2012年12月9日日曜日

若夫婦へのご依頼(4)★18禁

実際に、二人が蕗子たち夫婦の家を訪ねた時も、首尾良く事が進んだ。

和也と鹿乃子が、二人の視線によけい興奮しながら交わっていく様子を見て、御簾越しからは、始めに驚いたようなため息が聞こえ、その後少しの沈黙があり、衣擦れの音。やがて、蕗子のものらしい、高めの悩ましい声が慎ましく聞こえ始めた。

「…この度は、ご無理を申し上げてすまなかった。我らは、離れの部屋へ場所を移す。和也義兄さまと奥方様は、どうぞこの部屋を、明日一日気兼ねなくお使いいただき、心ゆくまで睦み合っていただきたい。…では、失礼を」

義弟の声が少々せいて聞こえたのは、おそらく自分も、早く蕗子と交わりたいという気持ちの表れだろう。
…そう思えたのは、まだ冷静さが残っていた和也の方で、鹿乃子はもう、その頃にはほとんど記憶を飛ばしかけていた。
帯紐をほどいてやると、ぐったりと柔らかな布団の上に倒れ込んでゆく。

邪魔者がいなくなり、もっとよくしてやりたくて、和也は始末をしてやると、鹿乃子の片脚をぐい、と高く持ち上げた。
「…えっ?!」
「もう、二人はいなくなったよ、鹿乃子。…ここからが、やっと本当の俺達の時間だ。疲れただろう?そのまま、横になっておいで。…いかせて、やるから…」
言うと、鹿乃子の返事をする暇も与えず、和也は持ち上げた脚の付け根に舌を這わせた。

さっきとは比べものにならないほどの、二人分の恥ずかしい水音が部屋に響く。
「ああーっ、あんっ、か…かずやさまぁっ、…よ…よすぎます…っ」
泣きじゃくる鹿乃子が可愛くて、和也は、指も絡ませながら、そこだけを余すところなく、責め続けた。
言葉だけでなく、本当に、いかせてしまいたくて。

鹿乃子は、体中をがくがくと震わせながら、感じ続けた。
本当に…和也さまの目の前で、全てを見られながら、もうすぐ、いってしまう。
体が教えてくれている。
声を、出しすぎて、かすれかけているのが自分でわかる。
でも達する時には、やっぱり、叫ばずにいられなかった。
「いい…いいっ、はあっ…あ、い…くっ、あぁ、いくうんっ!」

「凄いな…」
口元を手でぐい、とぞんざいにぬぐって、和也が微笑んだときに、もう鹿乃子は意識を手放していた。

「ああ…いやぁ、もう…私…いやらしすぎますっ…」
意識が戻り、和也の胸に抱きしめられて布団の中にいることを知った時に、鹿乃子は身をよじった。
「いいじゃないか?俺は、こういう鹿乃子が好きなんだから。…今だから白状するけど、エンゲージするまで、俺は自分の体の欲の強さに正直、困っていたんだよ。もう鹿乃子にも意味が分かるだろうから言うけれど、自分一人で毎日のように処理しても、物足りないほどだった。これでは、いずれ自分の伴侶となる婦女子の体が持たなくて、嫌われてしまうんじゃないか…そう、心配すらしていたんだ」
「え…っ」
「でも、鹿乃子は違った。俺の求めに一生懸命になって応じてくれたし、みるみるうちに可愛くて淫らな、俺の望み通りの花嫁さんになってくれた。もしお前に無理をさせていなければ、俺はいま心も体も本当に満足しているし、心底ありがたいと思っているんだ。…お前以外の女は、考えられないよ、鹿乃子?」

「こ、こんな恥ずかしい、私でも、構わないのですか……?」
「そのへんの婦女子じゃあ、絶対に許してくれないことを、鹿乃子は優しく受け入れてくれるじゃないか?それだけで、俺は望外の喜びだよ」
「そんな…もったいないお言葉…」
「お前に比べれば、どんな言葉ももったいなくなんかないさ。…もっと、こっちへおいで」
ふたたび熱くなり始めた肌でぴったりと寄り添い、ふたりは頬を寄せた。

(つづく)