いま書いている「恋愛実行委員会」というお話、これにはモデルがあるのです。
それは、私の田舎時代。
お話と違うのは、梨順ちゃんだけでなく、いろんな国の人たち(アジア系の人たち)が、普通に溶け込んで住んでいたところです。
あと、コリアンの人たちは、日本名を名乗っていました。
いろいろ事情があったのでしょう…。
まあ、私の街はかつて軍都だったので、お国から徴用されてきてしまった、お気の毒な方々も多かったのだと思いますが…。
戦後になっても、年配の人の中には、差別的発言をする人もいました。
でも、そういう人のほとんどは、実際に外国から移り住んできた人たちとの接点もなく、頭でっかちの考えで、そう言っていたようです。
一番仲良くなれたのは、やっぱり、子供同士です。
十代の頃。
コリアンの女の子たちは、みんな可愛い子揃いで、遠いコリアン・スクールからひとり、またひとりと転校してくると、職員室前はその度に、男子で鈴なりになりました(笑)
どのくらい可愛いかというと、成人してから、地元の企業ポスターのモデルさんになったくらい。
彼女たちは、いつも笑顔で、日本語がとても上手。
普通におしゃべりを楽しんだり、故郷の国の服や遊びの話を、校庭に絵で描きながら、教えてくれました。
ハングルの新聞も普通に持ってきて、その上でお習字を書いたりしていましたよ。
駅で、コリアン・スクールに通学する、同年代の子達とも、よくすれ違いました。
県内に一校しか学校がないので、通学が遠くて、大変そうでしたね。
そこの女の子の制服が、とっても可愛いかったんですよ。
黒や紺のチマ(スカートみたいな方ね)がふわっとしてて、白のチョゴリ(ちっちゃくて可愛らしいブラウスみたいな方)が、その上にちょん、と乗っているみたいで。
「日本の中学の制服より、よっぽど可愛いよな~」なんて、思ったりして見てました。
別に、特別な政策があったわけじゃありません。
先生方からも「外国の子だから、特別いろいろ教えてやるように」とは言われませんでした。
だから、普通に仲良くできて、良かったのかも知れませんね。
そんな懐かしい昔を思い出しながら、「恋愛実行委員会」を書いています。
もうすぐで終わりになりますが、最後まで読んでいただけたなら、嬉しいな。
2013年4月15日月曜日
2013年4月14日日曜日
恋愛実行委員会(4)
その時。
「うっせーなぁ、ったく!ベラベラしゃべくってねーで、書くもん書けよ!」
さっきまで、紀和と梨順より大声で、仕事もせずに彼女としゃべっていた同学年の男子が、怒鳴りつけてきた。
まあ、確かにおしゃべりに盛り上がっていた時だったので、紀和は
「あ…、ごめん」
と、言っておく。
それでも、その男子の怒りがおさまらなそうなので、紀和はちらり、とそいつらの模造紙をのぞき見する。
(…遅いわ、ワケわからん線並んでるわ、こりゃ、八つ当たりもしたくなるわなぁ…)
「へっ、それに何だよ、さっきから聞いてりゃ、ガイジンの自慢話ばっかじゃねー? よそ者のくせに、デカい面して日本の中学来てんじゃねーよ!」
「ちょっと、言い過ぎだよ、やめときなよ…」
相手の女子が止めるのも聞かずに、男子は暴言を吐いた。
梨順は、涙の粒ひとつ見せず、黙って聞いていた。
きっと、日本に来てから、この手の悪口を何度も聞かされてきたのだろう。
しかし、その瞳は、はっきりと怒りに燃えて、男子をにらみつけている。
模造紙の前に座ったまま、射るような視線で。
そして紀和は、彼女ほど辛抱強いたちではなかった。
聞いた瞬間、立ち上がっていた。
ひるんで座ったままの男子に向かって、駆け寄ると、背後から肩を思い切り蹴りつけて倒す。
スポ少の女子サッカーでFWを張り、関東大会決勝まで行った脚は、まだ衰えていなかったようだ。
さっきまでの悪態が嘘のように、男子は声も上げられないまま、その場にひっくり返る。
梨順は、びっくりした表情で、座ったまま、紀和を見上げた。
紀和が、泣いていたからだ。
肩を震わせて、悔しそうに、しゃくりあげて、紀和は泣いていた。
「ごめん、ごめんね、梨順…」
