梨奈に攻められて、カラオケ並みの大音量で、猫のような声をあげている自分が、実果は恥ずかしかった。
と、とたんに。
ふっ。
周りの全ての物も音も、消えてしまった。
あおむけに寝ながら、ゆっくりゆっくりと下りている自分がいる。
むせかえるような、甘いにおい。
見なくても、分かる。
自分の下には、とてつもなく大きな白牡丹の花が咲いていて、実果は、あおむけのまま、そこへ沈み込むようにふんわりと横たわった。
自分の体重の分だけ、花びらがふやん、と重みを持って下がり、またゆっくり上がってきてくれた。
天から、ゆうるりゆるりと花びらが何枚も舞い降りて、掛け布団のように実果をそっと覆ってくれている。
(なぁんて、気持ちがいいんだろう…。
私、どうかなりすぎで、死んじゃって天国へ来ちゃったのかなぁ…)
「み・か・ちゃん☆」
そこへ梨奈の声が急に聞こえてきて、はっと実果は我に返った。
目の前の梨奈は、やけにニコニコしている。
「嬉しいな…、実果ちゃん、梨奈が頑張ったから、イッちゃったのね?」
はい?!
「急に気を失っちゃったから、びっくりしたけど、とっても気持ちよさそうな顔してたから、よかった~って」
そ、そうか…言われてみれば、話で聞いたり本でチラ見したことあったけど、あれが、アレの感覚かぁ…と言われれば、そんな気もしないでもない実果だった。
(しっかし、私って、感じやすいんだなぁ…。いよっし、今度はお返しだわ!)
「じゃ、今度は梨奈ちゃんね~?さっきは涙ぐんでたりして、私の方こそ、容赦しないんだから!」
「きゃんっ、実果ちゃんたらっ★ …でもね、時計、ほら…」
「げっ、もうこんな時間??!! でっでも、延長っていう手があるじゃない」
「梨奈、そんなにお金、もってないしぃ…」
「うーんと、でもっ、今度こーゆートコ、いつ来られるかわからないでしょう?…それに、私も、されてばっかりじゃなくって、梨奈ちゃんのこと、イカせちゃってみたい、し…」
「やーん、実果ちゃんったら、エロ可愛いっ」
「さ、話は時間があったら後でっ。まず、お互いの財布の中身を総動員よっ!」
「うんっ!」
時間があるのに、お金がないのが学生のつらい所と申しますが、さてこのふたり、この後どうなる?
この後は、ブログを離れて紙の上、個人で作る同人誌の上にて再び、お会いいたしましょうね★
~か・み・な・り。 終~