2013年4月11日木曜日

個人的に今日は。(つぶやき)

今日は、親族の命日。お花を買って帰ってみたりする。
ガラじゃないねー。


あの年の今日は満月で、桜が満開だったなー。

携帯で、いよいよ危ない、と親戚に電話をかけまくっていた夜、
ひとりの叔父がぽつり、と言ったさ。

「満月だからな、今夜あたり、覚悟しといた方がいいんかもしんねえなあ…」

私も、そう思っていたので、うんうん、と返事をしたよ。
私が子供を産んだ時も、満月の真夜中だったから、直感的に。

満月は、いのちの駆け引きをする、不思議な存在なんだ。

その後の事は、正直、断片的にしか覚えていない。
周囲の人たちが動いてくれて、その好意に乗っかって、喪主の大きなリボンをつけたっけ。

告別式の時の挨拶文だけは、徹夜で書いた覚えがある。

別に、誰かに言われた訳ではなくて、亡くなった者をおくる人間として、今はいない相手に最後の恥をかかせては、いけない。

そう、思ったからかな。

けんかばかりしてた、親族だったけどね。
負けたくなかったのかなぁ。こう、気持ちの上で、みたいな。

寝不足と疲れでふらふらしながら、翌日の本番、挨拶を読んだ。
伯母が小声で「しっかり、頑張って!」と、声をかけてくれたのは、読みながら聞こえた。

その後の周囲の反応からすると、どうやら、最後の恥はかかせずに済んだようだったよ。


それから数年、桜を見られない自分がいた。
けれど、今年の終わりは、励ましてくれた人のおかげで、久しぶりに見られる心に戻ったんだ。

でもね、そしたら今年の桜は早くて、散っちゃった。
夜になると、もう、寒いんだなー。
違うんだよ、あの年の、満開の桜の夜とね。

だから、桜の替わりに、最後をおくった人の好きな花を少しだけ買って、家に飾ったんだよ。

来年は、見に行こう、桜。
昼間の暖かな、青空の下の桜。
提灯がほのかに照らす、夜の妖しい桜。

だって、私もあと何回、桜を見られるか、そんなの、誰にも、私にも、わかんないんだもんねえ。

それでは、今度はちがうお話で、また次回!