「どうして…? どうして、紀和が謝るの? 紀和、悪くないじゃない…?」
「違うよ…、あんな言葉、あなたに聞かせた自分が、あなたを守れなかった自分が、悔しくて、それから…あんな、あんなひどい事言う奴、あんなのと私が同じ国の人間だって、思ったら…哀しくなったんだ…っ」
パンパン、と、少しこもりがちに手を打つ音が、作業用に借りた教室に響く。
「あー、んじゃ、先生はこれからー、ここの転がってる2年の男を、念のために、保健室へ連れてっとくー。お前たちは、そのまま作業を続けるように。…あ、それからな」
それまでおっとりしていた担当教師の声が、急に険しくなり、実行委員の全員は、はっとしてそちらを見た。
「…お前たち、『言葉の暴力』って言葉、聞いたこと、あるよなあ? 怪我してできた傷は、医者と薬と時間で治る。だがな、『言葉の暴力』には医者も薬も効かず、時間が経てば経つほど、心の奥まで傷を深くしていくもんだ。…なぜ今、この話をしたか、実行委員になるほどのお前たちなら、わかるよな、あー?」
…事実上の、箝口令。
または、反論の許されない、ジャッジメント。
沈黙の中で、実行委員の全員が、それを理解した。
(つづく)
「うっせーなぁ、ったく!ベラベラしゃべくってねーで、書くもん書けよ!」
さっきまで、紀和と梨順より大声で、仕事もせずに彼女としゃべっていた同学年の男子が、怒鳴りつけてきた。
まあ、確かにおしゃべりに盛り上がっていた時だったので、紀和は
「あ…、ごめん」
と、言っておく。
それでも、その男子の怒りがおさまらなそうなので、紀和はちらり、とそいつらの模造紙をのぞき見する。
(…遅いわ、ワケわからん線並んでるわ、こりゃ、八つ当たりもしたくなるわなぁ…)
「へっ、それに何だよ、さっきから聞いてりゃ、ガイジンの自慢話ばっかじゃねー? よそ者のくせに、デカい面して日本の中学来てんじゃねーよ!」
「ちょっと、言い過ぎだよ、やめときなよ…」
相手の女子が止めるのも聞かずに、男子は暴言を吐いた。
梨順は、涙の粒ひとつ見せず、黙って聞いていた。
きっと、日本に来てから、この手の悪口を何度も聞かされてきたのだろう。
しかし、その瞳は、はっきりと怒りに燃えて、男子をにらみつけている。
模造紙の前に座ったまま、射るような視線で。
そして紀和は、彼女ほど辛抱強いたちではなかった。
聞いた瞬間、立ち上がっていた。
ひるんで座ったままの男子に向かって、駆け寄ると、背後から肩を思い切り蹴りつけて倒す。
スポ少の女子サッカーでFWを張り、関東大会決勝まで行った脚は、まだ衰えていなかったようだ。
さっきまでの悪態が嘘のように、男子は声も上げられないまま、その場にひっくり返る。
梨順は、びっくりした表情で、座ったまま、紀和を見上げた。
紀和が、泣いていたからだ。
肩を震わせて、悔しそうに、しゃくりあげて、紀和は泣いていた。
「ごめん、ごめんね、梨順…」
「どうして…? どうして、紀和が謝るの? 紀和、悪くないじゃない…?」
「違うよ…、あんな言葉、あなたに聞かせた自分が、あなたを守れなかった自分が、悔しくて、それから…あんな、あんなひどい事言う奴、あんなのと私が同じ国の人間だって、思ったら…哀しくなったんだ…っ」
パンパン、と、少しこもりがちに手を打つ音が、作業用に借りた教室に響く。
「あー、んじゃ、先生はこれからー、ここの転がってる2年の男を、念のために、保健室へ連れてっとくー。お前たちは、そのまま作業を続けるように。…あ、それからな」
それまでおっとりしていた担当教師の声が、急に険しくなり、実行委員の全員は、はっとしてそちらを見た。
「…お前たち、『言葉の暴力』って言葉、聞いたこと、あるよなあ? 怪我してできた傷は、医者と薬と時間で治る。だがな、『言葉の暴力』には医者も薬も効かず、時間が経てば経つほど、心の奥まで傷を深くしていくもんだ。…なぜ今、この話をしたか、実行委員になるほどのお前たちなら、わかるよな、あー?」
…事実上の、箝口令。
または、反論の許されない、ジャッジメント。
沈黙の中で、実行委員の全員が、それを理解した。
(つづく)
2013年4月13日土曜日
わ、ご新規さま!
