エジプトの内戦状態が、いつもニュースで気になっています。
もう日本は、とっくに政府専用機でも出して、在留邦人を乗せて飛び出したと思っていたのに、未だ「渡航が危険」とか「自粛」とか…
(外務省の「海外安全ホームページ」を見ると分かります。更新、遅いけど)
他国は、もう動いていると思うんですがね。
というか、エジプト人を出国させて救出する段階だと思うんですがね。
人道的に。
だから日本は、「平和ボケ」って言われるんですよ。
右が好きな政党に票が入ってしまったんだから、もうちょっとそれらしく動きなさいな。
2013年8月21日水曜日
2013年8月14日水曜日
お久しぶりです。(つぶやき)
いやいや~、お盆の帰省から少し早めに帰って参りました。
それでも道は混んでいた…
さて、そんな雑用もありましたが、
そんでもって仕事もありましたが、
最近、ここをご無沙汰にしていたのは、ちょっと「荒らし」に近い投稿が、別の媒体からここへ入ってきそうだったからです。
偏見をぬぐいされない、いわゆる「残念」と呼ばれる一連の方々、と申しますか。
うーんと、私がこのブログで女の子同士の恋愛を書いたり、男女間の恋愛を書いたり、男の子同士は…あまり書いてないと思うんですが…趣旨から言うと、
「好き」という感情に、男女や年齢は関係ないのではないか。(血縁関係は除く)
…この気持ちを第一にして、書いてるわけなんですよ。
倫理的にどうだとか、この私の嗜好を変態めいた考えだと思う人とか、当然いらっしゃるでしょう。
(「荒らし」の方々ですね。でも、嗜好としては、私に送りつけられてきた文章の方が、よほど不快に感じられたのですが…まあ、人それぞれということにしておきましょう。)
では、もしそう感じられたのなら、ここをスルーしていただけば済むことです。
そうして、二度と訪れないでいただいた方が、お互いのためではないでしょうかね?
ちょっと、その様子見もあって、しばらくここを留守にしていました。
お久しぶりです。
相変わらず、マイペースでやっていきますので。
よろしくお願いします。
あ、あと、話を読む前に、ちゃんと選べるように、タイトルや文の冒頭で分かるよう、これからは今まで以上に気をつけていこうと思います!
そして、最後。
うれしいお話。
スロバキアから、ご覧になっている方がいらっしゃいましたー!
うれしいです。ありがとうございます。
元気がでました!
ではまた。
今週末からお盆休みも終わり、忙しくなってしまうので、できるだけ近いうちに、ちょっとでも!
それでも道は混んでいた…
さて、そんな雑用もありましたが、
そんでもって仕事もありましたが、
最近、ここをご無沙汰にしていたのは、ちょっと「荒らし」に近い投稿が、別の媒体からここへ入ってきそうだったからです。
偏見をぬぐいされない、いわゆる「残念」と呼ばれる一連の方々、と申しますか。
うーんと、私がこのブログで女の子同士の恋愛を書いたり、男女間の恋愛を書いたり、男の子同士は…あまり書いてないと思うんですが…趣旨から言うと、
「好き」という感情に、男女や年齢は関係ないのではないか。(血縁関係は除く)
…この気持ちを第一にして、書いてるわけなんですよ。
倫理的にどうだとか、この私の嗜好を変態めいた考えだと思う人とか、当然いらっしゃるでしょう。
(「荒らし」の方々ですね。でも、嗜好としては、私に送りつけられてきた文章の方が、よほど不快に感じられたのですが…まあ、人それぞれということにしておきましょう。)
では、もしそう感じられたのなら、ここをスルーしていただけば済むことです。
そうして、二度と訪れないでいただいた方が、お互いのためではないでしょうかね?
