…それにしても、若いなあ。
十代の男の子のエナジーに、私は、感心すらしてしまった。
二十歳過ぎだった、私の初めての時は、こんなに、激しくなかった…もの。
でも、そういうものだと、思っていた。
今日までは。今の、今までは。
一晩に何回もできちゃいそうな葵と葉月の勢いは、真実、若さそのものだったんだなぁ。
あー、おねーさんも、トシかしら?
…などと考えている間に、ベッドの上では、役割交代も終えて、早くも二度目に突入していた。
葉月が、葵を丁寧に舐め上げた後、仰向けに寝ている葵の上へ、跨っていくところ。
えーと、その、言うの、恥ずかしいですが…騎乗位、っていうやつ、ですか?
「…はぁ…っ…!」
攻めているはずの葵が、切なく色っぽい声を上げながら、葉月の中へ入っていく。
「ん…っ」
寡黙な葉月も、葵のそれを迎え入れて、やっぱり、感じずにはいられないらしく、短く声を出す。
それもまた、艶っぽい。
二人と寝たことがある私は、見た目のイメージほど、体格や身長に差がないことを知っている。
だから、今回の組み合わせも、きっと激しく淫らなものになるだろう…そう、予測した。
そして、予測は見事に的中。
葵は、私の時と同じように、葉月の中で一番感じる一点を探し、突き上げ続ける。
葉月は、その快感に必死で耐えながら、腰を動かして葵を翻弄していった。
うわ…たまんない。
見てる私の身にも、なってよぉ。
今着てるこのガウン、二人のおかげで何回、濡らしたと思ってんの…っ。
それでも、なお、私は二人の行為の一部始終から、もう目が離せなくなっている。
だから、二人が二度目を済ませた時、私は、我慢できずにねだっていた。
「ねえ、お願い…私も、私も二人と一緒に…したいの…、今、すぐに。…だめ?」
ああ、だから目が離せなかったんだな、と、その時気づいた。
私は、目の前で続けている二人と、一緒にしたかったんだ、と。
置いてけぼりをくうのは、寂しくて、悲しくて、欲求不満になっちゃう事なんだ、と。
…無論、二人は、私の申し出を受け入れてくれた。
嬉しい。
「でも…中に入って3人、ってなると、美郷さんが上になっちゃうよ…。それでも、いい?」
「いいわ…そんなこと。恥ずかしいけど…私、いま二人と、すごく…したい…から」
「俺達二人のうち、どっちのを、欲しい?」
真っ赤になって、やけっぱち気味に、私は白状する。
「んもう…葵の、バカ。…両方に、決まってるじゃないの!」
珍しく、葉月の方が、ヒュウ、と口笛を吹いた。
結局、さっき攻める役をした葵が脇役に回り、私は、葉月に背中を見せる形で跨り、ゆっくりと、迎え入れていった。
いつもと角度が違って、こんなの初めてで、すごく、興奮する。
顔の見えない葉月に、腰を突き上げられたり、揺らされたりする度に、私は、はしたなく叫び声をあげずにはいられなかった。
髪の先から指先まで、身体のすみずみに、淫乱な血が流れていくような気がしてしまう。
恥ずかしいほど突き出た乳首を、向かいにいる葵が、舌先で転がしてくれた。
それと同時に、葉月とつながった場所のすぐ上にある、私の尖ったあの場所へも潤滑剤をつけ、泣きそうなくらいに撫で上げてくれる。
最高。…今までしたのより、もっと、最高。
避妊具越しに、あふれさせていく葉月の温かさを感じて、私は、涙をこぼしながら果てた。
そのまま、休みなく今度は、仰向けになった葵と上になった私とが、口でつながる。
お互いに反対を向き、一番感じやすい所を舐め合うようにしながら、葵はまたしても葉月に貫かれた。
葉月ってば、よっぽど葵のこと…。
なんて、考えてる余裕は、すぐに消し飛んだ。
だって…私の目の前には、葵のと葉月のと、二つも見えちゃって、困ってしまう。
葉月のものが、葵を攻めるたび、私の下で、葵はたまらなさそうに、震える。
後ろは、舐めるのがとても上手な葵が、葉月としてるせいでいつもより興奮して、私のあれを、下から…ああん、言えないくらいに…しちゃってる…っ。
さっきの、三回濡らしたガウンの比じゃないくらい…
腰を揺らすのが、3人とも、もう止められなくて。
男の子二人の方が、終わりがはっきりしてるだろうと思ったのに、今回は、私が恥ずかしいくらいに勢いよくあふれさせてしまって、終わった。
「…あの…、ごめんなさい…」
心底、しゅんとして私が謝ると、
「いや、俺達にとっては、逆にすごく名誉なことだから」
と、二人は思いの外、ニコニコしていた。
「なんたって、3Pでおねーさまに、潮を吹かせちゃったんだもん、な?」
「な…、何、それ?!」
「ん、なんと…言ったら、いいか…」
葉月が口ごもるのに代わり、葵が説明してくれる。
「おおざっぱに例えちゃえば、女の人を、射精させちゃった、くらいに感じさせる事ができた、と」
「えええ?!」
そんなの…あるの?!