トルコからアクセスありましたー。嬉しいー。
オリンピック招致、どちらが成功しても、協力して頑張りましょうね。
あー、ドンドルマ食べたい…
ごめんなさい、今日は頭痛でここまでです。
寝ますね。
ではまたー。
オリンピック招致、どちらが成功しても、協力して頑張りましょうね。
あー、ドンドルマ食べたい…
ごめんなさい、今日は頭痛でここまでです。
寝ますね。
ではまたー。
え、もう13日?
すいません、週末なので、お運びいただいた方が何人もいらしたようなのに、何もおかまいしませんで…。
(小料理屋かっ!)
今日は、家族にPC明け渡してて、今、ようやっと空いたところです~。
でも、寄る年波(おい!)か、真夜中を過ぎたせいか、目がしばしばしてます~。
なもんで、とりとめなく。
競馬の話題ですが(本当に飛ぶな、話題が)ハギノカムイオーが死んじゃったー。
競りにかけられたとき、当時最高額のサラブレッドとして、一般紙にも載るくらい有名な馬でした。
で、死因は老衰。
うーん、時代を感じる。
でも、レース中に転倒して、脚を骨折して安楽死処分になる馬が多い中、老衰って、すごいね。
お疲れさま。
ちなみに私、シンザンには間に合いませんでしたが、「さらばハイセイコー」は聴きました。
そーゆー世代です。分かる人には分かるかな?
葦毛なら、オグリキャップよりも前の、タマモクロスの方が好きだったというか…
もっと前なら、トウショウボーイとサクラショウリの一騎打ち(多分)が楽しみな子供だったというか…
あー、話がマニアックにいっちゃうので、馬の話はここまで!
お相撲だったら、輪島と北の湖ですね、一番見てた頃の横綱は。
北の湖理事長は、今度還暦のお祝いで、真っ赤なまわしをしめるそうだとか。
なんかなー、横綱のまわしは、やっぱり白じゃないと映えない気がするなー。
神様へ捧げるんだもんね、お相撲って。
…ん? 神様って、赤でもいいのか?(よくわからなくなってきた)
神様といえば、私は、一応仏教徒(真言宗豊山派ね)なんですが、神道の方が好きかな。
「神は細部に宿り給う」とかね。
「八百万の神様」とかね。
目にみえないけど、すべてのものには神様がついていて、全部そこには意味がある。
この世の中を守ってくれていて、無駄なものは一つもない。
だから、すべてのものは大切にされなきゃいけないし、大切にしないとならない。
とても単純で、わかりやすくて、毎日の暮らしに溶け込みやすい宗教…というか、自然との、いいおつきあい方だなぁ、って、思います。
しっかし、ホントに今日のブログは、連想ゲームみたいで脈絡なくて、すいません。
飲んでないんですけど…これだけ支離滅裂が書けるというのも、一つの特技かも、ですか?
(いんや、違うと思う)
今夜は綺麗な、猫の爪みたいなお月様が出ていました。
さてさて、お日様が昇るころには、どんな一日がはじまりますやら。
それでは、気まぐれ気味に、また次回!
(小料理屋かっ!)
今日は、家族にPC明け渡してて、今、ようやっと空いたところです~。
でも、寄る年波(おい!)か、真夜中を過ぎたせいか、目がしばしばしてます~。
なもんで、とりとめなく。
競馬の話題ですが(本当に飛ぶな、話題が)ハギノカムイオーが死んじゃったー。
競りにかけられたとき、当時最高額のサラブレッドとして、一般紙にも載るくらい有名な馬でした。
で、死因は老衰。
うーん、時代を感じる。
でも、レース中に転倒して、脚を骨折して安楽死処分になる馬が多い中、老衰って、すごいね。
お疲れさま。
ちなみに私、シンザンには間に合いませんでしたが、「さらばハイセイコー」は聴きました。
そーゆー世代です。分かる人には分かるかな?