ちょっと、その様子見もあって、しばらくここを留守にしていました。
お久しぶりです。
相変わらず、マイペースでやっていきますので。
よろしくお願いします。
あ、あと、話を読む前に、ちゃんと選べるように、タイトルや文の冒頭で分かるよう、これからは今まで以上に気をつけていこうと思います!
そして、最後。
うれしいお話。
スロバキアから、ご覧になっている方がいらっしゃいましたー!
うれしいです。ありがとうございます。
元気がでました!
ではまた。
今週末からお盆休みも終わり、忙しくなってしまうので、できるだけ近いうちに、ちょっとでも!
2013年8月3日土曜日
極道めずる姫君(10)
「すみれ様、先日来、百貨店で誂えておりました、夏の制服がきょう届きました」
何事もなく学校から帰宅し、祖父と父に挨拶を終えて自室に戻った、すみれ。
慕わしくお仕えしている御方に、一刻も早くお知らせしたいと、可奈子が声を弾ませる。
「まあ…、可奈子ったら、自分の制服ができあがったみたいな勢いね?」
若草色の地に、思い切り大きな白の矢羽根をあちこちに散らした銘仙を着ながら、すみれは可奈子を見返って、微笑んだ。
平成の世であるというのに、すみれの部屋は、いつも青畳の香りも清々しい、和室である。
和箪笥の中から、可奈子はすみれの見立てに従い、クリーム色の地に鉄線の花の刺繍を施した名古屋帯を出して、締める手伝いをした。
「…こちらの箱が、ほら、夏服でございます…。もし、生地にご不満がございましたら、外商部の担当店員にお申し付け下さい、との事でした」
二人して、箱を挟んで正座する。
すみれは、ゆっくりと箱を開けた。
…見た目は、他の生徒の夏服と何ら変わらない、白のセーラーの上衣。
ただ違っていたのは、胸当てがつけられ、裏地が全体に縫いつけられて、長袖であること。
去年までは、すみれも、他の生徒と同じく半袖の薄い生地で制服を誂えていた。
ただ、高校生活最後の夏服だけは、刺青を入れた肌を隠すために、違う上衣を作ったのだ。
「…すみれ様、胸割りで五分に彫られたのですから、胸当てもつけず、七分袖でも良かったのではありませんか…?」
「それは駄目よ、可奈子。他の生徒さんは、皆、堅気(かたぎ)のお嬢様なのだから。万に一つでも、私がこちらの世界の者だと分からないようにして、ご迷惑を掛けないようにしなくては…」
「…でも、登下校も別でいらっしゃるし、お肌のご病気ということで、特別に理事長先生の控え室で体育着にも着替えていらっしゃるし…。差し出がましいようですが、ご心配なさりすぎでは…」
可奈子が、そう言う気持ちも、すみれにはよく分かる。
一人だけ異形の制服で夏を過ごすのは、決して気分の良くないものだろう、という…
「彫り師の先生に、身体をお預けしたのは、この私。その時も、お訊ねを受けたわ。『学校を出てからでも十分でしょうに、どうして、条例を越えたお年になったすぐ後に、彫られるのですか?』って」
「そうですわ…今更ですけれど、私も、そう思います」
「私はね、『極道』という不思議な縁で結ばれた何かと、結婚したかったのよ…一秒でも早く」
「え…?」
「子供の時から、おじい様やお父様、そしてたくさんの組の人たちを見てきたわ。決して外道な真似はせず、素人の方に理屈の通らないような真似は誰にもさせない、裏で生きていく我が家を。…物心つかないうちから、私、ちっとも怖くなかった。人が違うと言おうと、青鳳会は一本筋の通った生き方をする人間の、そして、それ故に不器用で世間に上手くとけ込めなかった人間の、大きなひとつの家なんだ…って、思って育ってきているのよ」
「すみれ様…」
「そんな組員(こども)たちに、たかだか高校生の女ができることって、何だろう…そう考えて、私は刺青を入れる事を決めたの。三代目になっても、組の皆を守るから、安心してほしい…って思ってね。…それに比べれば、たったひと夏、制服を長袖で通す事くらい、何でもないわ」
「…申し訳、ありませんでした…」
ずっと正座のまま、すみれの話に聞き入っていた可奈子は、涙を浮かべて頭を下げる。
「まあ、どうして?可奈子は何も悪くないのよ。あなたは私を心配してくれているのだし、それに、いつでも堅気に戻れるのよ?気を遣わないで?」
優しく慰めるすみれの回りには、後光のように光がとりまいているように、可奈子には見えた。
(ああ、この方は言葉だけじゃない。本当に、生まれながらのこの家の姫君なんだわ…)
「私は、すみれ様のおそばに、ずっと、ずっとお供いたします。…もし、お嫌でなければ…」
「嫌なわけ、ないじゃないの。…まあ、涙が滴になっていてよ?いま、そこの箪笥からハンカチを持ってくるから、待ってらっしゃい。動いちゃ駄目よ、着物が濡れるから…」
今にもしゃくりあげそうな可奈子に小声で言うと、すみれは柔らかな物腰で立ち上がった。
(つづく。お久しぶりです!)
