小学校の時に、遠足でこの公園へ来た覚えがあります。
クラスのみんなは、お弁当やおやつを食べて、広い敷地をかけまわっていました。
でも私はひとり、今が盛りと咲き誇る藤棚の真下に立っていました。
しだれて咲いている藤の花は、私に向かって下りてくるようでした。
自分に向かって咲いてくれているようでした。
その頃、家族でごたごたがあり、親類の家に預けられていた私にとって
藤の花が自分を見つめてくれているような気になり、とても不思議でした。
紫の小さな花が、葡萄のように垂れ下がって、雨のように咲いています。
(あなたは、どうして私の上で咲いてくれているのですか?)
(なぜ、そんなに静かに風に揺れながら、私を包むように咲いてくれているのですか?)
もちろん、藤の花は私の心の問いに答えることもなく、たたずんでいるだけでした。
小さかった私も、どうしてそんな気持ちになったのか、わかりませんでした。
(この紫の霧の中に、いっそ溶けてしまいたい…)
今の私なら、その程度の言葉は思いついて、口に出すことができるかもしれません。
今日の放課後、私は久しぶりにその公園へ、友達を誘って出かけました。
進学してから初めてできた友達は、思いのほか、私の誘いを受けてくれました。
ブレザーにチェックのプリーツスカート姿の二人が、薄闇に包まれはじめた公園に着きました。
私は、何も告げずに、彼女を藤棚の下へ誘うように、先に立って歩いていきました。
彼女も、黙ったまま、満開の藤が咲き乱れる中へ、付いてきてくれました。
ただ、夢のような光景。
二人して、藤棚の下に、無言でたたずんでいました。
…しばらくして、彼女は、ぽつりと言いました。
「ここで、こうやって立っていると、私たち二人、藤の花に吸い込まれて、空まで上っていって仕舞いそうね…。何て、不思議で懐かしい気分になるのかしら…」
彼女を、私一人のこの秘密の藤棚に連れてきて、良かった。
私の心に「ソウルメイト」という言葉が、自然に浮かんできました。
(終わり)
2014年6月5日木曜日
2014年5月21日水曜日
まだ生きてます(苦笑)
3ヶ月ぶりのブログ開きとあいなりました。
ま、公私ともにいろいろありまして…
どのくらいごぶさたして忙しくしてかというと、
このブログの名前、さっきまでわすれてたんですよ(爆)
でも、こうやってPCの前に座ると、すんなり思い出しました
体が覚えてたんですね…
とにもかくにも、今まで書いた拙作を読み返さないことには
続きが書けないわけで
もし奇特にも今日の文章をお読みになったかたは、
「あー、まだこのブログ、生きてたんだなー」
程度に、ぬるくお付き合いいただければ幸いです。
次の更新は6月になりそうですね…
ま、公私ともにいろいろありまして…
どのくらいごぶさたして忙しくしてかというと、
このブログの名前、さっきまでわすれてたんですよ(爆)
でも、こうやってPCの前に座ると、すんなり思い出しました
体が覚えてたんですね…
とにもかくにも、今まで書いた拙作を読み返さないことには
続きが書けないわけで
もし奇特にも今日の文章をお読みになったかたは、
「あー、まだこのブログ、生きてたんだなー」
程度に、ぬるくお付き合いいただければ幸いです。
次の更新は6月になりそうですね…
2014年2月24日月曜日
生存確認の更新(苦笑)
いや、もうここ、誰も見てないでしょうねえ。
自分も気にかけつつ、全然来てませんでしたから…
気力体力、多忙もろもろで、すっかりごぶさたしておりました。
が、ブログも私も、こうしてまだ生きてますので(苦笑)一筆啓上。
しかし、ネタは浮かばないので、今日はホントに確認の更新のみです。
すみません。
また、お話までいかなくても、つれづれと何か書きたいときは、不定期に開きますー
気まぐれに…
自分も気にかけつつ、全然来てませんでしたから…
気力体力、多忙もろもろで、すっかりごぶさたしておりました。
が、ブログも私も、こうしてまだ生きてますので(苦笑)一筆啓上。
しかし、ネタは浮かばないので、今日はホントに確認の更新のみです。
すみません。
また、お話までいかなくても、つれづれと何か書きたいときは、不定期に開きますー
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