葦毛なら、オグリキャップよりも前の、タマモクロスの方が好きだったというか…
もっと前なら、トウショウボーイとサクラショウリの一騎打ち(多分)が楽しみな子供だったというか…
あー、話がマニアックにいっちゃうので、馬の話はここまで!
お相撲だったら、輪島と北の湖ですね、一番見てた頃の横綱は。
北の湖理事長は、今度還暦のお祝いで、真っ赤なまわしをしめるそうだとか。
なんかなー、横綱のまわしは、やっぱり白じゃないと映えない気がするなー。
神様へ捧げるんだもんね、お相撲って。
…ん? 神様って、赤でもいいのか?(よくわからなくなってきた)
神様といえば、私は、一応仏教徒(真言宗豊山派ね)なんですが、神道の方が好きかな。
「神は細部に宿り給う」とかね。
「八百万の神様」とかね。
目にみえないけど、すべてのものには神様がついていて、全部そこには意味がある。
この世の中を守ってくれていて、無駄なものは一つもない。
だから、すべてのものは大切にされなきゃいけないし、大切にしないとならない。
とても単純で、わかりやすくて、毎日の暮らしに溶け込みやすい宗教…というか、自然との、いいおつきあい方だなぁ、って、思います。
しっかし、ホントに今日のブログは、連想ゲームみたいで脈絡なくて、すいません。
飲んでないんですけど…これだけ支離滅裂が書けるというのも、一つの特技かも、ですか?
(いんや、違うと思う)
今夜は綺麗な、猫の爪みたいなお月様が出ていました。
さてさて、お日様が昇るころには、どんな一日がはじまりますやら。
それでは、気まぐれ気味に、また次回!
2013年4月11日木曜日
個人的に今日は。(つぶやき)
今日は、親族の命日。お花を買って帰ってみたりする。
ガラじゃないねー。
あの年の今日は満月で、桜が満開だったなー。
携帯で、いよいよ危ない、と親戚に電話をかけまくっていた夜、
ひとりの叔父がぽつり、と言ったさ。
「満月だからな、今夜あたり、覚悟しといた方がいいんかもしんねえなあ…」
私も、そう思っていたので、うんうん、と返事をしたよ。
私が子供を産んだ時も、満月の真夜中だったから、直感的に。
満月は、いのちの駆け引きをする、不思議な存在なんだ。
その後の事は、正直、断片的にしか覚えていない。
周囲の人たちが動いてくれて、その好意に乗っかって、喪主の大きなリボンをつけたっけ。
告別式の時の挨拶文だけは、徹夜で書いた覚えがある。
別に、誰かに言われた訳ではなくて、亡くなった者をおくる人間として、今はいない相手に最後の恥をかかせては、いけない。
そう、思ったからかな。
けんかばかりしてた、親族だったけどね。
負けたくなかったのかなぁ。こう、気持ちの上で、みたいな。
寝不足と疲れでふらふらしながら、翌日の本番、挨拶を読んだ。
伯母が小声で「しっかり、頑張って!」と、声をかけてくれたのは、読みながら聞こえた。
その後の周囲の反応からすると、どうやら、最後の恥はかかせずに済んだようだったよ。
それから数年、桜を見られない自分がいた。
けれど、今年の終わりは、励ましてくれた人のおかげで、久しぶりに見られる心に戻ったんだ。
でもね、そしたら今年の桜は早くて、散っちゃった。
夜になると、もう、寒いんだなー。
違うんだよ、あの年の、満開の桜の夜とね。
だから、桜の替わりに、最後をおくった人の好きな花を少しだけ買って、家に飾ったんだよ。
来年は、見に行こう、桜。
昼間の暖かな、青空の下の桜。
提灯がほのかに照らす、夜の妖しい桜。
だって、私もあと何回、桜を見られるか、そんなの、誰にも、私にも、わかんないんだもんねえ。
それでは、今度はちがうお話で、また次回!