何事もなく学校から帰宅し、祖父と父に挨拶を終えて自室に戻った、すみれ。
慕わしくお仕えしている御方に、一刻も早くお知らせしたいと、可奈子が声を弾ませる。
「まあ…、可奈子ったら、自分の制服ができあがったみたいな勢いね?」
若草色の地に、思い切り大きな白の矢羽根をあちこちに散らした銘仙を着ながら、すみれは可奈子を見返って、微笑んだ。
平成の世であるというのに、すみれの部屋は、いつも青畳の香りも清々しい、和室である。
和箪笥の中から、可奈子はすみれの見立てに従い、クリーム色の地に鉄線の花の刺繍を施した名古屋帯を出して、締める手伝いをした。
「…こちらの箱が、ほら、夏服でございます…。もし、生地にご不満がございましたら、外商部の担当店員にお申し付け下さい、との事でした」
二人して、箱を挟んで正座する。
すみれは、ゆっくりと箱を開けた。
…見た目は、他の生徒の夏服と何ら変わらない、白のセーラーの上衣。
ただ違っていたのは、胸当てがつけられ、裏地が全体に縫いつけられて、長袖であること。
去年までは、すみれも、他の生徒と同じく半袖の薄い生地で制服を誂えていた。
ただ、高校生活最後の夏服だけは、刺青を入れた肌を隠すために、違う上衣を作ったのだ。
「…すみれ様、胸割りで五分に彫られたのですから、胸当てもつけず、七分袖でも良かったのではありませんか…?」
「それは駄目よ、可奈子。他の生徒さんは、皆、堅気(かたぎ)のお嬢様なのだから。万に一つでも、私がこちらの世界の者だと分からないようにして、ご迷惑を掛けないようにしなくては…」
「…でも、登下校も別でいらっしゃるし、お肌のご病気ということで、特別に理事長先生の控え室で体育着にも着替えていらっしゃるし…。差し出がましいようですが、ご心配なさりすぎでは…」
可奈子が、そう言う気持ちも、すみれにはよく分かる。
一人だけ異形の制服で夏を過ごすのは、決して気分の良くないものだろう、という…
「彫り師の先生に、身体をお預けしたのは、この私。その時も、お訊ねを受けたわ。『学校を出てからでも十分でしょうに、どうして、条例を越えたお年になったすぐ後に、彫られるのですか?』って」
「そうですわ…今更ですけれど、私も、そう思います」
「私はね、『極道』という不思議な縁で結ばれた何かと、結婚したかったのよ…一秒でも早く」
「え…?」
「子供の時から、おじい様やお父様、そしてたくさんの組の人たちを見てきたわ。決して外道な真似はせず、素人の方に理屈の通らないような真似は誰にもさせない、裏で生きていく我が家を。…物心つかないうちから、私、ちっとも怖くなかった。人が違うと言おうと、青鳳会は一本筋の通った生き方をする人間の、そして、それ故に不器用で世間に上手くとけ込めなかった人間の、大きなひとつの家なんだ…って、思って育ってきているのよ」
「すみれ様…」
「そんな組員(こども)たちに、たかだか高校生の女ができることって、何だろう…そう考えて、私は刺青を入れる事を決めたの。三代目になっても、組の皆を守るから、安心してほしい…って思ってね。…それに比べれば、たったひと夏、制服を長袖で通す事くらい、何でもないわ」
