2013年3月31日日曜日

出勤しなかったぞー(笑)

こんばんは。

このブログ、やっぱり本編のお話より、「つぶやき」シリーズの方が閲覧数、高い…。

なんでや?

つまるところ、天然的に私や周囲におもしろ人間が多いという事かしら。
いいんですけど。
喜んでいただければ。

不思議なのは、海外の閲覧者さんも、「つぶやき」好きが多そうな傾向が。
あの…ここで書いてる日本人(特に私ね)、一般的じゃないですから。
お間違いのないようにー。

あ、そういえば人様に教わるまで気づかなかったんですが、明日はエイプリルフール、日本流に言うなら「万愚節」であります。

自分、やらなくなって何年かなー。

個人的には、イギリスのメディアがどんなウィットに富んだシャレをかましてくれるか、楽しみ。

休日、死守。(つぶやき)

仕事を新年度に「お持ち越し」しそうで、先週は連日、夜の九時頃に帰宅。

でも、そのかいあって、(今日はやらねばならぬか…)と、半ば覚悟していた「休日出勤」を、しなくてよくなりそうです。

いや、休む。

とはいえ、事務用具とか買いに行ったり、引き継ぎ資料作ったりはしますが。

いや、でも休む。

美容院は無理だけどさ、どっかでお茶くらいしたいじゃないですか。
一人で、まったりと。

桜は散っちゃうけど、花びらくらいは浴びて歩きたいじゃないですか。
ちょっとは前を向いて、ねえ。

だから、休むー。

(宣言しとかないと、マジ職場行きかねないので、この文は自分自身へのおまじない、です)

2013年3月30日土曜日

恋愛実行委員会(1)

生徒会の役員が少ないので、うちの中学は、行事ごとにいちいち、実行委員会を編成する。

「あー、実行委員というものはー、自主性、やる気が第一だからな。立候補で決める。誰か、いないかな? ん?」

いかにも「俺は生徒の味方だぞ」スタンスを気取る男の独身教員が、担任クラスをぐるりと見渡す。

あー、やだ。この雰囲気。

紀和(きわ)は、とにかく今の重っ苦しい雰囲気を変えたくて、しぶしぶ手を挙げた。

「おっ、紀和、やってくれるか! 先生は嬉しいぞ。お前なら、きっと大丈夫だ。うん、今度のクラスマッチでお前が準備に加わってくれれば、成功間違いなしだ。よーし、頼むぞ!」

お前呼ばわりすんなよ、こいつ。
あと、下の名前で言うのも、気持ち悪いから、よせ。

んで、こういう教師に限って、言うだけ言っといて、肝心の準備の時なんか、手伝いどころか見回り一つしなそうだし。

紀和は、心の中で毒づいてやった。

それから、考える。

(他のクラスの実行委員、誰がやるんだろ…)

その日の放課後、さっそくメンバーが招集された。

3年生は、もう手慣れた経験者が選ばれる事が多く、種目がどうだ、応援の材料はどうだ、と賑やかに相談をしている。

逆に1年生は、何が何やら全然分からず、指定されて集まった教室の隅っこに固まって、しーんとしているきり。

さてと、同学年の2年生は、と。

1年の時からデキ上がってるカップルが一組…つまり、二人。
おそらく、クラスが違ってもここでなら大っぴらにいちゃつける、と相談して申し出たのだろう。
だめだ、こりゃ。戦力外。

で、うちの学年は4クラスだから、もう一人は…?

去年、よそのクラスへ転入してきた、女子だった。

静かに、窓のそばに立っている。
肩のところで、髪を茶色のゴムで束ね、制服のブラウスの上にカーディガンを羽織っていた。

「あのう…、あなた、一年生の時に引っ越してきた人、よね?」

担当教師がなかなか現れないので、暇をもてあまして、紀和はその少女に声をかけた。

彼女は、声を出さずに、こっくり、する。
間近で見ると、長いまつげに色白、瞳はやや大きめだけれど、そっと伏せられている。

唇はカラーリップを塗ったみたいにつやめいて、その左下に小さな、ほくろがあった。
そのほくろが、おとなしそうな彼女を、妙にコケティッシュに見せている。

ああ、そうだった…と、紀和は思い出す。
この少女が転入してきたとき、学年の男子が色めき立って、職員室のドアに貼り付いていた事を。

「すっげえ、可愛い子!」
「俺んとこのクラスに、来ねーかなー」
「お前んとこはダメだろ、すでに他のクラスより人数多いし」
「くっそ、トレードとかねーかなー」

(まったく、男ってのは転校生に弱いんだよね。お子ちゃま)
その時、紀和はそう思ったのを、いま彼女を目の前にして、改めて思い出したのだった。

「えーっと、私は1組の、新井 紀和だけど…あなたは…」

名前を聞こうとしたが、ちょうどそこへ実行委員会担当の教師が入ってきて、紀和の質問は打ち切られた。

(つづく)

2013年3月29日金曜日

しばらくお待ちください、と、ミスチルの曲(無関係)

家族で話をしていたら、
「そういえば、昔はテレビでよく『しばらくお待ちください』ってテロップが出たよなー」
という話題になり、妙に盛り上がりました。

「小鳥の絵が描いてあったのを見た」
とか、
「風景写真のイメージ映像みたいのが出た」
とか、いろいろ人によって思い出が違う。

ただ共通してるのは、
「どうなったんだろう? これから、どうなるんだろう?」
という、ハプニングに対するドキドキ感。

今は、もうないですよねー。
ちょっと懐かしかったりして。


全然違う話題。
最近、車の中で「MR.CHILDREN 1996-2000」ばっかり聴いてる俺。

特に好きなのが、
「名もなき詩」
「Everything(It’s you)」
「ニシエヒガシエ」
ですねー、今のところ。

「名もなき詩」は、主題歌だったドラマ「ピュア」が好きだったせいもあるし、カラオケでよく歌われていた曲だから。
上記の3曲の中でも、一番小林武史さんの色が強く出ている気がする。間奏とか。