ガラじゃないねー。
あの年の今日は満月で、桜が満開だったなー。
携帯で、いよいよ危ない、と親戚に電話をかけまくっていた夜、
ひとりの叔父がぽつり、と言ったさ。
「満月だからな、今夜あたり、覚悟しといた方がいいんかもしんねえなあ…」
私も、そう思っていたので、うんうん、と返事をしたよ。
私が子供を産んだ時も、満月の真夜中だったから、直感的に。
満月は、いのちの駆け引きをする、不思議な存在なんだ。
その後の事は、正直、断片的にしか覚えていない。
周囲の人たちが動いてくれて、その好意に乗っかって、喪主の大きなリボンをつけたっけ。
告別式の時の挨拶文だけは、徹夜で書いた覚えがある。
別に、誰かに言われた訳ではなくて、亡くなった者をおくる人間として、今はいない相手に最後の恥をかかせては、いけない。
そう、思ったからかな。
けんかばかりしてた、親族だったけどね。
負けたくなかったのかなぁ。こう、気持ちの上で、みたいな。
寝不足と疲れでふらふらしながら、翌日の本番、挨拶を読んだ。
伯母が小声で「しっかり、頑張って!」と、声をかけてくれたのは、読みながら聞こえた。
その後の周囲の反応からすると、どうやら、最後の恥はかかせずに済んだようだったよ。
それから数年、桜を見られない自分がいた。
けれど、今年の終わりは、励ましてくれた人のおかげで、久しぶりに見られる心に戻ったんだ。
でもね、そしたら今年の桜は早くて、散っちゃった。
夜になると、もう、寒いんだなー。
違うんだよ、あの年の、満開の桜の夜とね。
だから、桜の替わりに、最後をおくった人の好きな花を少しだけ買って、家に飾ったんだよ。
来年は、見に行こう、桜。
昼間の暖かな、青空の下の桜。
提灯がほのかに照らす、夜の妖しい桜。
だって、私もあと何回、桜を見られるか、そんなの、誰にも、私にも、わかんないんだもんねえ。
それでは、今度はちがうお話で、また次回!
2013年4月10日水曜日
恋愛実行委員会(3)
紀和と梨順は、二人して大きな模造紙に線や字を書くことになった。
「どうしよう…床に模造紙をじかに置いたら、マジック、映っちゃうかぁ」
紀和が、無意識につぶやくと、
「あ、じゃ、チョ(私)が教室に新聞紙、置いてあるから、それ、持ってくる!」
さっと聞き止めて、梨順はパタパタと廊下を小走りに去っていく。
しばらくして、よほど急いだのか、桃色の頬をよけいに濃くして、梨順が帰ってきた。
「はい、これだけあれば、足りるかな?」
「わあ…!」
紀和は、その紙をひと目見るなり、歓声をあげた。
幾何学模様のようなハングルが、小さな活字でぎっしりと規則正しく並んでいる。
英字新聞なら、包装紙の柄や、実際の切れ端で何度か見たことがあった。
でも、こんな新聞を見るのは、初めて。
「すごい…綺麗ねえ。私、ハングルの新聞、初めて見た!…読めないけどね、えへへ」
紀和は、頭をかいた。
「日本(イルボン)にも、チョの国の人、いっぱいいるよ。だからね、ハングルの新聞、買って読むの」
「えー、じゃ、梨順さんって、ハングルができて、日本語できて、学校で英語も勉強してて…三つも言葉しゃべれるんだ、すごーい!」
「やだ、恥ずかしい、そんな大きな声出さないで。あ、あと、『さん』つけなくていいよ、名前。梨順でいいよ、チョも『紀和』って、呼んでいい?」
「うん、もちろん。…でもほんと、この新聞、綺麗だなー。マジックの跡つけるの、もったいないね」
「大丈夫。家に、たくさんあるから」
二人は、いつの間にか仕事そっちのけで、おしゃべりに夢中になっていた。
(つづく)
★おまけ★
ニュースではいろいろ言っている昨今ですが、うちのブログの中は、こんなスタンスです。はい、ガールズラブ至上主義。
「どうしよう…床に模造紙をじかに置いたら、マジック、映っちゃうかぁ」
紀和が、無意識につぶやくと、
「あ、じゃ、チョ(私)が教室に新聞紙、置いてあるから、それ、持ってくる!」
さっと聞き止めて、梨順はパタパタと廊下を小走りに去っていく。
しばらくして、よほど急いだのか、桃色の頬をよけいに濃くして、梨順が帰ってきた。
「はい、これだけあれば、足りるかな?」