「…申し訳、ありませんでした…」
ずっと正座のまま、すみれの話に聞き入っていた可奈子は、涙を浮かべて頭を下げる。
「まあ、どうして?可奈子は何も悪くないのよ。あなたは私を心配してくれているのだし、それに、いつでも堅気に戻れるのよ?気を遣わないで?」
優しく慰めるすみれの回りには、後光のように光がとりまいているように、可奈子には見えた。
(ああ、この方は言葉だけじゃない。本当に、生まれながらのこの家の姫君なんだわ…)
「私は、すみれ様のおそばに、ずっと、ずっとお供いたします。…もし、お嫌でなければ…」
「嫌なわけ、ないじゃないの。…まあ、涙が滴になっていてよ?いま、そこの箪笥からハンカチを持ってくるから、待ってらっしゃい。動いちゃ駄目よ、着物が濡れるから…」
今にもしゃくりあげそうな可奈子に小声で言うと、すみれは柔らかな物腰で立ち上がった。
(つづく。お久しぶりです!)
2013年8月2日金曜日
なせ「バルス」なのか?(つぶやき)
今夜、日本では「天空の城ラピュタ」というアニメがテレビ放映されていて、
そのたびに「バルス」という滅びの呪文のシーンに対して、反応する人たちがいるわけです。
別に、それを良い悪いというわけではないのですけれど、
「なんで?」というのが、素朴な疑問としてありまして。
私はヘソ曲がりでして、相方と同じ機種の携帯を持つのも「なんだかなー」な人種。
ペアルックなんて、とーんでもございません!
なので、視聴者のみんなで「バルス」という呪文の時に、PCやツイッターで同時に交信する、という行為が…正直、よくわからないのですね。
つながりたい、共有したい、という意識の現れなのでしょうか?
私としては、エジプトの大統領支持騒ぎで国内が二分されているとか、
情報漏洩でアメリカのCIAの人がロシアに一ヶ月亡命するために、首脳会談が危なくなったとか、
そっちの三次元のほうが「バルス!」という感じなんですけど。
あ、きょう電気料金の紙が来たけど、値上がりしてたなー、やっぱり。
これも私にとっては、どっちかっつーと「バルス!」と東電に言ってやりたい気分ですな。
最後に。
私、いま「ラピュタ」より、録画してある「進撃の巨人」が見たいよ~。
(これは単なる趣味の問題ね)
それでは、またー。
そのたびに「バルス」という滅びの呪文のシーンに対して、反応する人たちがいるわけです。
別に、それを良い悪いというわけではないのですけれど、
「なんで?」というのが、素朴な疑問としてありまして。
私はヘソ曲がりでして、相方と同じ機種の携帯を持つのも「なんだかなー」な人種。
ペアルックなんて、とーんでもございません!
なので、視聴者のみんなで「バルス」という呪文の時に、PCやツイッターで同時に交信する、という行為が…正直、よくわからないのですね。
つながりたい、共有したい、という意識の現れなのでしょうか?