「…初めて?」
訊かれて、こくん、と頷く。
「すごかったよ…たまんなかった」
や…っ、葉月も…見てたの…?
…ああ、そうよね…私、葉月の方を向きながら、いっちゃったんだわ…。
「こ、…困った…?」
私は、二人におそるおそる聞く。
これで、嫌われたくなんか、ないから。
「ううん、大丈夫だから。俺、全部、飲んじゃったし」
「いや…っ!」
いくら葵があっけらかんと言っても、恥ずかしいものは、恥ずかしい。
「見てても…気持ち、良さそうで、俺たち…嬉し、かった…すごく。…美郷さん、来て…?」
ふわり、と私の身体が持ち上げられ、ベッドに座り込むようにしながら、葉月は私を優しく抱きしめてくれる。
熱くて、気持ちいい…葉月の肌って。
私も、葉月の肩に両手を回し、力を抜いて抱きしめられた。
「なんかなー、葉月、ずるいよなぁ」
葵は、そんな私たちを見ながら、半分冗談で、すねてみせる。
「お、やきもち…?葵?」
私を抱く手に力を込めながら、葉月は、葵を構う。
「あ、だって…葵はいま、葉月に…されてたじゃ、ない…」
私が真顔でそう言うと、葵はカーっと耳まで赤くした。
「良く、なかったの?」
「い、いや、その…」
あら、いつもの葵と違って、かなり歯切れが悪い返事。
「いいんでしょ?葉月とするの…」
葵は、声にならないみたいで、口元を片手で押さえて、ん、と頷く。
わ、可愛い…。
ふと見ると、まだ何も聞いてない葉月まで、顔を赤らめ目を反らしている。
「…二人でしてる時って、声のトーンが一段、高くなるのよ。よほどいいのね…?やきもちをやいちゃうのは、私の方なんだから…」
「か…からかわないで、美郷さん…」
「からかってなんか、ないわ、葉月。本当の事よ。二人が愛し合ってる時って、とても色っぽいの」
かろうじて言葉を返す葉月より、葵の方が固まっちゃってるのは…男の子同士の時には、する側より、される側に回る方が、好き…なのね。きっと。
(つづく。以下、作者の独り言です↓)
…何ですかねー、この3人のいちゃいちゃっぷり、まだ当分続きそうです…。
現在、各キャラが書き手を離れて動きつつありまして、ちょいと仲を裂こうとすると
「ま、まだ…そんなの、いやだから…このままで」
とか言って、おのおの結束が固い。
うっ、考えたら、この3人、出会ったその日にホテル行っちゃってますからねっ!
(書いてしばらくするまで、気づきませんでした…)
さすが、18禁の登場人物ということで、まだいくつか、彼らには目論見がある気配。
長丁場になる予感、ありありです。
が、よろしかったら、気長にこの3人組を見守ってやって下さいね…。