2014年6月5日木曜日

藤むすめ

小学校の時に、遠足でこの公園へ来た覚えがあります。
クラスのみんなは、お弁当やおやつを食べて、広い敷地をかけまわっていました。

でも私はひとり、今が盛りと咲き誇る藤棚の真下に立っていました。

しだれて咲いている藤の花は、私に向かって下りてくるようでした。
自分に向かって咲いてくれているようでした。

その頃、家族でごたごたがあり、親類の家に預けられていた私にとって
藤の花が自分を見つめてくれているような気になり、とても不思議でした。

紫の小さな花が、葡萄のように垂れ下がって、雨のように咲いています。

(あなたは、どうして私の上で咲いてくれているのですか?)
(なぜ、そんなに静かに風に揺れながら、私を包むように咲いてくれているのですか?)

もちろん、藤の花は私の心の問いに答えることもなく、たたずんでいるだけでした。
小さかった私も、どうしてそんな気持ちになったのか、わかりませんでした。

(この紫の霧の中に、いっそ溶けてしまいたい…)

今の私なら、その程度の言葉は思いついて、口に出すことができるかもしれません。

今日の放課後、私は久しぶりにその公園へ、友達を誘って出かけました。
進学してから初めてできた友達は、思いのほか、私の誘いを受けてくれました。

ブレザーにチェックのプリーツスカート姿の二人が、薄闇に包まれはじめた公園に着きました。

私は、何も告げずに、彼女を藤棚の下へ誘うように、先に立って歩いていきました。
彼女も、黙ったまま、満開の藤が咲き乱れる中へ、付いてきてくれました。

ただ、夢のような光景。
二人して、藤棚の下に、無言でたたずんでいました。

…しばらくして、彼女は、ぽつりと言いました。

「ここで、こうやって立っていると、私たち二人、藤の花に吸い込まれて、空まで上っていって仕舞いそうね…。何て、不思議で懐かしい気分になるのかしら…」

彼女を、私一人のこの秘密の藤棚に連れてきて、良かった。

私の心に「ソウルメイト」という言葉が、自然に浮かんできました。

(終わり)

 

2014年5月21日水曜日

まだ生きてます(苦笑)

3ヶ月ぶりのブログ開きとあいなりました。
ま、公私ともにいろいろありまして…

どのくらいごぶさたして忙しくしてかというと、
このブログの名前、さっきまでわすれてたんですよ(爆)

でも、こうやってPCの前に座ると、すんなり思い出しました
体が覚えてたんですね…

とにもかくにも、今まで書いた拙作を読み返さないことには
続きが書けないわけで

もし奇特にも今日の文章をお読みになったかたは、
「あー、まだこのブログ、生きてたんだなー」
程度に、ぬるくお付き合いいただければ幸いです。

次の更新は6月になりそうですね…

2014年2月24日月曜日

生存確認の更新(苦笑)

いや、もうここ、誰も見てないでしょうねえ。
自分も気にかけつつ、全然来てませんでしたから…

気力体力、多忙もろもろで、すっかりごぶさたしておりました。

が、ブログも私も、こうしてまだ生きてますので(苦笑)一筆啓上。

しかし、ネタは浮かばないので、今日はホントに確認の更新のみです。
すみません。

また、お話までいかなくても、つれづれと何か書きたいときは、不定期に開きますー
気まぐれに…