ちなみにこの曲、先日カラオケで挑戦したんですが、惨敗!
桜井さんって、こんな低音だったんだー。

「Everything(It’s you)」は、掛詞がとにかく見事にハマってるなー、と感心。
それに、今の季節にとても合う、開けたイメージの曲にできあがっているなあと思います。

「ニシエヒガシエ」は、初めて聴いたときに「えっ、ミスチルって、こんな危うい感覚の曲も歌うんだ!」と、新鮮なショックを受けました。
でも、くせになるというか、何度も聴きたくなる、不思議な魅力のある歌。

それから、このアルバムには載ってませんが「GIFT」も、大好きな曲。
北京オリンピックのテーマソングなのに、歌い出しが「一番綺麗な色って、何だろう…」って、まー、なんて大胆な歌詞なんだろう!と思ったら、やっぱりテレビではあまり流れてませんでしたね。

でも、その後の歌詞がとても繊細で、曲調も優しくて、好きな曲の一つです。


そんでは、次の百合話が浮かぶまで「しばらくお待ちください」(笑)

2013年3月28日木曜日

女子会ふたり。(9・ラスト)

「私…榎本さんが女の人を欲しくなって、でも相手の人が見つからない時、呼んでくれれば、会うわ…いつでも。それじゃ、だめ…?」

「お互い、変則的だけど、一応人妻どうしだよ。今みたいに、ベッドを離れる時、きっと辛い思いを味わうと思う。そのたび。…それでも、いいの…?」

「…いいの。私、ろくに友達もいないし、森の実家にも、お盆やお彼岸以外は、しばらく足が遠のいているし」

森さんは、腹をくくった様子だった。
好きな相手にそこまで言われてしまえば、据え膳食わぬ榎本さんでもない。

「悪い女だね、あたし達って…」

「旦那様は、大丈夫?」
「ん…相方はきっと、それなりに彼氏を作ってる。HIV検査もお互いしてるし、大丈夫だと思うよ。よほど日常生活に支障をきたさない限り、相互不干渉を約束してるから」

部屋のソファにガウンとショーツ姿で勢いよく座り込む榎本さんに、森さんはもう一度、頼んでみる。

「お願い…今夜は、一緒に眠ってちょうだい…? 榎本さん、だめ…?」

「ここまでお互い白状しといて、だめ、とは言えないでしょ?」
榎本さんは、ほんの少しだけ困った顔をして、そのあと、微笑んだ。

森さんの声が弾む。
「ほんと?! 嬉しい。…一緒に、眠ってくれるのね? じゃあ、来て…?」

「さっきから言ってるでしょ、そんな可愛い誘い方すると、変な男にひっかかっちゃうってば」

「榎本さんだったら、ひっかかってくれてもいいわ?」

「もう…森さんてば、おばかさん。そんなにたらしだなんて、あたし、思ってなかった!」

「ひどいわ、そんな言い方して」

「だってさ…」
ベッドに潜り込んで、榎本さんは、森さんの耳元でそっと囁く。

「…さっきから、あたし、また森さんの事、可愛がりたくなってきちゃったんだもん」
「いいわ。…して…」

ダブルベッドの毛布がしばらく、二人を呑み込んでもそもそする。
その後、今夜二度目の、スプリングがきしむ音がベッドから聞こえてきた。

(おわり…って、終わっちゃっていいんでしょうか、この二人…?…いっか。)

つぶやきその3

あ、話が降りてきた。
つかまえたーっと。

やや不本意な点もありますが、まずはアップをば。

超私信。

きょう送信したメール、暗く取られてしまったら困るな…ううー。
むしろ、感謝の気持ちやら、懐かしくて大切な思い出を綴ったつもりだったんですが。

文字だけで、本当の自分の想いを伝えるって、まことに難しいものです。
メールでも、ツイッターでも、このブログでも。
もっと推敲しないと。

以上、超私信&大きな独り言、でした。

…ここまで読んで予想を立てた方、正解です(苦笑)
「女子会ふたり。」のエンディングが、まだ百合小説の神様から降りてきません!

…どうしよ。

今週末には、なんとか。
(でも日曜日は、たぶん休日出勤。美容院行きたかったんだけどな?)

2013年3月27日水曜日

身辺雑記。

仕事場で、共用のパソコンを打っていたら、隣に後輩さんが来て
「ブラインドタッチですかー、先輩、打つの速いんですねー」
と、言われた。

そらあんた、こんなブログでいろいろいろいろ書いてちゃ、自然にブラインドタッチにも早打ちにもなっちゃうのよ…と思ったけど、んな事、当然言えるわけありません(笑)

しかし、年度替わりは何年この稼業をやってても、疲れる。
会計締めたり、文書引き継いだり、職場の大掃除したり。

特に私は、お金を扱うようなきっちりした仕事がダメダメなので、今年は既に締まって奇跡的。

なのに、別の仕事が私を待っているのだなー、これが。

あまりしんどいので、明日は有給を取得。
普段の平日じゃできない、検診に行こうと計画。

しかし、夜までやっても終わらないチーム仕事があったので、半日はサービス出勤と相成り候。

ばかー!!!(ここ、大声でおねがいします)

2013年3月24日日曜日

女子会ふたり。(8)