私としては、エジプトの大統領支持騒ぎで国内が二分されているとか、
情報漏洩でアメリカのCIAの人がロシアに一ヶ月亡命するために、首脳会談が危なくなったとか、
そっちの三次元のほうが「バルス!」という感じなんですけど。
あ、きょう電気料金の紙が来たけど、値上がりしてたなー、やっぱり。
これも私にとっては、どっちかっつーと「バルス!」と東電に言ってやりたい気分ですな。
最後に。
私、いま「ラピュタ」より、録画してある「進撃の巨人」が見たいよ~。
(これは単なる趣味の問題ね)
それでは、またー。
2013年7月27日土曜日
この国はいま暑い。(つぶやき)
ここ数日、バテています。
もしかしてもしかしたら、熱中症の一歩手前かも~。
なので、私の頭の中にいる、白と紺の浴衣姿で団扇を使うすみれさんも、
パソコンに書きかけた、鹿乃子ちゃんと和也くんの初デートも、
ちっともこのブログに現れてまいりません(泣)
ごめん、皆。
そのうち出してあげられるように、頑張るから。
今夜は、テレビで隅田川の花火でも見ながら、気分を変えられるといいなあ。
(花火なので、何となく、今夜のメニューに冷や奴を入れました)
それではー。
皆さんも、暑さや大水や竜巻や、とにかくヘンな気候にはお気をつけ下さい!
もしかしてもしかしたら、熱中症の一歩手前かも~。
なので、私の頭の中にいる、白と紺の浴衣姿で団扇を使うすみれさんも、
パソコンに書きかけた、鹿乃子ちゃんと和也くんの初デートも、
ちっともこのブログに現れてまいりません(泣)
ごめん、皆。
そのうち出してあげられるように、頑張るから。
今夜は、テレビで隅田川の花火でも見ながら、気分を変えられるといいなあ。
(花火なので、何となく、今夜のメニューに冷や奴を入れました)
それではー。
皆さんも、暑さや大水や竜巻や、とにかくヘンな気候にはお気をつけ下さい!
2013年7月15日月曜日
極道めずる姫君(9)
障子の向こうに立っているだろう、滝川の次期は、煙草を咥えて灯を点けたようだ。
今では懐かしい、紫煙の香りが辺りに漂う。
「…部屋に、煙草の匂いが付きます。お止め下さいまし」
日本刀を真っ直ぐに構えたまま、すみれは言った。
「無粋な方だな。…ろくにお顔も拝見できないからこそ、貴女の部屋へ自分の残り香を置いていきたかったのに」
「笑止な!」
「まあ、そうおかんむりにならずに。せっかくの美少女との噂も台無しですよ。…いや、『極道めずる姫君』…そう、下の者に呼ばれ、慕われているそうですが…自分では、役不足ですか?」
「それは他人が勝手につけた異名(ふたつな)。お返事申し上げる必要はございません」
「…では、貴女が艶な彫り物を自ら進んで身に纏い、うら若き一生を任侠に捧げるとの噂は?」
実際の立ち位置こそ離れてはいても、ずけずけと、この男は言葉で不作法に上がり込んでくる。
…虫酸が走る。
「…お帰り下さいませ。これ以上、貴殿がそこへお立ちのままなら、青鳳会三代目 蒼 すみれ、怒りに任せて我を忘れ、何をしでかすか、我ながらわかりませぬ!」
恫喝、とは、こういう声のことを指すのだろう。
怒りのあまり、不動明王もかくや、というほど、すみれは全身を怒りで熱く滾らせていた。
可奈子は、目をむいてすみれを見つめる。
初めて、心の底から、自分の仕えている同い年の少女を、怖い…と、思ったから。
「…やれやれ、分かりましたよ。障子も燃え上がりそうな貴女の殺気と、今の自分は戦う気がないですから。ただ、覚えておいて下さい。…貴女をさんざん怒らせた男の名は、『滝川 涼一』…とね」
「忘れましたわ、たった今」
