と…」
真顔で、とんでもない事を口にした葉月の足を、葵は思いっきり踏みつけた。
それは、葵も言いたくてしょうがなかったのに、我慢してた考えだったから。

「まあ!男の子って、みんな同じような事言うのね。大学の時のゼミの同期生達も、そうだった」
その中に、『美郷さんのはじめての男』は、含まれているんだろうか…?
新年早々、葵と葉月はどよ~んとしてしまった。

「それより、ねえ。今日は二人とも、いつもよりおしゃれしてない?似合うわよ」

葵は、明るいパープルのダウンに、黒のウォッシュジーンズ(新品)、そして青のマフラー。
葉月は、センターオープンのグレーのカウチン柄ニットジャケットに、薄めのピーコックグリーンのコーデュロイパンツ(新品)。首にはチャコールグレーのネックウォーマー。

「そ、そうですか?…嬉しいな」
「葵。お前、妙に喜びすぎ…」
「うっさいなっ。お前だって、女の人に褒められて、嬉しい癖に、葉月っ」
「ま、まあ…そう、だけど…」
着物を褒められた美郷さんより、男子高校生二人の方が、妙に照れまくっている。

「さっ、二人とも。こんな入り口にいつまでもいないで、お参りに行きましょ?」
この美郷さんの提案には、二人とも、即、賛成した。

ちょっと並んで、木の階段を何段か上がり、しきたり通りに参拝をする。
美郷さんを真ん中に、三人で。

(何、お願いしたのかな…)
と、誰もがそわそわ気になってしまう。

我慢できずに口を開いたのは、今度は、美郷さんだった。

「ねえ、どうしても気になっちゃうから、聞いちゃうんだけど…お願い事、何にした?」
「え?」
「ん…と」

「あー、じゃあ、3人で同時に言っちゃいましょっ。そうすれば、違っててもわからないし。…じゃあ、葵と葉月と、二人で、せーの、って言って?ずる、なしよ?」

美郷さんの頼みとあらば、断るなんてとんでもない。
それに、自分も、一番知りたいことだし。

「せーの!」

『今年も、3人そろって、仲良くつき合えますようにー!』
…見事なユニゾンで、願い事の声が揃った。

「やった!」
葵は、飛び上がりそうな勢いで、大声を上げる。
葉月は、顔を真っ赤にして、頭をかいている。
美郷さんは、そんな二人を見ながら、口元に袂を当てて、本当に嬉しそうに、笑みを浮かべた。

今年も、3人そろって、仲良くつき合えますように。
あまり先のことは、考えないようにして…
今、この心の中の想いに、正直に生きられますように。

(おまけ、おしまい。)