「かえって、あたし…悪いこと、したのかも、と、思って…」

榎本さんは、本当にすまなそうな表情をして、そう言う。

「…え?」
短く返す森さんに、こう、続ける。

「その…寝た子を起こす、っていうか…あたし、女だから、あなたに入れてあげる事ができないでしょう? 満足させられないで、中途半端に手をだした、みたいな形になって、ないかって」

黙って、森さんは、首を横に振った。
静かに。

そして、言う。
「それより…、今度は私の方から、あなたにしてあげる番だと…思うわ」

榎本さんは、すかさず、その声を遮った。
「あ、それはないから。心配しなくていいの!」

「榎本さん、あなただって…さっきまで、私と同じように身体が反応してたの、知ってるわ」

「それと、これとは別。さっきのは、あたしがあなたにしてあげたかった事だし、あと…あたしなりに、責任をとったつもりなのよ」

「責任?」

「うん、指輪のこと、話してる時、森さん、言ってたでしょ?『責任取って』って」

「あ、あれは…あの時のなりゆきで…意地悪、言ったつもりは、ないのよ…」

「わかってる、大丈夫。あたしは、あなたが好きだから、この部屋を取った。何かしてあげられる事があれば、したいと思った。それは事実。…でも、あなたが同性を愛せないだろうな、って感じたのも、正直、わかっちゃったんだ」

「え…だ、だって、別に演技とかしてなかったし、私…ちっとも、嫌じゃなかったわ…?」

榎本さんは、乱れかけたガウンの襟元を合わせてから、頭をちょっと、掻く。
「うーん…、うまい言葉が見つからなくて、森さん、ごめん。キツく聞こえたら、ホントに、勘弁してほしいんだけど…」

森さんは、毛布一枚にくるまったままで、そんな榎本さんの口元を、じっと、見ている。

「あたしは、森さんのこと、セクシャルな対象として好きだから、さっきみたいな事、したかったし、実際にできて…嬉しかった。夢みたいにね。だから、あなたが達したように見えたとき、あたしの欲も、その、昇華されたみたいになって…今、森さんに、してもらおうっていう気持ちは、ないんだ」

「でも…そんなの…それじゃ…」
森さんは、困っているようだった。

「あたしが、女性を愛するように、森さんは、男の人を愛する人なんだと思うよ。今はそれがたまたま、相手の男の人に恵まれてないだけで」

榎本さんは、ベッドから滑り降りると、アンダーウェアを手に取った。

「あたし、調子こいて言えば、森さんに嫌われてないの、分かる。でもね、それはセクシャルなものじゃないってこともね、分かる。友情がちょっと度を越したか越さないか、くらいのレベルだと思う…。でも、それじゃ、あたしは…してもらえても、きっと欲情できないんだな、申し訳ないけれど」

「待って!」
総レース、濃紺色のボクサーショーツを身につけようとする榎本さんに、森さんは声をかけた。

「もう…帰ってしまうの?」

「…少しは、疲れたでしょ?…もうおしゃべりはやめて、眠った方がいいと思うよ。指輪は、ベッドサイドの畳んだハンカチの上に、ちゃんと置いてあるから、大丈夫」

「…じゃ、なくて。…私、もうずっと何年も独りぼっちで眠ってて。今夜は、榎本さんが隣で一緒に眠ってくれるんだ、って思ってたから…思いこんでたから…びっくり、して…」

「…うーん、あたしも相方とは別の部屋で寝てるから、ずっと独り寝なんだけど…困ったな。やっぱ、森さんに余計な事、しちゃったね、あたし…。これから一生、あなたの隣で眠ってあげる事は、できないのにね…」

「そんなに、重く考えなくていいの。今夜、一晩だけ。…だめ?」
森さんは、ガウンがはだけているのも忘れているように、ベッドの上に半身を起こす。

これだけ話をしてても、お互い泣くわけでもない…のが、人妻をやってきたキャリアというべきか。

まだ夜は深く、長い。
榎本さんと森さんの女子会も、いまだ終わらない様相を呈してきた。

(つづく)

2013年3月23日土曜日

つぶやきその2

やっぱ、やっちゃうと百合じゃないんですかね。
寸止めというか…そこはかとなく匂わせるというか…

視線をそらして、手をつなぐとか。
さりげなーい、清潔感の残るボディタッチ?

むむう。
百合の神髄って、難しい…。

てなわけで、計画していた二度目の濡れ場は撤回しようかどうか、ちょっと保留中。

2013年3月21日木曜日

つぶやき…

伸び悩んでんな…くーっ。

どーしたら、人様に読んでいただける話が書けるんだろう??

2013年3月20日水曜日

女子会ふたり。(7)

予想外の、同窓会になってしまった。
いや、もう今は榎本さんと森さんの二人だけだから、女子会というべきか。

8年も男性と交渉してないという未亡人と、素人さんの女性とは行為に及んでいない、偽装結婚中の同性愛者。

その二人が15年ぶりの夜に出会って、ホテルの部屋を取るというのだから、目的は何をか言わんや。

幸い、この瀟洒なホテルにはかろうじて空室が残っており、そこを押さえることができた。

「で、あのう…お客様、大変申し訳ないのですが、シングルのお部屋でしたら複数ご用意出来ますが、あとは、ダブルルームが一室、残っているのみでして…いかが、いたしましょう?」

「ダブルで、お願いします。今夜は久しぶりの同窓会で、ゆっくり旧交を温めたいので」

榎本さんは、さらりと言ってのける。
別に、これっぽっちも嘘はついていないのだから。

森さんは、終始うつむき加減で、握ったままのハンカチを、弄んでいた。

「…勝手に、ルームチャージして、…怒った?」
時計の針が動いているように階数を知らせる、クラシックなエレベーターの中で、榎本さんは小声で問う。

「…ばか」
森さんは、ジャケットの裾の代わりに、榎本さんの手の甲を、軽く、つねった。

(8年も、相手なしで我慢してたんだもんな…。今夜は、その分、可愛い姿を見せてもらおう)