吐き捨てるすみれに、楽しげな笑い声で応えながら、滝川 涼一は廊下を歩いていき、その足音は、だんだん遠くなっていった。
その足音が耳を澄ませても聞こえないのを確かめると、すみれは、日本刀を床の間へ戻し、背後へ抛った懐剣を拾うと鞘に収め、再び博多献上に忍ばせた。
「…まあ、可奈子?」
その途端、すみれは何かに気づいたような表情をし、それから、くっくっと笑い出した。
「ど、どうなされたのです?すみれ様?」
気が緩んで、お心が錯乱でもされたのかと、可奈子はびっくりして傍へ寄る。
「見てごらんなさい。私の、この格好」
すみれは、滝川が来る前と寸分違わぬ、割烹着姿のままだったのだ。
おそらく、とっさに割烹着の裾をまくって手を入れ、懐剣をつかんだのだろう。
そしてそのまま、日本刀を持ち、障子の向こうを見据えながら、じっと構えていたのだ。
「良かったわ、障子を開けられずに済んで…こんな姿、見られたら何を言われるか、分かったもんじゃなくてよ?」
「…で、でも、長いお袖のまま、襷を掛ける暇もなかった事ですし、かえって…よろしかったかも…」
可奈子は、懸命になだめようとする。
「だけどねぇ、青鳳会の三代目が、割烹着姿で…可笑しくないこと?」
さっきまでの張り詰めた空気はどこへやら、すみれは、しばらく小声で笑い続けていた。
(つづく。…って、このお話、考えてれば、いつまでーも続きそうなんですが…)
今では懐かしい、紫煙の香りが辺りに漂う。
「…部屋に、煙草の匂いが付きます。お止め下さいまし」
日本刀を真っ直ぐに構えたまま、すみれは言った。
「無粋な方だな。…ろくにお顔も拝見できないからこそ、貴女の部屋へ自分の残り香を置いていきたかったのに」
「笑止な!」
「まあ、そうおかんむりにならずに。せっかくの美少女との噂も台無しですよ。…いや、『極道めずる姫君』…そう、下の者に呼ばれ、慕われているそうですが…自分では、役不足ですか?」
「それは他人が勝手につけた異名(ふたつな)。お返事申し上げる必要はございません」
「…では、貴女が艶な彫り物を自ら進んで身に纏い、うら若き一生を任侠に捧げるとの噂は?」
実際の立ち位置こそ離れてはいても、ずけずけと、この男は言葉で不作法に上がり込んでくる。
…虫酸が走る。
「…お帰り下さいませ。これ以上、貴殿がそこへお立ちのままなら、青鳳会三代目 蒼 すみれ、怒りに任せて我を忘れ、何をしでかすか、我ながらわかりませぬ!」
恫喝、とは、こういう声のことを指すのだろう。
怒りのあまり、不動明王もかくや、というほど、すみれは全身を怒りで熱く滾らせていた。
可奈子は、目をむいてすみれを見つめる。
初めて、心の底から、自分の仕えている同い年の少女を、怖い…と、思ったから。
「…やれやれ、分かりましたよ。障子も燃え上がりそうな貴女の殺気と、今の自分は戦う気がないですから。ただ、覚えておいて下さい。…貴女をさんざん怒らせた男の名は、『滝川 涼一』…とね」
「忘れましたわ、たった今」
吐き捨てるすみれに、楽しげな笑い声で応えながら、滝川 涼一は廊下を歩いていき、その足音は、だんだん遠くなっていった。
その足音が耳を澄ませても聞こえないのを確かめると、すみれは、日本刀を床の間へ戻し、背後へ抛った懐剣を拾うと鞘に収め、再び博多献上に忍ばせた。
「…まあ、可奈子?」
その途端、すみれは何かに気づいたような表情をし、それから、くっくっと笑い出した。
「ど、どうなされたのです?すみれ様?」
気が緩んで、お心が錯乱でもされたのかと、可奈子はびっくりして傍へ寄る。
「見てごらんなさい。私の、この格好」