「わあ…!」
紀和は、その紙をひと目見るなり、歓声をあげた。
幾何学模様のようなハングルが、小さな活字でぎっしりと規則正しく並んでいる。
英字新聞なら、包装紙の柄や、実際の切れ端で何度か見たことがあった。
でも、こんな新聞を見るのは、初めて。
「すごい…綺麗ねえ。私、ハングルの新聞、初めて見た!…読めないけどね、えへへ」
紀和は、頭をかいた。
「日本(イルボン)にも、チョの国の人、いっぱいいるよ。だからね、ハングルの新聞、買って読むの」
「えー、じゃ、梨順さんって、ハングルができて、日本語できて、学校で英語も勉強してて…三つも言葉しゃべれるんだ、すごーい!」
「やだ、恥ずかしい、そんな大きな声出さないで。あ、あと、『さん』つけなくていいよ、名前。梨順でいいよ、チョも『紀和』って、呼んでいい?」
「うん、もちろん。…でもほんと、この新聞、綺麗だなー。マジックの跡つけるの、もったいないね」
「大丈夫。家に、たくさんあるから」
二人は、いつの間にか仕事そっちのけで、おしゃべりに夢中になっていた。
(つづく)
★おまけ★
ニュースではいろいろ言っている昨今ですが、うちのブログの中は、こんなスタンスです。はい、ガールズラブ至上主義。
2013年4月9日火曜日
シスターズ・ラブ到着!(4月3日の続きです)
さてさて、昔懐かし、私が百合ジャンルに目覚めたきっかけのマンガが、届きました!
コミックス、2冊~。
(いや、この雑誌休刊しちゃって、2冊しかコミックス出てないんですけどね)
カバーを見ると「シスターズ・ラブ」と書かれています。
うーむ、今みたいに「ガールズラブ」というジャンルが確立される前は、こう呼んでたんですね。
「エス」(シスター、つまり姉妹に似た女子の擬似恋愛)の一種と、くくられていたのかしら?
…しかし、内容は現在より、か、かなり過激です…。
きっと、黎明期だったがゆえに、規制がゆるかったんでしょうねー。
で、買ってみた感想はというと。
はい、一勝一敗でした。
一勝の方は、ほとんど未読のお話で新鮮に楽しめたのと、とにかく、絵が綺麗~。
主人公さんのファッションも、ちょっとまねしてみたいくらい、いま見ても古くなくて、素敵。
一敗さんの方は…すいません、この後の文、笑わないで読んでほしいんですけどー、…確かにかなりのかなりな描写でございましたが…私の想像、いや妄想の方が…先を走っていました(爆)
かくして、時代は変わり、百合ジャンルは確立した世の中になりました。
こうやって想像の世界に遊べるのも、先人の皆様のおかげですねー、ありがたいことです。
…あとは、暴走しかけている私の百合モードを、もっと可憐にシフトダウンしないとな!
いかんいかん。いかんぞ自分!
コミックス、2冊~。
(いや、この雑誌休刊しちゃって、2冊しかコミックス出てないんですけどね)
カバーを見ると「シスターズ・ラブ」と書かれています。
うーむ、今みたいに「ガールズラブ」というジャンルが確立される前は、こう呼んでたんですね。
「エス」(シスター、つまり姉妹に似た女子の擬似恋愛)の一種と、くくられていたのかしら?
…しかし、内容は現在より、か、かなり過激です…。
きっと、黎明期だったがゆえに、規制がゆるかったんでしょうねー。
で、買ってみた感想はというと。
はい、一勝一敗でした。
一勝の方は、ほとんど未読のお話で新鮮に楽しめたのと、とにかく、絵が綺麗~。
主人公さんのファッションも、ちょっとまねしてみたいくらい、いま見ても古くなくて、素敵。
一敗さんの方は…すいません、この後の文、笑わないで読んでほしいんですけどー、…確かにかなりのかなりな描写でございましたが…私の想像、いや妄想の方が…先を走っていました(爆)
かくして、時代は変わり、百合ジャンルは確立した世の中になりました。
こうやって想像の世界に遊べるのも、先人の皆様のおかげですねー、ありがたいことです。
…あとは、暴走しかけている私の百合モードを、もっと可憐にシフトダウンしないとな!
いかんいかん。いかんぞ自分!
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