榎本さんは、頭の中でシミュレーションする。

まだ、森さんがこれだけ色気と可愛い気を残しているということは、一人で、してるのだろう。
たぶん。

(なら、一人で満足できてない事を、今夜、あたしがしてあげればいいわけだ…)

だいたい、想像はつく。

なぜなら、榎本さん自身も、そうしょっちゅうプロのお姐さん方と遊ぶ資金はなく、一人で事に及ぶ場合は多々、あるから。

そこまで考えた時、オルゴールのような音がチン…と一音聞こえて、目の前のドアが開いた。

互いにシャワーを使ってガウン姿になった後、森さんは、また思い詰めたような顔をして、広いシーツの上に腰掛けた。

「あのね、あの…榎本さん。先に、言っておいた方がいい、と思うから、言うんだけれど…。私、主人が亡くなるまでは、夜のことはね、いつも、私から言い出していたの…。彼が仕事で疲れていない限り、毎晩でも、したくなってしまって…お休みの日は、一日中カーテンを閉めて、ベッドから出られなくなる時も、しょっちゅう、あったの…。そんな、私だけど、いいの…?」

榎本さんは、恥ずかしそうに打ち明ける森さんの顔を覗き込んで、返事をした。

「森さん? そーいうのを『火に油を注ぐ』って言うの、わかる?…まったく、8年もそんな可愛いまんまでいりゃ、他の男が放っておくわけないじゃん。…それより、指輪、お互いに外そう、今だけは。それから後は、あたしが、あなたの8年間をこのベッドの中で埋めてあげる、から」

森さんは、顔を上げて、こくん、とうなずく。
頬を桃のように染めながら。

結婚式の時、二人は、お互い顔も知らない男と、指輪をはめ合い、永遠を誓った。

今夜、榎本さんと森さんは、互いの指輪を外し合い、誰にも届かない闇の中へ飛び込んでいく。
いや、果たして飛び込んでいく先は、闇なのか、それとも快楽の渦なのか?

一人では、絶対経験できないこと…それは、舌を使われて極みに達してしまう事だろう、榎本さんは、そう踏んだ。

そして、作戦通りに事を運んでゆく。

果たして、森さんは恥ずかしく泣きじゃくりながら、榎本さんに全てをゆだねて、悦びを堪能した。

「いい、いいわ…ああ、お願い、榎本さん…もっと、もっとよ…ね、すごい…っ!」

その可愛くてたまらない乱れように、榎本さんも、同じように濡れた。
中学時代から忘れられなかった相手が、今、自分の前にこんな姿を晒しているのだもの。

同性を愛さない森さんに、同じ行為を求めるつもりもない。

それでも、攻めて、見ているだけで、榎本さんも一緒に昇り詰める予感がしてきた。

(やっば…あたしって、そんなプラトニックな部分、まだ残ってたの?)

でも、それは、現実になった。

二人分の声がクラシックな部屋に響いた後、しばらく二人は、毛布にくるまってうつうつと夢の残り香を楽しんだ。

男の人にはきっとわからない、女だけが行為の後に味わえる、至福の甘いひととき。

「ね…森さん?」
さっきまでとはうって変わった、小さな声で、榎本さんは訪ねる。

(つづく ↓ おまけ)

すいません…「★18禁」を前提にしてないで書き始めたので、濡れ場は最小限の表現で…。
その代わり、このお話に年齢の縛りはございません。お好きならばご自由に。

予定は…うーん、もう一回きわどい場面を入れて(希望)…あと2回くらい、かな…このお話。

2013年3月17日日曜日

女子会ふたり。(6)

「…森さんさ、その指輪、はずしちゃえば?」

考えるより先に、榎本さんは口にしていた。

「その指輪、思い出なんかじゃないでしょ?今。自分の、枷(かせ)になってるだけでしょ?…やめた方がいいよ、そんなの」

「…そんな、15年も会わなかったあなたに、何が…何が、分かるの?!」
森さんは、真っ直ぐ榎本さんの眼を見て言う。

「だって、あなた…泣いてるじゃん。その指輪で…」
榎本さんも、森さんを真っ直ぐに見据える。

「本当に、だんな様との思い出が幸せな物として残ってるなら、指輪のあるなしは関係ないと、あたしは思うな。他の男に言い寄られたって、指輪なしで突っぱねればいいんだもん」

森さんは、ずっと榎本さんを見つめている。
でも、さっきほどの怒りに満ちた光は、もう、ない。

「…別に、森を名乗ることをやめろとは、言わない。それは、あなたの自由。でもさ…もう少し、自分を楽にしてあげたらいいんじゃない?だんな様はさ、あなたのせいで死んだわけじゃないんだよ?」

話しながら、本当はもう一つの理由があるのだけど、言い出せない、榎本さんがいた。
その二つめの理由を言ったら、もう、森さんとはこれきり、会えなくなるだろうと思ったからだ。

(…あたし、あなたが他の誰かからもらった指輪をしてる姿、見たくない…)

分別のついた大人なら、いや、本当はそうじゃなくても、年齢的にそうくくられる世代なら、…本音を吐いちゃいけない時がある事くらい、わきまえなきゃ。

榎本さんは、心の中の葛藤を鎮めようと、深呼吸をひとつ、した。

「そこまで言うなら…責任を、取って?」
思い詰めたように、森さんは言う。

「責任…?」

榎本さんには、森さんの言葉の意味が図りかねた。

「…この指輪にはね、いろいろな私の想いが、封印してあるのよ…。今まであなたに話したこと以外にも、幾つも。…こんな場所で言うの、はしたないかもしれないけれど…私、22で一人になってから、誰ともおつきあいしてないのよ…つまり、誰とも、してないの。…結婚してるあなたに、この意味、わかる…?」