すみれは、滝川が来る前と寸分違わぬ、割烹着姿のままだったのだ。
おそらく、とっさに割烹着の裾をまくって手を入れ、懐剣をつかんだのだろう。
そしてそのまま、日本刀を持ち、障子の向こうを見据えながら、じっと構えていたのだ。
「良かったわ、障子を開けられずに済んで…こんな姿、見られたら何を言われるか、分かったもんじゃなくてよ?」
「…で、でも、長いお袖のまま、襷を掛ける暇もなかった事ですし、かえって…よろしかったかも…」
可奈子は、懸命になだめようとする。
「だけどねぇ、青鳳会の三代目が、割烹着姿で…可笑しくないこと?」
さっきまでの張り詰めた空気はどこへやら、すみれは、しばらく小声で笑い続けていた。
(つづく。…って、このお話、考えてれば、いつまでーも続きそうなんですが…)
2013年7月14日日曜日
極道めずる姫君(8)
「全く…このところ、普段の手入れの他に、余計なケアが必要になる事が多くて、困ること」
珍しく、ぶつぶつと呟きながら、私服に着替えたすみれは、銃を整備していた。
今日のきものは、一応客人が来ているので、数少ない赤縞の入った唐桟。
これも母譲りの逸品ゆえ、汚さぬよう、割烹着を上につけて作業をしている。
「うふ…」
「?どうしたの、可奈子。私、何か変かしら?」
傍で、昨日すみれが着ていた銘仙を一日ぶりに衣桁から外し、たとう紙に畳んでしまいながら、可奈子は微笑んだ。
「いえ…いつも思うのですが、まだ女子校生のすみれ様が、そんな奥様のような格好をしているのが、何だか、かえってお可愛いらしくて…」
「まあ、からかって。嫌な娘ね?」
返事をしながら、すみれもクスリと笑う。
「…確かにね、いま私がお針仕事でもしているのなら、どこかの奥様にでも見えるでしょうね」
でも、正座したすみれの膝の上には、油が染みこんだ布が幾重にも敷かれ、その上では短銃がいつでも性能を発揮できるよう、磨き込まれていた。
…さすがに、こんな事をしている若奥様めいた十代の娘は、任侠をひとつの道にまで極めさせた国の中にも、何人もいないだろう。
「おやおや、楽しそうですね?」
突然、聞き慣れない男の声が、障子越しに響いた。
もうほぼケアは終わったとはいえ、膝の上の銃を使うことは不利になる。
すみれは、瞬時にそう判断した。
左手で、博多献上の帯にたばさんであった懐剣をスルリと抜き、体の前にかざしながら、音もなく部屋の後ろへ素早く下がる。
床の間へ飾ってあった長刀を右手で持つと、そのまま声のした方へ燃えたぎる視線を当てた。
可奈子自らも、すみれから託されたデリンジャーを胸元から出して、同じ向きに突きつける。
こちらは逆に障子近くへ忍び足で寄り、女主人である三代目の部屋へ一歩も不審者を入れぬよう、身構えた。
(それにしても…)
さっきの、すみれの動きの素早さと、すぐさま変わった表情に、可奈子は今更ながら驚いた。
(あれは…あの動きは、肉食獣が相手を襲うときと同じだわ…敵が一瞬でも動いたら、途端に飛びかかり、喉笛に食らいついて倒してしまうような…何と、お凄い…)
「まあ、お二人とも、そう殺気立たないでください。三代目さんとは、先程ご挨拶申し上げたじゃないですか?」
障子の向こうの男は、ガラス越しにこちらの娘二人を見ているかのように、話しかけてくる。
「…ここは、組とは関係ない、私事(わたくしごと)の建物。貴殿の立ち入る所ではございませぬがゆえ、こちらが驚くのは至極当然。加えて、他人の家を訪ねておきながら、自ら名乗ることもできぬような性根の持ち主に、こちらから何を申しましょうや!」
すみれの、普段より低く恫喝するような声に、例えではなく本当に、障子紙がびりびりと震えた。
