2013年10月12日土曜日

(BL18禁)甘いお役目(5)

カードキーをスライドさせている、真一さんの手を見ながら、僕は考えていた。

こんな光景をみるの、どのくらい久しぶりなんだろう…

家族旅行で泊まったとき?
それとも、中学の時の修学旅行で行った、宿泊先のホテル?

こんなふうに、好きな人にドアを開けてもらう日がくるのは、もっとずっと先だと思っていた。
人生って、何が起こるか分からない。

真一さんが、ドアを押し開ける。
「ドリ。…おいで」
きっと今、僕の顔は赤く染まっている。
それを見られるのがとにかく恥ずかしくて、僕は、小走りに部屋へ入っていった。

僕の後ろで、ドアを閉める重い音が聞こえる。
カードキーをスイッチにして入れたのだろう、電気がついて、部屋が明るくなる。
そうして…ドアの鍵とストッパーを、静かに、かける音。

背後から、抱えている紙袋ごと、真一さんは僕をぎゅっと抱きしめてきた。
心臓がばくばくして跳ねて、それが全部、真一さんに分かってしまうようで、すごく困る。
でも、すごく…嬉しいし、気持ち…いい。

「ドリ…?」
急に、耳元でそっと囁かれて、僕は、ぞわぞわとする。
…これ、感じてる、んだ…。
甘い毒を注ぎ込まれて、何もかも奪われてしまいそう。
でも、それでも、いい。

「しんいち、さぁ…ん」
自分でも知らなかった、甘えた声。
「…感じてるんだ、ね?」
聞かれて素直に、ん、と頷いてしまう。

「…ね、……ベッド、大きくって…やらしい…」
小声で僕が言う。
目の前には、男二人でも十分寝られる広さのベッドと、ソファとテレビ。
ベッドサイドの小テーブルには、一輪挿しにガーベラ。

「やらしくなんてないよ。それは、ドリが…勝手に何か、考えてるから、でしょ?」
「…いじわる」
「そう、俺は意地悪だよ。ドリを可愛がりたくて。…何してほしいの?」
真一さんは、僕の口からそれを言わせたいみたいで、手をゆるめない。

「…もっと、いじわる…して…?」
自分でも目が回りそうなくらい、恥ずかしい台詞。
でも、言いたかったんだ。

「…ああ。覚悟してて…」

僕はベッドまでたどり着く前に、着ている物を全部はぎ取られた。
真一さんも何も身につけない姿になり、二人して倒れ込むようにベッドの上に横たわる。
しばらくは、抱きつきあって、唇を重ねあわせているのに、二人とも夢中だった。
真一さんの体は、すごく熱い。肌がとてもすべすべしていて、気持ちいい…。
僕は、自分から夢中で、真一さんにすがりついた。

真一さんの唇が、僕の肌を探るように、あちこちに落とされていく。
上から、下へとだんだん動いていき、僕は、不埒な想像にどうにかなりそう。

「だ、だめ……しんいちさんっ、そこ…だめぇ」
「…どうして?こんな…勃ってる」
僕の一番反応している尖端に、真一さんの唇がそっと触り、舌が柔らかくそこを舐める。
「だっ、だって、あっ…あ、す、すご……い…っ」
真一さんの唾液で濡らされ、僕のそこは、ますます反応して大きく張り詰めていく。

あ…っ、僕は今、大好きな先輩に、一番恥ずかしい所を…しゃぶられてて…すごくすごく、気持ちがいいよ…ぉ。

そんなような事をわけも分からず大声でわめきながら、僕は、真一さんの口に、初めてフェラされた快感の証を弾けさせてしまった。

どうしよう…すっごく、いい。
もう、一人じゃできないかもしれないくらいに。

「ドリ…一回出したのに、もう勃ってるぞ?…感じやすい悪い子だな…?」
「え。じゃ。……嫌い…?僕」
「正反対。エロいドリをいじめて、余計好きになった…」
「や、だ…真一さん、ひどい…僕、エロくなんてないよ…」
「じゃあ、もう一度射精してみるかい?俺の口に」
「やだ、ねえやだぁ、…僕も、真一さんに…したい…」
「ドリ。…やっぱ、お前はエロいよ、可愛くてエロい…」
「違う、ちがうよっ。…そ、その、真一さんの、あれが、僕も、ほしい…っ」
「飲んで、くれるの?…美味しくないのを」
「欲しいんだ、そうして、真一さんも、僕と同じくらい、気持ちよくなってほしいんだ…」

初めての、行為。
でも不思議に、嫌悪感はなかった。
ただ、真一さんを自分と同じくらい気持ちよくさせたい、それだけ考えた。
「あ…ドリ、上手だ…よ、…んっ、そろそ…ろ、…ああ…いいっ」
真一さんが噴き出したものは、予想より多くて、熱くて、ちょっぴり苦かった。
少しもこぼさないように、そう思って、舌や唇でぬぐいながら、舐めて、飲んだ。
ああ…また、真一さんも僕と同じに、…大きくなって、くれてる…。

僕と真一さんの時間は、昼間か夕方から、こうして始まっていったんだ、

(つづく…やたらと眠いので、間違いあったら後日お詫びしますー)