「…わかるわ、多分。…だってウチ、偽装結婚だもん」

お互いの言葉は、15年分の再会では追いつけないほど、深いところへ入り込んでいった。
でも、もう止められない。

「実家がさ、結婚しろしろってうるさくて。その事、相方(あいかた)に話したんだ。…大学の時からの友人で、一緒に酒飲んでくだまいたりしてた奴。回りはあたしと相方がすっかりデキてると思ってたみたいだけど、当人同士は初対面の時から、なんとなく、わかってたんだ。『あ、こいつ、自分と同志だ。同じ性別の人間しか、愛せない…』のが、さ」

「不妊症で、子供が授からない夫婦もたくさん世の中にはいるんだから、一生茶飲みじーさんとばーさんでも、いいじゃん?って、二人で話をして、籍を入れた。そりゃもう、親たちは大喜びよ。だましちゃって悪いな、って思いもチラッとあたしたちの頭をかすめたけど、まあ相方とは気が合うし、いいかな…って。でも、結婚前に二人で約束したよ。『一生、できないけど、それだけは覚悟してね』って」

森さんは、ハンカチを握りしめて、黙っている。

「気分、悪くさせたら、ごめん。そうだったら、あたし、出るから…」

榎本さんは、卓上に置かれた革のレシート挟みを手にして、立ち上がった。

森さんが、黙ってチャコールグレイのジャケットをつかむ。

驚いて振り向く榎本さんに、森さんは、視線を外しながら、訊ねた。

「私…そういう話、聞いたことあるし、偏見がない方だと思ってるわ。例えば、同性が好きだからって誰でもいいわけじゃなくて、それぞれの人に好みがあるって事も、知ってるつもりよ。…軽蔑してもいいわ、榎本さん、教えて。…私は、あなたにとって、…タイプ、なの…?」

急展開。
目の前が、くらくらする。

「森さん…、あなたはね、あたしにとって、剛速球のストレート、どストライクって奴よ。15年前も、そして、今この瞬間もね」
視線を合わせられないまま、真っ赤な顔で、榎本さんは答えた。

「…じゃあ、…ここの、お部屋、取りましょう?」
森さんの声も、少し、震えている。

(つづく)

2013年3月16日土曜日

女子会ふたり。(5)

戦前の洋館を綺麗に保存して使っている、小さなホテル。
そのロビーで、榎本さんと森さんは、お茶を飲むことにした。

「わたし、アールグレイで」
榎本さんが先にオーダーをすると、
「じゃあ、私はクイーンメリーをお願いします」
と、森さんも続けた。

ふう…と、二人は柔らかな椅子にほぼ同時に身体を預け、向かい合ってくすくすと笑う。

「脚が、疲れちゃった。いつもヒールなんか履かないから」

「でも榎本さん、今日のパンツスーツ、よく似合ってるわ。チャコールグレイにペンシルストライプの生地、中はスタンドカラーの紺のブラウス。15の頃の、あなたのイメージが残ってる…」

「男みたいな、はねっかえりだっただけ。今も仕事先じゃ、男の子の後輩と一緒に外回り多いし」

「そう…教育係、ってわけね?…ますます、あなたらしいわ…」
森さんは、一瞬なぜか哀しい眼をして、また微笑む。

榎本さんは、運ばれてきたポットから、エキゾチックな香りの紅茶を注ぎつつ、気になって仕方のなかったことを切り出した。

「ねえ、やっぱり、すっごく気になる。森さんの、差し障りのない範囲でいいから、あなたのその指輪の話…聞きたい」

天井では、吊された大きな扇風機がゆったりと空気をかき回し、羽根の間に取り付けられた灯からは、ぼんやりと飴色の光が辺りを照らす。

森さんは、自分も甘い香りの紅茶を一杯注ぎ、純白の磁器でできたカップを、両手で包み込むように持った。

左手の薬指には…そう、気になって仕方がない、指輪が見える。

「あのね…気分、悪くしないでね…? この指輪、もう、私にとっては、だんだん意味が薄れてきてるの。それを戒めるための、おまじない…かな」

「……?」
謎めいた森さんの話しぶりに、ますます榎本さんは、訳がわからなくなる。

「…私、高校を出て、何年かお仕事してるうち、おつきあいを申し込んでくれた人がいてね…、22歳の頃だったかな、結婚したの」

「えっ、森さん、結婚早っ!」

「お勤めも、それを期にやめてね。内輪でお式を挙げて、小さなお部屋を借りて…今考えると、まるで、ままごと遊びをしてるみたいだったわ。楽しかった…彼が、亡くなるまでは」

「ええっ?!」
榎本さんは、ガチャンと音がするのも構わず、カップをソーサーに置く。

「初めての海外出張でね、先輩に連れてってもらうの、とても嬉しがっていたわ。私も、空港まで見送りに行ったの。彼はすごく照れて、来なくていい、って言ってたんだけど…虫の知らせだったのかしらね、私、どうしてもその時、空港に行きたくて、内緒で行ったのよ」

森さんは、淡々と、でも紅茶にはもう手をつけずに、話を続ける。

「その時は、私も彼も、考えてすらいなかったわ。…治安が良かったはずの出張先で、突然クーデターが起きて、会社の先輩と彼は…現地の事務所で、射殺されたの…」

榎本さんは、もう声も出ない。

「彼のご両親と、成田へ帰ってきた彼に、会いに行ったわ。シートに包まれて、飛行機の座席じゃない場所から四角い箱が出てきたのを見た瞬間、…黙祷をすることもできずに、私、気絶してたの」