「困りましたね。…余程、警戒心がお強い方と見える」
動ぜず話を続けようとする男に、すみれはカッと目を見開き、懐剣を後ろに擲って長刀を本格的に構えた。
(肉食獣よ…美しすぎる、恐ろしい肉食獣…)
可奈子は、デリンジャーの照準を会話から割り出して合わせ続けながら、すみれの妖艶さに、ぞくりと背中を震わせた。
(つづく)
珍しく、ぶつぶつと呟きながら、私服に着替えたすみれは、銃を整備していた。
今日のきものは、一応客人が来ているので、数少ない赤縞の入った唐桟。
これも母譲りの逸品ゆえ、汚さぬよう、割烹着を上につけて作業をしている。
「うふ…」
「?どうしたの、可奈子。私、何か変かしら?」
傍で、昨日すみれが着ていた銘仙を一日ぶりに衣桁から外し、たとう紙に畳んでしまいながら、可奈子は微笑んだ。
「いえ…いつも思うのですが、まだ女子校生のすみれ様が、そんな奥様のような格好をしているのが、何だか、かえってお可愛いらしくて…」
「まあ、からかって。嫌な娘ね?」
返事をしながら、すみれもクスリと笑う。
「…確かにね、いま私がお針仕事でもしているのなら、どこかの奥様にでも見えるでしょうね」
でも、正座したすみれの膝の上には、油が染みこんだ布が幾重にも敷かれ、その上では短銃がいつでも性能を発揮できるよう、磨き込まれていた。
…さすがに、こんな事をしている若奥様めいた十代の娘は、任侠をひとつの道にまで極めさせた国の中にも、何人もいないだろう。
「おやおや、楽しそうですね?」
突然、聞き慣れない男の声が、障子越しに響いた。
もうほぼケアは終わったとはいえ、膝の上の銃を使うことは不利になる。
すみれは、瞬時にそう判断した。
左手で、博多献上の帯にたばさんであった懐剣をスルリと抜き、体の前にかざしながら、音もなく部屋の後ろへ素早く下がる。
床の間へ飾ってあった長刀を右手で持つと、そのまま声のした方へ燃えたぎる視線を当てた。
可奈子自らも、すみれから託されたデリンジャーを胸元から出して、同じ向きに突きつける。
こちらは逆に障子近くへ忍び足で寄り、女主人である三代目の部屋へ一歩も不審者を入れぬよう、身構えた。
(それにしても…)
さっきの、すみれの動きの素早さと、すぐさま変わった表情に、可奈子は今更ながら驚いた。
(あれは…あの動きは、肉食獣が相手を襲うときと同じだわ…敵が一瞬でも動いたら、途端に飛びかかり、喉笛に食らいついて倒してしまうような…何と、お凄い…)
「まあ、お二人とも、そう殺気立たないでください。三代目さんとは、先程ご挨拶申し上げたじゃないですか?」
障子の向こうの男は、ガラス越しにこちらの娘二人を見ているかのように、話しかけてくる。
「…ここは、組とは関係ない、私事(わたくしごと)の建物。貴殿の立ち入る所ではございませぬがゆえ、こちらが驚くのは至極当然。加えて、他人の家を訪ねておきながら、自ら名乗ることもできぬような性根の持ち主に、こちらから何を申しましょうや!」
すみれの、普段より低く恫喝するような声に、例えではなく本当に、障子紙がびりびりと震えた。
「困りましたね。…余程、警戒心がお強い方と見える」
動ぜず話を続けようとする男に、すみれはカッと目を見開き、懐剣を後ろに擲って長刀を本格的に構えた。
(肉食獣よ…美しすぎる、恐ろしい肉食獣…)
可奈子は、デリンジャーの照準を会話から割り出して合わせ続けながら、すみれの妖艶さに、ぞくりと背中を震わせた。
(つづく)
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