「お、おっまたせい~」
残っていた、ぶかぶか気味の水色のバスローブを着て、実果がシャワーから出てくると、急に梨奈がコホンコホコホ…と咳き込み始めて、止まらなくなった。
「ちょっ、大丈夫、梨奈ちゃん?!」
「う、うん…ちょっと、むせちゃって…へーき、コホン…」
見ると、テーブルにはほうじ茶(粉)を飲んだ跡。
(むむむ? じゃ、梨奈ちゃんも、さっき私がお茶を吹いたのと同じ…? い、いやいや。こんなだぶだぶの男物のバスローブ姿なんか…)
という、実果の推測は、はずれ。
ぶかぶかの男物一着をまとって出てきた姿は、ボーイッシュなはずの実果をかえって華奢に見せてくれちゃって、梨奈はキューンと来ちゃったのだった。
「実果ちゃん、可愛い…」
「はっ、はいいい?!」
な、なんと、押し倒してきたのはキュートな見た目の梨奈の方だった。
「梨奈ね、実果ちゃんとなら、こーゆー事、おんなのこ同士でしてもいいな、って、思ってた…の」
「わ…私となら、って、梨奈ちゃん、場慣れしてるっぽくみえるけど、まさか、他の…」
「いない」
「男の子とも?」
「いや。男の子って、怖そうで、梨奈、嫌い」
「かみなりも、男の子も嫌いなのに…私と、女同士でも、いいの…?」
最後の覚悟を問うように、乗りかかられながらも実果が訊くと、
「実果ちゃんしか、ダメなのっ。…梨奈ね、こーゆー事、実果ちゃんとしたいなって、何度も、思ったことある…」
その恥ずかしそうな告白と、「自分だけ」という想いが嬉しくて、実果はちょっとうずうずっとした。
そして、
「こーゆー事っ?!」
と言いながら、さっきからこっそりほどいていた梨奈のガウンのひもを解き、胸元をばっと開いてしまった。
「きゃんっ!」
「可愛いね、梨奈ちゃん」
ふんわりした、石鹸の香りのする胸に、そっと顔をうずめる。
上にいるせいだけでなく、梨奈の身体は着やせするらしくて、ぽっちゃりふんわりして可愛かった。
胸も、実果よりも豊かな感じ。
「…さわって、くれる?」
「…ん」
軽く頷くと、実果は下から、梨奈のまあるい胸をそっと、優しく手で触れ始めた。