「…気づいたら、実家の近くの病院のベッドの上だった。数日間、意識が戻らなかったって…。個室の中を見たら、刃物や紐のたぐいが、全部片付けられてたわ。…自殺でも、すると思ったのかしらね…」

ふ…、と、森さんは、遠い目をして苦笑いした。

「それから…しばらくして、彼のご両親が見えて、籍を抜いてもいい、って言ってくださったの。でも、私は、彼との思い出を消してしまいたくはなかった。だから、言ったわ。『私は、森に嫁いだ身です。おとうさんと、おかあさんがもし許していただけるなら、お二人の娘のままでいたいんです』って」

「そんなわけで…22歳の未亡人になったのだけれど、それも、運命だったのかな…。それでもね、私の心って残酷なもので、少しずつ、少しずつ、彼との楽しかった思い出が、薄れていくの」

「ごくたまに、物珍しさで声をかけてくる男性もいたけど、もちろん、彼との思い出とは比べものにならなくて、断ってばかりだったわ。…でも、思い出が遠くなっていく自分が悔しくて、他の男の人に声なんかかけられたくなくて、私、この指輪、ずうっと、はずせないでいるのよ。この指輪は、私と彼をつないでくれる、おまじない、なの…」

一息に話した後、森さんの瞳から、つうっとひとすじ、涙が流れて、落ちた。

(つづく)

2013年3月15日金曜日

女子会ふたり。(4)

恩師をお見送りし、とりあえず…で、一次会はお開きになった。

水商売のお店をきりもりしている同級生の所へ行って、飲み直そう、という話になるグループ。

また、いわゆるお定まりの「同窓会で焼けぼっくいに火がつく」輩もぼちぼちいたり。

三々五々、会場の外へ出てから皆は散り始めていった。

「ねえ、知華子。久しぶりだしさ、カラオケでも行かない?」
気づいたら、むかし近所に住んでいた子が、すぐそばに立っていて、誘ってきた。

「えっ、あ…うーん、やっぱ、やめとく」
「何で? 誰かと先約でもあるのー?」
「ん、まあ、ね。森さんと話してるうちに、一次会お開きになっちゃったから、そういうことで…」

本当は、もっと森さんと話をしたい。

知らなかった、お互いの15年の間の、とりとめのない事。
指輪の話を振ったときの、ちょっと意味深長な態度をとった理由。

少し離れた駐車場では、森さんの声が聞こえてきた。

「ごめんね、さっき、榎本さんとお話していて、まだ途中なの。だから…」
「あら、じゃあ一緒にこっちのファミレス、誘えばいいのに」
「それは、また、今度にでもね。それじゃ…」

なお、しつこそうにしている元クラスメイト(よく知らん女だが)から森さんを引き離しに、榎本さんは小走りにやってきて、ついっと森さんの手を取った。

「と、いうわけなので、お先に失礼。もうお店も、押さえてあるから。さ、森さん?」
「あ、ありがとう、榎本さん」

手をつないだまま、二人分のヒールの音が、夜の石畳に響いていく。

「びっくりした…。森さんが、私と同じ事、友達に言ってたから」
「私もよ…」

「何となくね、もっと、森さんと二人で話、したかったの。…ううん、何となくって言ったら、嘘になるかな。今日の同窓会、中学で三年間同じクラスだった森さんと会えるかなって思って、来たから…」

暗闇のせいだろうか。
15年という月日が自分を大人にしたせいだろうか。
素直に、榎本さんは同窓会へ出席したわけを話していた。

「それにね」
「え?」
森さんが聞き返す。

「さっきの指輪の話、ちょっとイミシンな雰囲気だったわけ。このまま何も聞かないで、帰る気になんかならないって!」

「ふふ…嬉しいわ、そう思ってくれて…」
「え?」
今度は、榎本さんの方が聞き返すはめになる。

「…あのね、私も、今日は榎本さんと久しぶりに会って、ゆっくり話を聞いて欲しくて、指輪の事、さっき、わざとあんな言い方したの。嘘じゃないんだけど…ごめんなさい?」

「ふーん、じゃ、お互い、久しぶりに会えて、良かったって事だよね」
内心のときめきを隠すようにして、榎本さんは言う。

「そうね…」
森さんは、ちょっと視線を落として、はにかむ。

なぜか、二人はつないだままの手を、離せずに歩いていた。

本当は、特にお店の予約なんてしていないのに。

…ただ、しばらく、お互いこうして歩いていたかったから。

(つづく)

2013年3月14日木曜日

女子会ふたり。(3)

すると。

「あら…、倉上(くらがみ)さん?倉上 知華子さんでしょう…?」

声を先にかけてきたのは、彩名のほう。
後ろ姿の久美子の肩越しに、首をかすかに傾け、知華子に向かって微笑みかけた。

何と返したらいいのか、知華子はとっさに思いつかず、ただ、微笑んでうなずく。
久美子と短く別れの言葉を交わした彩名のほうから、ちょこちょこっと駆け寄ってきてくれた。

