2012年8月1日水曜日

夏休みのプール

女子高のプールの周囲には、厳重な柵が張り巡らされている。
もちろん、不埒な部外者の視線から彼女らを守るため。

それを幸い、けっこう高校のプールの授業というのは適当だ。
特に夏休みは、出席で成績をつけてくれるようなところがあるので、
学校から提示された日数のラインを越えていれば、まず間違いはない。

涼を求めて、ぷっかーと仰向けに浮いている子が、隣でゴーグルを直している子に聞く。
「ねえ、隣の組でさ、すっごい泳ぎ上手い子がいなかった? 可愛いのに、背中なんか、逆三角形でさぁ。なんであの子全然来ないの?」
「何をねぼけた事いってんの。彼女は今、夏の国体で他県へ行ってるでしょー?」
「…あ、そか」

かと思うと、その隣を平泳ぎでのったりのったりと泳いでいる子がいたり。
まあ、何でもありワールドである。

それから、大事なのがこれ。

「誰が、スタイル…バストとヒップが美しく立派で、ウエストがきゅっとくびれているか…美人だ?!」

同性の眼は、なかなか容赦がない。

普段は、同じ制服だし、着こなし方でそれなりにごまかせていたり、着やせするタイプがいたりして、正直わかりにくいボディラインが、スクール水着だと残酷なくらいに一目瞭然なのである。

ご面相がおよろしくても、けっこうふっくらタイプだったり、逆にガリガリ過ぎたりしても、興ざめ。
逆に、普段は物静かで長い髪を一つに結わえている子がプールサイドに上がり、髪ゴムがとれた拍子に隠していた水着姿をふっと見せたりしたら、まるで名画「ヴィーナスの誕生」のごとく、ぼんきゅっぼんなスタイルだったりすると、プールの中からも外からも、時には独身のしょーもない男子教諭からも
「うおおおお~」
などと、声が上がってしまう(バカだよなあ…)

あと、定番なのが、眼鏡っ子がゴーグルを外すと、想像以上に可愛かったりして、妙にドキドキしてしまうこと。

このへんの子たちは、二学期になると、隠れファンクラブができていたり、する。

あ、ここをごらんの男性諸氏、
「更衣室ではどーなってるんだっ?!」
という声が聞こえてるんですがー(聞こえてねって)

更衣室って、結構狭いし忙しいし、蒸し暑いしで、あんまり余裕ありません。
下着も、見られないように着替えちゃうから、チェックしようがないし。
せいぜい、今シーズンはどんないい香りの制汗剤使ってるかを情報交換するくらい。

…うーん、なんか涼しいってより、やや暑苦しいお話になってしまいましたな(苦笑)
以上、実録風プール話、おしまいっ。