「懐かしいわ、知華子さん。変わっていないのね…今もスタイル、良くって。髪の毛も真っ直ぐで、中学の時と同じ。綺麗で、私、ずっとうらやましかったのよ…」

15年ぶりのお世辞だと言うことを差し引いても、彩名にそう言われるのは、とても嬉しい。

「彩名さんも、結婚してるのね…私と、同じ」
うつむきがちに、知華子は彩名の左薬指を見つめて言った。

「…ええと…、この指輪の事ね…?ちょっと、話すと長くなるから…ここでは、内緒」

「え?」

知華子には、彩名の返事の意味が分からなかった。
自分と同じように、結婚して、子供がいるかいないかの立ち位置にいると思いこんでいたから。

「知華子さんのリング、素敵じゃない?ダイヤが入ってる結婚指輪なんて、かなりの旦那様とご一緒なのね?」

「とんでもない、こーんな小さいの…埋まってて、あるかないか、分からない程度だもの。彩名さんこそ、プラチナでしょ?それ」

話しているうち、二人は、同じ頃にはっと気がついた。

「いやだ、私たちって、お互い旧姓で呼び合ってる…つい、懐かしくって。彩名さんは、今、何て名字になったの?」

「森(もり)、よ。森 彩名…」

「わあ、何だかロマンチックな感じ」

「そんなことないわ、全然。知華子さんは、何て?」

「私? 榎本(えのもと)知華子っていうの」

「榎本さん…お名前に、良く合ってる。あなたの名字の方が、素敵よ」

「名字が変わった、ってだけ。中身は相変わらず、15の反抗期のまんまだもの」

「あら、それは私も同じよ。特にこういう同窓会に来て、案外みんな変わってないのね、って感じたら、面白くなっちゃったわ」

ふふ…と、二人は同感の笑みを交わす。

「はーい、そろそろお開きですんでー、記念写真撮りまーす。先生方を囲んで撮りますからぁ、こっち、集まってくださーい」

昔から修学旅行の時に仕切り役だった数人の男子が声をはり上げ、それに応えるように、宴会場に散らばった円形テーブルのあちらこちらから、ゆるゆると懐かしい顔が寄り添い、集団に変わっていった。

(つづく)

2013年3月13日水曜日

女子会ふたり。(2)

もしかして、あれが彩名だろうか…?
知華子は、ある一人の立ち姿に目をとめた。

すみれ色のスーツ。
スカートは、軽やかな膝丈のマーメイドタイプ。
肩より少し長い髪は緩く巻かれて、スーツと同じ色のシフォンで作られた花飾りでまとめられている。

色は白く、化粧は濃くなく、左手の薬指には銀に輝く指輪。
プラチナだろうか。

この会場に居合わせた同窓生でごった返す中、彼女は一番15歳の彩名の面影に近い。

声をかけようか、一瞬、知華子は迷った。

その時。

「あら、彩名さん、来てたの?!久しぶりね。元気?」
中学生の時、彩名と同じ書道部だった久美子が、彼女に話しかけていた。
「ええ、まあ、なんとかね…。久美子さんは、相変わらず元気そう…」
懐かしい声の名残りと共に、にこりと微笑む表情は、15の時を思い出させる。

やっぱり。
そうだったんだ、あの人が。

すぐにでも、知華子は話しかけたかったが、久美子からの矢継ぎ早の質問は思ったより長く、途切れる様子はしばらくない。

(つづく)

2013年3月11日月曜日

3・11だから、やはり。

(この話題に触れずに、日をまたぎたくなかったので)

2年前、海のない田舎に住んでいる私のくせに、
生まれて初めて、地震で酔った日。

恐怖と一緒に、むかむかむか…と、胸がつかえた日。

普段の避難訓練がいかに無力か、
揺れる中を大騒ぎで逃げ出していく上司や同僚達を見ながら、思い知った日。

机の下に後輩を押し込んで、私は開け放したサッシの枠につかまって、
群集心理に負けていく人々の姿を、見ていた日。

台風でもないのに、信号がのきなみ消えているのを、初めて見た日。

それでもなお、車の列は一台ずつゆずりあって、通ったり曲がったり、
なんか、泣いちゃいたいくらい、皆っていい奴だーって、思えた日。

いくつもの県が、いろんな理由で、壊された日。

そのどこにも私の大切な友達がいて、何と言葉をかけたらいいのかわからず、
それ以前に、連絡とれるかどうかも分からなくて、
復旧したPCの掲示板に付きっきりで、安否確認した日。

…そして、まだ、終わっていない。

例え忘れかけても、決して終わっていないし、もしかしたらまだ、何一つ戻ってないかもしれない。
過酷でも、確かに現実で、目を背けることは、哀しいけど許されない日。

それが、3・11。

つまり今日。

2013年3月9日土曜日

人妻百合だと、やっぱり

お相手のミセスを「~ちゃん」とは、いくら幼なじみでも呼べないですよね…

となれば、やはり名字で呼び合うか。

んでもって、中学の時以来の再会だとすると、呼び慣れた旧姓でいくか?
はたまた、既婚者ならではの、改姓で呼び合うか?

やっぱ、会ったこともない相手のダンナの名字で呼び合う方が、背徳的かな~(バカ)

こんな些末なことばかり考えていて、本文の続きはさっぱりです(泣)

今週末も持ち帰り残業がありますので、その休憩時間とか、寝る前に、続き考えますので。

2013年3月5日火曜日

女子会ふたり。(1)

中学を出てから初めての同窓会は、15年ぶりの顔でいっぱいだった。

女子より背が低くて可愛がられていた最前列の男子が、ひげ面で見下ろしてきて驚いたり、恩師がみんなそろってタイムマシンに乗ってきたみたいに、全然年を取って見えないのが不思議だったり。

三十路に入って、既婚者組と未婚者組は、話題の違いもあって、何となく分かれて立ち話。

特に女子…いや、もう奥様チームと言うべきか…は、未婚の友人達や奥様仲間をちらりちらりと見ながら、静かに牽制し合っている。

(あの子、中学の時あんなに人気あったのに、まだ結婚相手いないのかしら…)
(もうちょっとやせてたと思ってたけど、あの人、私より太っちゃって、ふふ…)
(ね、知ってる?向こうの喫煙ルームへ入っていった子、バツ一で実家に戻ってきたのよ…)

んなの、いーじゃねーか、と知華子(ちかこ)は思う。

ガキの頃から15年もたちゃ、山あり谷あり、みんな何かしら、あって当然よ。
まだ、死んじゃった同級生がいないだけでも、ありがたいってもんだわ。
高校の同級生じゃ、自殺しちゃったのや、交通事故で逝っちゃった子、いたもんな。

立食パーティーをいいことに、知華子はどの輪にも入らず、大広間の隅でボーイから受け取ったポメリーをすすっていた。

「知華子ちゃんだろ? 布団屋の。俺、分かる?2年の時、同じクラスだった、佐藤だけど」
気づくと、隣に同じくらいの背丈…165ちょい越えくらいか…の地味な男子が、ニコニコして立っていた。

いたっけ?こんなの…。

「はあ…、ども」

そっけなく知華子は返したつもりなのだが、佐藤とやらは反応してくれたかと勘違いしたらしく、一人でしゃべり出した。

「やー、知華子ちゃん、きれいになったねえ。今は、市役所に勤めてるんだって?中学の時もそうだったけど、学級委員やったり、しっかりしてたもんなー」

あほぅ。
誰も立候補しなかったのと、内申かせぎだよ、ありゃ。

これ以上、よくわかんない奴の相手をするのも時間の浪費なので、知華子はとっとと壁をはなれ、リーデルのシャンパングラス片手に、今日来た目的の相手を探し始めた。

矢島 彩名(あやな)。

確か、彼女も自分と同じく、既婚ではなかったろうか。

中規模校に珍しく、3年間とも同じクラスだった子。

字がとても美しくて、肌の色が抜けるように白くて、髪は柔らかな天然のウェーブで。
今でも、知華子は昨日のことのように覚えている。

お人形みたいに綺麗で、清純という言葉が似合う彼女に、もう一度会いたくて。
ただ、その理由一つだけで、知華子は今日の同窓会ハガキの出席欄に、丸をつけたのだった。

でも、卒業以来、彩名とは別の高校へ進み、実際には会っていない。
年賀状をやりとりするくらい。

だから、今日来ているとは限らないのだけれど、もしかしたら…の思いが、知華子をこの会場に向かわせたのだった。

(つづく。人妻百合、いけるか?!更新はゆっくりです~)

2013年3月3日日曜日

どっち?

自分以外、誰も食べる人がいない食事を作ることと、
自分は食べないのに、自分以外の家族が食べる食事を作ることと、
どっちが幸せなのでしょうか?

太らないように、夜は食べないことにしているのですが、それは正解なんですかね…?
(ディアマンテさんに食べさせないでおいて、不謹慎な発言ですが)
私のばやい、その割には、やせてないと思うんですが。

コンビニで、何か食べるもの買いたいなーと誘惑にかられて、入って、
でも結局買わないように我慢して、雑誌コーナーをうろうろして、酒買って帰るのって、
健康そうで、実は不健康だったりして。

そもそも、太るのやせるのって、誰のためかな?
自分のためなら、もっとフツーに、構えないで生きるよね、どっちにしても。

そして、太ってるのがやせたら、本当にそれは「いい」ってことなのかな?

毎日、目に見えそうで見えない、見張られてそうで、実はどこにもいない、そんな何かに縛られて我慢して生きるのって、幸せな人生なのかなあ…?

こういうのがテーマのマンガ、以前、どなたかが描いてらした気がします。

これ、百合っぽくアレンジしたら、どんな話になるんだろうな~。

女どうしだからのライバル心?傷のなめ合い?
それとも、もっと違う展開が待ってる?

書いてみないと、わかんないな、これ。

すぐ書けるかどうか、自信ないけど、ちょっと、寝かせてみます。
ではでは、またっ。

古本屋~!

部屋のスペース上、やむなく昨日は古本屋へ。
再誕後の「百合姫」雑誌を、まるまるっと2年分、美品で出しました。

…査定は、0円。

ショックすぎ…。

もう、これからは買って読んでも、古本屋なんか出さない!

ちなみに、百合のコミックス(単一作家さんの)は、1冊30円でした…

出版界の元気のなさが、こういうところにも表れているような…

でも著作権の事など考えると、変に横流しして金儲けされるより、自分で処分すべき?

2013年3月1日金曜日

3月1日。

日本にとっては、高校の卒業式が多い日。
春一番も吹いたそうです。
そして昔、ビキニ環礁で行われた核実験で、第五福竜丸が被爆した日。
(「唯一の被爆国である日本は~」ってフレーズ、この核実験を無視してるから嫌いよ)

お隣の国、韓国では。
日本人も歴史の教科書で学んでいる、「三・一運動」、抗日運動の日。

どっちも、事実。

どっちも、自分の属する国が主人公。

大切なのは、相手も自分と同じように、主人公としての意識を持っている、と知ること。

以下、私の私見ね…。

三・一運動、当時は確かに日本の横暴。
でも、それを現在も同じ形で運動として続けるのは有効か?
両国の友好関係を強めていく上での、一つのキーワードとできないか?

従軍慰安婦問題。
これは、言語道断、犯した奴が悪い。
女として、理屈以前の怒りがこみ上げてくる。

で、最後、竹島。
…これは、別物として考えるべき問題ではないでしょうかね…?
ロシアの北方四島返還とかね。

春、弥生三月。
心にも、地球の上にも、いろんな風が吹いている、そんな季節が始まります。

誰も、どの国の人も、個人としての心を、真っ直ぐに強く持って、揺らがないように。
そして、一度つないだ手と手を、どうぞ離さないように。